これを事前に見積り、把握しておかないと、
「○分もの」という枠内には収まらない。
しかし初心者ほどはみ出しがちである。
大抵オーバーする。
それはきっと、想定より規模の大きな話を作ってしまったからだ。
それらを縮めたり膨らましたりして、
所定の尺へ納めていくのも練習だけれど、
事前に見積もるにはどうすればいいのか。
それは次の問いに答えて見ればよい。
「それは何ステップの話か?」
「結婚」をゴールにした話を考えよう。
世の中のラブストーリーの全てのゴールは、
ほとんどがこれである。
(付き合う、だけもあるけど)
ところで、この話は何ステップの話だろう。
ラストステップを、
「婚姻届を提出」にしたとして、
それは何ステップあるのか。
いくらでも間を膨らませて、
二時間以上にもできる。
殆どの恋愛漫画は何十巻もかけて、
そこへの何ステップも進んだり交代したりして進む。
僕の世代でいえば、「めぞん一刻」なんて、
十年ぐらいかけてたんじゃないかな。
逆を考える。
ラストステップのみで出来ないか?
たとえば、
カンフーの達人がカップルで、
婚姻届を市役所に届けるまで、
一方は出したいが一方は出したくないというシチュエーションなら、
婚姻届を奪い合いながら戦う、
というコントが出来そうだ。
もちろんそこの間に何ステップかあるかも知れないが、
結婚という過程においては、1ステップである。
話の規模、というと、
ついつい空間の大きさについて考えてしまう。
身の回り3メートルの話なのか、
会社の部署の話なのか、
町内の話なのか、
東京と長崎の遠距離恋愛の話なのか、
全米を揺るがす話なのか、
銀河系の話なのか。
あるいは、時間軸の幅。
数時間の話なのか(「桜の園」は演劇本番前の数時間を描いた映画)、
24時間の話なのか、
2週間の話なのか、
数ヵ月の話なのか、
十年の話なのか、
1万2000年の話なのか。
これらで規模を考えてしまうけれど、
実際の話の中身が何ステップの話かを考えるべきなのだ。
1万2000年にわたる、銀河系の話だとしても、
ある星とある星のカンフーの達人が、
1万2000年かけて戦いながら市役所に婚姻届を出しにいく話は、
1ステップの話である。
つまり、
扱う時空間の大きさが話の規模ではなく、
ステップ数が話の規模である。
1ステップなら15秒CMで、
数ステップなら短編で、
10ステップぐらいなら中編で、
50や100ステップが映画で、
数100が数十巻の漫画になる、
というわけである。
これは何故CMディレクターが映画を撮るのが下手なのかの、
ひとつの解答でもある。
(日本の場合は、CM現場の金額を、映画の現場で与えられない、
ということのほうが大きいが。
たとえば30秒で数千万のCMに対して、二時間で1億ぐらいの差がある)
あるいは、引き延ばしがうまくいかないのは、
想定ステップを継ぎ足してもうまくいかないことや、
ステップを進めずにループさせて遅らせ、話の結末に興味がなくなってしまうからである。
で。
あなたの話は、一体何ステップの話なのだろうか?
ああなって、こうなって、
という骨格を書き出してみるとよい。
勿論結末まで決めておくこと。
そのことで、
骨格を何ステップにするか、設計することが出来る。
ステップを短縮するにはどうしようか、
ステップを増やすにはどうしようか、
何が自然で何が不自然か、設計することが出来る。
で、想定尺をそのステップ数で割れば、
一ステップあたりの持ち時間が決まる。
自分でそれを書けるかどうかは経験による判断をするしかないが、
慣れていれば、ステップ数を減らすべきか、増やすべきか分かるだろう。
そこで、大幅に改良しないとダメだと分かったときに、
大幅に改良してまでその話を書くべきか、
その枠に収まりやすい別の話を新たに思いつくべきか、
昔ボツにした話を再生させるべきかは、
あなたが判断しなければならない。
僕のオススメは2か3の選択肢だが、
1を選んで苦労して痛い目に遭うのも貴重な経験だから、
しておいたほうがいい。
その時これを読み返したら、染みるだろう。
もしそういう経験をした人がいたら、頷きながら読んでいるかも知れない。
あなたの話は、何ステップか?
名作は、何ステップなのか研究してもいい。
そのステップに当たるところが、
ここ最近ずっと議論している、論理的因果関係の部分である。
2017年04月03日
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