2017年03月15日

【カタナ式】ローマ字入力は頭の中で発音しながら?

僕は手で字を書くときは、
頭の中で声を出すことはない。
思考を直接手から出してる感覚だ。

でも、フリック入力と、ローマ字入力をしてるときは、
頭の中で声を出しながら入力している、
と発見した。
早口言葉を打つとき、
苦手なやつの入力が凄く遅いとわかった。


あめんぼ赤いなあいうえお、
で有名な北原白秋の「五十音」を、
タイピングの練習教材として、
ここ二三日使っている。
五十音全部出てきて、
それを使った単語を網羅しているからだ。

ところでこの詞は、
アナウンサーや役者や声優などの、
声の職業の発声練習に使われるので有名だ。
滑舌練習として、やはり五十音が揃っていて、
使いやすいのだろう。

そして僕はローマ字入力派だ。
ローマ字入力は、「音」を入力する。
僕は脚本という、最終的には音で発声されるものの書き手なので、
だから効率的には不利だと言われるローマ字入力だとしても、
気にしないことにしている。

ここまで前提。
ここから発見。

だから、早口言葉を打つのが遅いんですよ。

生麦生米生卵。
李も桃も桃のうち。
東京特許許可局。
バスガス爆発。

今フリックで打ってるのだが、
やっぱり遅い。


日本語の表記は、
表意文字である漢字と、
表音文字であるかなの、
漢字かな混じり文である。

そして、表記された日本語を読むときも、
考えるときも、
ブロックで分けて考える。
表記上の手がかりは、漢字ブロックと繋ぎのひらがなで、
発音上の手がかりは、間とイントネーションだ。

たとえば東京特許許可局なら、
東京(特許(許可))局
みたいな構造を表記から読み取るし、
頭の中でもそういう構造で考える。

ところが、発音上は、
東京と以下の言葉に間をあけることはほとんどないし、
あけるとしたら、東京特許-許可局のような、
息継ぎポイントになってしまって、
おそらく「なに?」と、もう一度聞き返されるような言葉だろう。
つまりこの言葉は、
書き言葉よりの言葉で、
話し言葉よりの言葉ではない。

そもそも早口言葉というのは、
書き言葉上は自然な言葉だとしても、
話し言葉にすると発音困難で、聞き取って理解するのも困難な、
言葉を集めたものだと思う。

ひらたく言うと、言文一致がずれた言葉、ということだ。


僕は、手書きで書くときは、
書き言葉として書く。
だから早口言葉を書くだけなら、苦労しない。

ところが、
ローマ字入力は頭の中で音として発語してから入力している。
黙っているが声を出している。
だから、早口言葉が苦労すると、発見した。

こういうことは、
学術的に調査されてるのだろうか。
よく分からない。
それともみんな知ってたのこれ?


漢直入力の人はどうなんだろう?
(表意文字入力だから、早口言葉に影響を受けない)
かな入力は?
(表音文字入力だから、早口言葉を打つのが遅い)
()内は僕の仮説。



ツイッターや掲示板の発言は、
「言う」であって「書く」ではない。
知性ではなく感情だ。
だから炎上するしバカ発見器なのだ。
たとえば、
「そういうことを書くな」とは誰も言わず、
「そういうことを言うな」と皆は認識している。
(さすがに、「そういうことを思うな」とは発言されない)

そういう現象は、
フリックもしくはローマ字入力が主流であることと、
関係するのではないだろうか?

これが手書きであるならば、
こんなことは起こらなかったのではないか?
(たとえ筆跡で身元バレがないとしても。
たとえばゲバ文字は、筆跡が特定されないための、
一種のフォントとして機能する)

ということで、フォントで語るってどういうことだろうか、
という次の疑問が湧いてくる。

印刷技術の発展によって、
広く拡散させるのに、フォントは欠かせないものだった。
ワープロをはじめて触ったとき、
「印刷された本みたい」と皆は思った。
それは、「本の権威を借りれる」という、
自分が拡大したような錯覚を生んだ。

フォントの権威を借りて、たいしたことを書いた気になること。
フォントの存在価値は、今やそのへんにあるような気がする。

デジタル時代になり、
書く言葉でもない、言う言葉のレベルで、
書く言葉の権威のフォントで、
大量に頒布されている。
人間の知性は、どこへいくのだろうか。


まあいいや。
納戸にぬめって何粘る。


ちなみに、
黙読をするとき、
頭の中で声がする人と、しない人がいるらしい。
僕はしない人。
つまり、書き言葉は、話し言葉と分離している人である。
そのへんが、このへんのことに関係しているような気がする。
posted by おおおかとしひこ at 11:58| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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