じゃあ説明が下手なやつはどうすりゃいいんだ。
コツを教えよう。
A4の白紙を何枚か用意してくれたまえ。
まず、
一枚目に、説明をしなければならないことを、
箇条書きにしていこう。
必ず、一枚以内に納めること。
二枚以上になってはいけない。
なりそうなら、
それを一枚に納めるように、
字を小さくレイアウトしたり、
説明を減らすことで対処する。
箇条書きが10個になろうが30個になろうが、
今は構わない。
さて、
次の段階。
また白紙に、
説明しなければいけない全てのことを、
一から「何も見ずに」箇条書きにしたまえ。
ただし、
なるべくそれが、順番に説明したら分かりやすいように、
順番に並べること。
第三段階。
もう一回、白紙に何も見ずに、
順番に説明すべきことを、箇条書きにしていきたまえ。
これは、説明を洗練しているのである。
何も見ずに、というところがポイントで、
何回も同じようなことを説明しようとすると、
人は説明がこなれてくる、
ということを擬似的にやっているのだ。
白紙に何も見ずに書く、
というのが一番のポイントで、
それは、何も知らない人の象徴なのである。
何も知らない人に順序だてて説明することを、
何回もシミュレーションすることと、
全く同じことを一人でやれる方法なのだ。
三段階といわず、
説明がこなれてくるまで、
何段階もやって構わない。
そうすると、説明が洗練されてくる。
洗練というのは、つまりは短くなってくるわけだ。
何故なら、長い説明は、あなた自身が疲れるからで、
無意識に疲れたくない作用が働き、
何度も何度も書くと、
説明は短く、本質的になってくるのである。
しかし足りなくなってくることもある。
それは、白紙に書きながら、
これじゃ説明不足だなということが自覚できる。
こうして、
これ以上切り詰められない短い表現に、
説明が洗練されてくるというからくりである。
最も無駄なようでいて、
たぶん一番合理的な洗練の仕方だ。
スポーツや武術のフォームと同じことだ。
何回も同じことをすることで、
動きの無駄がないように、
エネルギーを最大に使えるように、
体が無意識に整えられていく感じだ。
これは誰に説明されても頭でシミュレーションしても無駄で、
自分で、何度も、へとへとになるまでやり、
体が無意識に楽を出来るように動けるまで、
やるしかないのである。
書くということは、頭でやることなのだけど、
それはこのような訓練で洗練させることが可能だ。
ということで、
説明の箇条書きが洗練されてくるだろう。
10個が5個に減っているかも知れない。
それは、何度も説明するのが面倒だから、
一息に概要を説明できるように、
洗練がなされたのだ。
実際のところ、
何段階にもなる説明は、説明が下手である。
一息に概要を掴める、
大雑把かつ本質的な説明こそが、正しい説明だ。
微に入り細にわたり、
誤りのないように、
自分に責任が被らないようにする説明は、
説明のなかでは下の下の下である。
一息に概要が把握でき、
たとえ誤解が多少あっても、
最初の概要の理解から自分の誤りが自覚できて、
自分の理解を自ら修正できるように説明しておくのが、
極上の説明というものである。
○ページに書いてあったのを見落としたのか、
なんて反論を、説明する側はしてはいけない。
既に説明したことを何故もう一回聞くのか、
なんて反論を、説明する側はしてはいけない。
それは、あなたの説明が、
極上の説明に、洗練されていない証拠である。
さて、
洗練された説明を、さらに洗練させる。
一を聞いて十を知るためには、
どの一を選べばいいだろうか。
その一を探すことだ。
ひょっとすると、現在の箇条書きにはないかも知れない。
箇条書きを一から練り直し、
そういう一から始めて、
十まで書いた方がいいと気づくかも知れない。
ならばそうなるように、
白紙に一から書いていくことだ。
何枚も、十枚も、二十枚も、白紙に書き直すことになる。
それでも百は書かないだろうから安心したまえ。
仮に百枚書いたって、コストは200円もしない。
カフェで飲むコーヒー一杯より安いコストであるから、
紙は盛大に使いなさい。
これをデジタルで決してしないこと。
何故なら、「洗練された説明は、体が疲れない」ということを、
体に教えるために負荷をかけているのであるから。
さて。
これは、時系列でとっておくことをおすすめする。
洗練された説明になってきたかな、
と思ったら、
最初から時系列でこれを見てみるとよい。
あなたの進化を、並べて見ることが出来る。
このためにも、デジタルでやるのは馬鹿馬鹿しいわけだ。
しかも、自分の進化の証拠を、手で触ったり壁に貼ったり出来る。
アナログとはそのように利用するのである。
考えるために書く字はぐにゃぐにゃで。
人にちゃんと説明するときは清書で。
そうやって字や態度を使い分けられるのも、
手書きならではの方法である。
何度も何度も清書していったものを、
時系列で眺めることで、
何がどう進化したかを確認できるだろう。
さて。
一から説明してくれるかな?
なるべく手短にね。
今度はうまいこと出来るはずだよ。
こういうことを自分のストーリーで出来れば、
スムーズなファーストシーンが、思いつくはずである。
あとは、
出来るだけ派手な絵作りとか、
イコンになるようにとか、
謎を振りまくとかの、
ガワを作っていくのだ。
2017年04月15日
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