前記事の続き。
というわけで、他人がどうやっているか、
気になるのが日本人というものだ。
ということは、調べればいいのである。
とても簡単な方法は、シナリオの実物を手に入れ、
ページ数と内容の関係について研究することだ。
どんなことに何ページ使っているか、
具体的にメモしていくのだ。
もし具体的なシナリオが入手できなくてもいい。
レンタルビデオを借りてきて、
ストップウォッチで計るだけのことである。
以前にも書いたかも知れないが、
僕は昔名作を研究するとき、
全シーンの表をつくり、
そのシーンの秒数を書き入れたものをつくった。
これを何十本もやったので、
何に何分かけるといいのか、
なんとなく分かってきたのである。
単位はワンシーンとは限らない。
シークエンスなら、その数シーンの秒数を足せばブロックの長さがでる。
一幕ならそこの全ブロックを足せばいいだけのこと。
「何分の、どういうブロックで、
大体どういうことが行われているのか」
という詳細な表を、手に入れることが出来るわけだ。
一本だけじゃ統計的ではないので、
何本か、十本以上は調べる必要があるだろうね。
(ジャンルをばらばらにするかどうかは、統計の方針次第だけど)
そうすると、「みなさん大体そうされてます」
という標準を把握することが出来るはずである。
人が恋するのに、(作品内で)何分かかるのか。
裏切りを知るのに、何分かかるのか。
人を殺すのに、何分かかるのか。
退屈しないためには、何分まで待てるのか。
そんなことの統計表を、自分だけで持てるのである。
ちょっと手間だけど、一度やってみることをお勧めする。
普段感覚で把握していることを、
数字という客観的な指標で見ることが出来る。
そうすれば自分の感覚を数値化出来て、
数字で考える事が可能になるわけである。
で、自分で書いてみたもののページ数などを見て、
自分の数字感覚を修整していく。
自分は人より遅いとか速いとか、
これは速くてこれは遅いとか。
ここまで慣れてようやく、
「これを自分で書けば、〇ページかかるな」
ということが把握できるようになるわけだ。
(数字は大雑把でも構わない)
まあプロでもブロック単位で把握できているわけではないし、
そもそも書いたことないものを書くことが創作であるわけだから、
そううまく行く保証もない。
だけどなんとなく読める時もある、
そんな感じだ。
内容と文字数の関係を知ろう。
ライターなら、(大体)〇字で、
と原稿を発注されることもあるだろう。
講演だって〇分喋る、というハコが先に決まっている。
話が短すぎたり、長すぎては意味がない。
話の長さに応じてハコが決まるのではなく、
ハコに合わせて話の内容を取捨選択して、
うまくまとめなければならない。
大体はそういうもので、
脚本なら、最初から尺は決まっているものである。
自分のパフォーマンスを把握しよう。
数字でだ。
そうすれば、
書く前から先に算数で足し引きして、
構成を練ることが出来る。
あとは、それを実現すること、
即ち実際に書いていくだけになる。
2017年03月07日
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