2017年03月07日

自分の文字数を知ろう2

前記事の続き。

というわけで、他人がどうやっているか、
気になるのが日本人というものだ。
ということは、調べればいいのである。


とても簡単な方法は、シナリオの実物を手に入れ、
ページ数と内容の関係について研究することだ。

どんなことに何ページ使っているか、
具体的にメモしていくのだ。

もし具体的なシナリオが入手できなくてもいい。
レンタルビデオを借りてきて、
ストップウォッチで計るだけのことである。


以前にも書いたかも知れないが、
僕は昔名作を研究するとき、
全シーンの表をつくり、
そのシーンの秒数を書き入れたものをつくった。
これを何十本もやったので、
何に何分かけるといいのか、
なんとなく分かってきたのである。

単位はワンシーンとは限らない。
シークエンスなら、その数シーンの秒数を足せばブロックの長さがでる。
一幕ならそこの全ブロックを足せばいいだけのこと。

「何分の、どういうブロックで、
大体どういうことが行われているのか」
という詳細な表を、手に入れることが出来るわけだ。
一本だけじゃ統計的ではないので、
何本か、十本以上は調べる必要があるだろうね。
(ジャンルをばらばらにするかどうかは、統計の方針次第だけど)

そうすると、「みなさん大体そうされてます」
という標準を把握することが出来るはずである。

人が恋するのに、(作品内で)何分かかるのか。
裏切りを知るのに、何分かかるのか。
人を殺すのに、何分かかるのか。
退屈しないためには、何分まで待てるのか。

そんなことの統計表を、自分だけで持てるのである。
ちょっと手間だけど、一度やってみることをお勧めする。
普段感覚で把握していることを、
数字という客観的な指標で見ることが出来る。
そうすれば自分の感覚を数値化出来て、
数字で考える事が可能になるわけである。

で、自分で書いてみたもののページ数などを見て、
自分の数字感覚を修整していく。
自分は人より遅いとか速いとか、
これは速くてこれは遅いとか。

ここまで慣れてようやく、
「これを自分で書けば、〇ページかかるな」
ということが把握できるようになるわけだ。
(数字は大雑把でも構わない)


まあプロでもブロック単位で把握できているわけではないし、
そもそも書いたことないものを書くことが創作であるわけだから、
そううまく行く保証もない。
だけどなんとなく読める時もある、
そんな感じだ。

内容と文字数の関係を知ろう。

ライターなら、(大体)〇字で、
と原稿を発注されることもあるだろう。
講演だって〇分喋る、というハコが先に決まっている。
話が短すぎたり、長すぎては意味がない。
話の長さに応じてハコが決まるのではなく、
ハコに合わせて話の内容を取捨選択して、
うまくまとめなければならない。
大体はそういうもので、
脚本なら、最初から尺は決まっているものである。


自分のパフォーマンスを把握しよう。
数字でだ。
そうすれば、
書く前から先に算数で足し引きして、
構成を練ることが出来る。

あとは、それを実現すること、
即ち実際に書いていくだけになる。
posted by おおおかとしひこ at 15:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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