僕は子供の頃リアルタイムでバイバインを見たので、
その恐怖がいまだ忘れられない。
今でも宇宙のどこかで、栗饅頭は10分に一回、2倍に増えている。
子供心に、乗数爆発の恐怖を叩き込まれた瞬間だった。
ハウリング(ポジティブフィードバック)や、
複利や金貸しが乗数爆発であることも、
大人になってから理解した。
つまり借金はバイバインである。
2が1.04とかなだけだ。
ところで、理系的な妄想をする。
バイバインは今どうしているか?
恒星になっている、と考える。
物語ラスト、宇宙に捨てた時点での栗饅頭の塊が、
何個あったか、その初速度がどれくらいあったかで、
話の結末は変わりうる。
初速度を0として、
真空中の増殖だけを考えよう。
倍に倍に増える栗饅頭は、
永遠に倍に増えるだろうか?
ある時点から、巨大な質量になったとき、
万有引力で凝集しはじめるのではないか?
それでも倍に増える効果は続くとしよう。
しかし中央部は、自重で潰れ始めるだろう。
それでも自重は増え続ける。
おそらく高圧下で、中央の辺りから核融合がはじまるはずだ。
核融合がはじまれば連鎖反応が起こるだろう。
こうして、栗饅頭が材料の恒星が誕生する、
というのが僕の仮説だ。
自重で潰れ始めている部分は、
それでも尚倍に増えようとする。
そうすると、倍に増えて空間に広がろうとするバイバインの力と、
潰れて凝集する力が釣り合うのではないか?
そもそも核融合が中央部で起こり始めれば、
ヘリウムガスなどが発生し、
そのガスが広がる力で本体は膨張する。
ということで、
中央部は核融合で膨張、
中層部は凝集とバイバインが釣り合っている状態、
上層部は倍に増える栗饅頭、
という状態が一瞬あるだろう。
しかし核融合の温度は半端ではない。
全ての栗饅頭は高温にさらされ、燃え始め、
おそらくプラズマ状態まで熱せられる。
こうして、プラズマ(原始間の接続が切られた、
バラバラの状態)となった火球となってゆく。
恒星の誕生だ。
このプラズマ状態で、バイバインの効果が収まるのではないか、
と僕は考える。
バイバインは常温では液体であった。
せいぜい水銀程度の原子番号の組成をしていると考えられる。
それがプラズマ状態になったとき、
バイバインは化学結合を失い、バラバラになり、
「触れたものを10分で倍にする」という液体の性質を失うと考えられる。
勿論、プラズマ状態まで一気に加熱されない場合、
気化したバイバイン液体が、
栗饅頭球体の廻りにボコボコと沸いてきて漂うかも知れない。
絶対零度に近い宇宙空間では、周囲で氷結晶になるかも知れない。
ところで、液体状態でしかバイバインの効果がないと考えられる。
液体だからこそ栗饅頭に染み込み、
表面の皮だけでなく、
全体としての栗饅頭が増えたからだと考えられる。
とすると、
宇宙空間では、絶対零度に近い故に、
バイバイン液体は結晶化してしまい、
倍に増える効果がなくなると考えられる。
以上の考察から、
初速度0の場合、
十分な自重と太陽光の当たる範囲であれば恒星となる。
プラズマ状態のバイバインは、もはや恒星に溶け込んでバラバラで、
倍には増えない。
偶然地球の影に隠れたりなど、
バイバインが個体になってしまう温度にさらされれば、
増殖が止まる。
(しかし影から現れ、十分に太陽で暖められたとき、
上の状態になる可能性がある)
ところで、
のび太とドラえもんは、
栗饅頭をどの方向へ投げたのか。
太陽から離れる方向か、太陽の方向か。
地球重力圏の脱出速度、
第一宇宙速度に加速するには、
サターンロケットのような莫大な燃料燃焼のエネルギーが必要だ。
ドラえもんは原子力で動いているとはいえ、
それだけのエネルギーを一投で使える設計ではないだろう。
ということで、
倍に増える栗饅頭は、いずれ地球重力に引かれて、
大気圏で燃えて流星となった、
という解釈が妥当である。
あれ?
投げたんだっけ?
いや、どこでもドアで棄てたんじゃなかったか?
ということは、
どこに棄てたか分からないわけだ。
その回から現在に至るまで、
太陽系内で恒星の誕生は確認されていないので、
太陽系外であろう。
どこでもドアは、知ってる範囲だったら行けるから、
仮に宇宙の果てに棄てたとする。
しかしご存じの通り、
宇宙は光速以上で膨張しており、
我々の知らないダークマターで満たされている。
あれ?
これがバイバインで増え続ける栗饅頭?
以上から考えられる結論は、
1. 大気圏で燃えた。ザクみたいに。増殖は止まった。
2. 冷えて固まった。増殖は止まった。
3. どこかで恒星になった。増殖は止まった。
4. 宇宙の果てで増え続けているが、その速度が光速を越えることはないので、
ダークマターとして観察されている。
である。
増殖は止まったか、
止まっていないとしても、
空間の膨張のほうが早いので、なんとかなっているのだ。
おお、夢の島お台場が、栗饅頭よりも早く広くなっているのだ。
凝集して恒星化するだけの質量がなく、
ダークマター雲として、増え続けるバイバイン栗饅頭。
ダークマターは栗饅頭かも知れないし、
違うものかも知れない。
我々が解かなくてはならない謎が増えた。
光速度不変の原理を越えた、宇宙の膨張速度。
ダークマターは栗饅頭か?
そして、1-3の結末だった場合、
もうバイバインで増えていない。
昼休みに考えたバカな話でした。
2017年03月30日
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