100のシリーズ、いよいよ事件だ。
興味深い導入でもいい。
なんでもないちょっとしたことでも、
とんでもない事件でもいい。
ある日テロリストによって、東京ドームが爆破される、でもいいし、
転校生に恋をする、でもいいし、
有名人に間違えられた、でもいい。
とにかく100個作ってみよう。
解決なんて考えるな。
面白い事件ならなんでもいい。
まずは解決法なんて無責任に放棄して、
面白そうな事件だけを、100個考えなさい。
オリジナルな事件であればあるほどいい。
どこかで聞いたことあるようなのはやめておけ。
さて、100個たまった?
そしたら、
「どれなら、解決が思いつくか」を選んでみよう。
ある事件とある事件をピックアップし、
同時に同じ解決法を試してもいい。
一発解決じゃなくて、
あれとこれとそれをうまく一致させないと解決しない、
なんてのや、
あれを解決したあとこれを解決して、
さらにそれを解決しないと真の解決とは言えない、
なんて何段階もあるかも知れない。
とにかく、どうであれ、
その解決法は面白くなくちゃいけない。
普通にすっと解決するのは、面白いストーリーとは言えないわけだ。
出来るなら、誰でも思いつく解決じゃなくて、
それじゃあ解決できないんだよ、
何故ならこうだから、
という難しい条件が出てきて、
実はあっと驚くこんな解決法が!
なんて展開になるのが望ましい。
100個事件があれば、
最低でも2、3個、そういうのが出てくるものだ。
こうしたらしめたものである。
100人の登場人物のストックはあるよね?
誰を主人公にしようか。
誰を随伴者にしようか。
誰を敵対者にしようか。
縦軸の問題解決だけじゃなくて、
横軸の友情や恋の人間模様を入れ込んだって構わないぞ。
じゃあそれは、どこで起こる話だ?
100の舞台装置があったよね?
ぴったりの、あるいは、まさかの、
舞台装置を持ってくると面白い話になるぜ。
同じ事件-解決のストーリーでも、
登場人物や舞台装置によっては、
全く違う話になるから、
それらのバリエーションを考えたって構わない。
少しアレンジすれば、全く別の話にすら見えるかもだ。
登場人物や舞台装置によっては、
解決法が変わることもある。
それはそれで、面白ければOKだ。
これですでに、何本かストーリーができたことになる。
100の登場人物、
100の舞台装置、
100の事件。
これらを組み合わせることで、
無限に話のバリエーションが出来るような気がする。
しかし実際のところ、
おしまいまで書けて、きちんと落ちがつくのは、
そのうち解決法が思いついた、2、3個の話に限定されるだろうね。
効率悪いね。
そりゃそうだ。
全ての物事は、カオスに飲み込まれて行く。
エントロピー増大の法則である。
(ほうっておけば、部屋はちらかる)
ほとんどの「お話になりそうなもの」は、
拡散してゆく運命にある。
部屋がちらからないためには、片付けるしかない。
それはすなわち、
解決して一件落着にするとか、
落ちをつけることで、
「片付ける」ということをするわけなのである。
ストーリーや生命というのは、
ほうっておけばカオスに拡散していく宇宙法則の真逆の、
エントロピーの減少(秩序の形成)という、
特殊な現象である。
100の登場人物、100の舞台装置、100の事件は、
ほうっておけば拡散していくが、
そのなかから、2、3個だけ、
落ちのついたストーリーとして、秩序を生むことが出来る、
というわけである。
逆に、その2、3個の秩序のためには、
背後に1000000の畑が必要だということだ。
(手塚治虫は、アイデアノートを沢山書いていたが、
その9割は、使わなかったジャンクだそうだ。
それと同じことを言っている)
慣れてくれば、
100の事件のうち、10ぐらいは解決法を思いつくかも知れない。
(これの展開を思いつくのに、テヅカチャートでの訓練が生きるだろう)
白紙を前にうんうんうなって、
すぐにひねり出せないのならば、
このような100、100、100のネタを下仕込みしておくとよい。
そのなかから、なにかとなにかがマリアージュを起こして、
ストーリーという秩序が生まれでるかも知れない。
錬金術のフラスコみたいだね。
ほんとに100、100、100作っておけば、
一生ネタに困らなくて済むよ。
消費したらまたタレを継ぎ足しておけばいいのさ。
2017年03月06日
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