2017年03月06日

100の事件を作ってみよう

100のシリーズ、いよいよ事件だ。


興味深い導入でもいい。
なんでもないちょっとしたことでも、
とんでもない事件でもいい。
ある日テロリストによって、東京ドームが爆破される、でもいいし、
転校生に恋をする、でもいいし、
有名人に間違えられた、でもいい。


とにかく100個作ってみよう。
解決なんて考えるな。
面白い事件ならなんでもいい。
まずは解決法なんて無責任に放棄して、
面白そうな事件だけを、100個考えなさい。

オリジナルな事件であればあるほどいい。
どこかで聞いたことあるようなのはやめておけ。


さて、100個たまった?

そしたら、
「どれなら、解決が思いつくか」を選んでみよう。

ある事件とある事件をピックアップし、
同時に同じ解決法を試してもいい。
一発解決じゃなくて、
あれとこれとそれをうまく一致させないと解決しない、
なんてのや、
あれを解決したあとこれを解決して、
さらにそれを解決しないと真の解決とは言えない、
なんて何段階もあるかも知れない。


とにかく、どうであれ、
その解決法は面白くなくちゃいけない。
普通にすっと解決するのは、面白いストーリーとは言えないわけだ。
出来るなら、誰でも思いつく解決じゃなくて、
それじゃあ解決できないんだよ、
何故ならこうだから、
という難しい条件が出てきて、
実はあっと驚くこんな解決法が!
なんて展開になるのが望ましい。

100個事件があれば、
最低でも2、3個、そういうのが出てくるものだ。

こうしたらしめたものである。
100人の登場人物のストックはあるよね?
誰を主人公にしようか。
誰を随伴者にしようか。
誰を敵対者にしようか。
縦軸の問題解決だけじゃなくて、
横軸の友情や恋の人間模様を入れ込んだって構わないぞ。

じゃあそれは、どこで起こる話だ?
100の舞台装置があったよね?

ぴったりの、あるいは、まさかの、
舞台装置を持ってくると面白い話になるぜ。


同じ事件-解決のストーリーでも、
登場人物や舞台装置によっては、
全く違う話になるから、
それらのバリエーションを考えたって構わない。
少しアレンジすれば、全く別の話にすら見えるかもだ。

登場人物や舞台装置によっては、
解決法が変わることもある。
それはそれで、面白ければOKだ。

これですでに、何本かストーリーができたことになる。



100の登場人物、
100の舞台装置、
100の事件。
これらを組み合わせることで、
無限に話のバリエーションが出来るような気がする。

しかし実際のところ、
おしまいまで書けて、きちんと落ちがつくのは、
そのうち解決法が思いついた、2、3個の話に限定されるだろうね。

効率悪いね。

そりゃそうだ。
全ての物事は、カオスに飲み込まれて行く。
エントロピー増大の法則である。
(ほうっておけば、部屋はちらかる)
ほとんどの「お話になりそうなもの」は、
拡散してゆく運命にある。
部屋がちらからないためには、片付けるしかない。
それはすなわち、
解決して一件落着にするとか、
落ちをつけることで、
「片付ける」ということをするわけなのである。

ストーリーや生命というのは、
ほうっておけばカオスに拡散していく宇宙法則の真逆の、
エントロピーの減少(秩序の形成)という、
特殊な現象である。

100の登場人物、100の舞台装置、100の事件は、
ほうっておけば拡散していくが、
そのなかから、2、3個だけ、
落ちのついたストーリーとして、秩序を生むことが出来る、
というわけである。

逆に、その2、3個の秩序のためには、
背後に1000000の畑が必要だということだ。
(手塚治虫は、アイデアノートを沢山書いていたが、
その9割は、使わなかったジャンクだそうだ。
それと同じことを言っている)


慣れてくれば、
100の事件のうち、10ぐらいは解決法を思いつくかも知れない。
(これの展開を思いつくのに、テヅカチャートでの訓練が生きるだろう)


白紙を前にうんうんうなって、
すぐにひねり出せないのならば、
このような100、100、100のネタを下仕込みしておくとよい。
そのなかから、なにかとなにかがマリアージュを起こして、
ストーリーという秩序が生まれでるかも知れない。
錬金術のフラスコみたいだね。

ほんとに100、100、100作っておけば、
一生ネタに困らなくて済むよ。
消費したらまたタレを継ぎ足しておけばいいのさ。
posted by おおおかとしひこ at 11:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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