これは人間に備わった、
基本機能のひとつではないかと思う。
伝聞が伝われば伝わるほど、話に尾ひれがつくこと。
伝言ゲームがどんどん違う内容になる理由。
「仲良し五人組」が、
端から見たらたいして変わらない集団なのに、
内部から見たら「個性の塊の豊かなバラエティー」に見えてる理由。
私とあなたの、遠いところと近いところ。
日常と異変。
日常と事件。
日常の安全な世界と非日常の危険な世界。
グッドニュースとバッドニュースがある。
両極端や対比として理解しようとする心。
比較対象があってはじめて理解できる感じ。
よそはよそ、うちはうち、と他所を出さないと内を認識できない現象。
「髪切った?」と気づくのは、昨日と違うから。
整形に感じる違和感。
音程が外れたり間違っていることへの違和感。
異分子を集団から排除する行為、
または異分子を「作り出して」それ以外の結束を作る行為。
これらは、ある種の「差異の増幅」の結果ではないだろうか。
差異を増幅したがる生き物には、
少しだけ違うもので、似たようなものを出すと、
楽しんでくれるんじゃないか。
最初は少しの異変。
それがエスカレートしてゆく。
それは、「差異を増幅したがる」本能に訴えるから、
楽しいのではないか。
スプレッド。
あるものをある法則に従ってならべること。
一覧性、コレクション性が高い。
(たとえば、アイドルを全員並べる、
寿司ネタを全部並べる、白亜紀の恐竜一覧)
これは、視線を移動して差異を発見し、
差異を増幅したがる生き物にとって、
娯楽になるのではないだろうか?
間違い探し、犯人探しも、
同じ欲望が走ってるのではないだろうか?
「この文章にはひとつだけ間違いがあります」。
そう言われるだけで、思わず見直してしまうんじゃない?
(このこと自体は嘘だけど)
差異を増幅したがる生き物。
我々のその本能を理解して、娯楽に組み込もう。
偽ヒーローや詐欺や嘘は、そういう娯楽じゃないだろうか?
2017年02月23日
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