また、極端なエクササイズ。
100人、キャラを作ってみたまえ。
主人公クラスだけでなくていい。
脇役や端役もまぜて。
そいつらが同じ話にでてもいいし、
別の話に使い回してもいい。
とくにエピソードを持ってなくてもいい。
ストーリーはキャラ設定から生まれない、
と僕は主張するのだが、
人物に魅力のないストーリーは詰まらない。
そこで、人物を先に100人作っておいて、
あなたの俳優にするのである。
手塚治虫が「スターシステム」と名付けた方法だ。
別の話のキャラが、
スター俳優としてその作品に別の人物として出てくるのである。
さて。
これをやってみるとわかること。
自分のキャラのストックが、あまりにも少ないことだ。
主人公キャラは似たようなのばかり。
ヒロインも似たようなの(あるいはどこかで聞いたようなの)ばかり。
脇役や端役はちょっとましなのができるぐらいかな。
へんてこな飛び道具を持ってるキャラ(片腕とか、超能力とか、
半分ロボットとか)なら目立つけれど、
単なる人間に限ると、実にバリエーションを100も作れないことに、
一度愕然としてみるといいだろう。
とくに、おばさんとか老人とかは、
テンプレしか作れないだろう。
親しい人の年代や性しか、描けないということにまず気づこう。
さあ、ここからが本題だ。
人と人を他人に分けている境界線は、なんだろう?
外見?名前?年齢?性?出身地?
性格?
経験?
スキル?
喋りぐせ?
あなたは、どうやって人と人を区別している?
名作は、どうやって人と人を区別している?
そこを、深く掘っていくのである。
あなたはこれから何十本もの作品を書いていくだろう。
そのたびに数人または十人以上のキャラを創造する。
100人だとすぐ足りなくなる。
ストックをしていってもいいし、
そのたびに作ってもよい。
いつかこのキャラを主人公に、なにかを書きたい、
というキャラに、100人も作ってみれば出会えるかも知れない。
キャラクターは作家の財産である。
キャラ、というと漫画チックだから、
登場人物、と小説や映画風にリアリスティックに呼称してもいい。
登場人物ノートに、100人書き出してみたまえ。
まず100人の名前を作ることさえ、実は難しいよ。
で、それを終えたあとが本番なんだよ。
その100人に「ないキャラクター」を、
日々出会う人を観察することで、
作っていくのである。
その100人は、いわばあなたがすぐ作れるやつなんだ。
そこにいないキャラクターのストックを、
日々作っていく。
弱点を補強していくのである。
冷徹で狡猾なやつがうまく作れないなら、
周りにいるクールなやつやドライなやつや、
頭のいいやつと話したり観察したりして、
その人がどうやって首尾一貫しているか、
ということを見ていくのである。
そして、うまくキャラクターにおとしこんでいくのである。
そいつの口調を真似させたり、
そいつの過去をアレンジして持たせたり。
僕は双子座とか天秤座とか水瓶座の、
風の星座群がとくに苦手で、
日々そういう人を観察しては、
人物作りに生かしたりしている。
勿論、長所も磨いていこう。
得意な人物像は、たいてい作者似だけどね。
2017年03月04日
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