普段は机の上でうなってるだろうけれど、
もし可能なら、実際の撮影現場を見に行くのは、
たいへん勉強になる。
昭和の時代なら、
撮影スタジオの受付で、
「映画の脚本家になりたいんです。
現場で勉強させてくれませんか」
なんて言えば、多分入れてくれた。
今はコンプライアンスとか言ってるからなあ。
真面目に勉強するためには、
何日か通うといいかも知れない。
守衛のおじさんを突破できても、
その先に入れないこともあるだろう。
うまくそこの助監督と仲良くなれば、
一日スタジオ撮影を見れるかも知れない。
あなたがまずやるべきことは、
ひょっとしたら「ここで見たことは他言したり、
ネットに漏らしません」という誓約書を書くことかも知れないので、
身分証明書とそのコピーを持っていくといいかも知れない。
秘密さえ漏れなければ、
脚本家になりたいという若者を邪険にするスタッフはいないだろう。
勿論、飯やお菓子に手をつけてはいけないよ。
さて。
まずは今撮っているシーンの脚本を手に入れよう。
その流れを頭に入れることだ。
その上で、
どの部分をどうやって撮影しているかを見よう。
(出来れば仕上がったそのシーンを見よう。
なんと一瞬か、と思うだろう。
たった数秒から一分程度に、一日かかるのだから)
何のどういうシーンで、
焦点は何で、
シーンの前と後で何が変化したかを頭に入れよう。
それはどのような芝居で作られていくかを見よう。
もし、
「この台詞がどうしても言いにくい」とか、
「シナリオにはこう書いてあるから、
こう撮らなきゃいけないんだが」とか、
シナリオと現場が齟齬を起こしていることがあったら、
その場でシナリオを直すことを考えてみよう。
間違っても言ってはいけない。
そんな生意気なやつは追い出す。
頭のなかでシミュレーションするだけでいい。
で、そのシミュレーションよりも、
仕上がったものが良くなかったら、
あなたには脚本の才能があるかも知れない。
仕上がったものを見て、どう直すべきかなんて、
誰でもできる。
もっと水際、
今ここで撮影されているものの、
現場とシナリオの距離を見ておくことだ。
一日見学できたら、
映画撮影のリアルを知ることが出来るかも知れない。
複数の現場をたくさん見れたら、
それだけでリアルはどういうことか分かってくる。
もしかしたら、
プロの脚本をその場で全部読めるかも知れない。
(ちゃんと返却するように!)
秘密さえ漏れなければ、
そのようなことを、
若者に見せることを断るバカなスタッフはいないだろう。
今日の撮影よりも○○日にきたまえ、
と言われるかも知れないが、
そうやって現場百回は、大事なことかも知れない。
現場の人は怖いんじゃないか、
そう思ってびびる必要はない。
飛び込めば、怖い人もいるし、たまに優しい人もいる。
ふつうの社会と同じだよ。
僕はそういうことを知らなかったので、
学生時代にそういうことをしてもいいのだ、
と知ることは出来なかった。
今みなさんは知った。
東京にいれば、どこかで現場がある。
訪ねてみることだ。
あ、CMの現場は難しいです。
クライアントが来てるから、とみんな気を使う。
ドラマか、映画の現場にしておきなさい。
身分証明書のコピーを渡して、
ケータイも預ける気持ちでいれば、
相手も人間だ。
何人かに一人は、見学を許してくれるかもね。
あなたが書いた分厚いシナリオがあるなら、
それを見せて、冷やかしじゃないことを示せるかも知れない。
現場を知ろう。
そこで文字だけのシナリオが、
現実になっていく。
それをイメージしながら、
最終仕上がりもイメージしながら、
机の上で闘えるようになるぞ。
間違っても監督のやり方にけちをつけるなよ。追い出されるぞ(笑)
2017年03月02日
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