2017年03月04日

100人の登場人物を作ってみよう

また、極端なエクササイズ。

100人、キャラを作ってみたまえ。


主人公クラスだけでなくていい。
脇役や端役もまぜて。
そいつらが同じ話にでてもいいし、
別の話に使い回してもいい。
とくにエピソードを持ってなくてもいい。

ストーリーはキャラ設定から生まれない、
と僕は主張するのだが、
人物に魅力のないストーリーは詰まらない。

そこで、人物を先に100人作っておいて、
あなたの俳優にするのである。

手塚治虫が「スターシステム」と名付けた方法だ。
別の話のキャラが、
スター俳優としてその作品に別の人物として出てくるのである。



さて。

これをやってみるとわかること。

自分のキャラのストックが、あまりにも少ないことだ。


主人公キャラは似たようなのばかり。
ヒロインも似たようなの(あるいはどこかで聞いたようなの)ばかり。
脇役や端役はちょっとましなのができるぐらいかな。
へんてこな飛び道具を持ってるキャラ(片腕とか、超能力とか、
半分ロボットとか)なら目立つけれど、
単なる人間に限ると、実にバリエーションを100も作れないことに、
一度愕然としてみるといいだろう。

とくに、おばさんとか老人とかは、
テンプレしか作れないだろう。
親しい人の年代や性しか、描けないということにまず気づこう。



さあ、ここからが本題だ。

人と人を他人に分けている境界線は、なんだろう?
外見?名前?年齢?性?出身地?
性格?
経験?
スキル?
喋りぐせ?


あなたは、どうやって人と人を区別している?
名作は、どうやって人と人を区別している?
そこを、深く掘っていくのである。


あなたはこれから何十本もの作品を書いていくだろう。
そのたびに数人または十人以上のキャラを創造する。
100人だとすぐ足りなくなる。

ストックをしていってもいいし、
そのたびに作ってもよい。

いつかこのキャラを主人公に、なにかを書きたい、
というキャラに、100人も作ってみれば出会えるかも知れない。


キャラクターは作家の財産である。
キャラ、というと漫画チックだから、
登場人物、と小説や映画風にリアリスティックに呼称してもいい。

登場人物ノートに、100人書き出してみたまえ。
まず100人の名前を作ることさえ、実は難しいよ。



で、それを終えたあとが本番なんだよ。

その100人に「ないキャラクター」を、
日々出会う人を観察することで、
作っていくのである。
その100人は、いわばあなたがすぐ作れるやつなんだ。

そこにいないキャラクターのストックを、
日々作っていく。
弱点を補強していくのである。

冷徹で狡猾なやつがうまく作れないなら、
周りにいるクールなやつやドライなやつや、
頭のいいやつと話したり観察したりして、
その人がどうやって首尾一貫しているか、
ということを見ていくのである。
そして、うまくキャラクターにおとしこんでいくのである。
そいつの口調を真似させたり、
そいつの過去をアレンジして持たせたり。


僕は双子座とか天秤座とか水瓶座の、
風の星座群がとくに苦手で、
日々そういう人を観察しては、
人物作りに生かしたりしている。


勿論、長所も磨いていこう。
得意な人物像は、たいてい作者似だけどね。
posted by おおおかとしひこ at 14:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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