2017年04月15日

説明を整理するコツ

じゃあ説明が下手なやつはどうすりゃいいんだ。
コツを教えよう。

A4の白紙を何枚か用意してくれたまえ。


まず、
一枚目に、説明をしなければならないことを、
箇条書きにしていこう。
必ず、一枚以内に納めること。
二枚以上になってはいけない。

なりそうなら、
それを一枚に納めるように、
字を小さくレイアウトしたり、
説明を減らすことで対処する。

箇条書きが10個になろうが30個になろうが、
今は構わない。

さて、
次の段階。

また白紙に、
説明しなければいけない全てのことを、
一から「何も見ずに」箇条書きにしたまえ。
ただし、
なるべくそれが、順番に説明したら分かりやすいように、
順番に並べること。

第三段階。
もう一回、白紙に何も見ずに、
順番に説明すべきことを、箇条書きにしていきたまえ。


これは、説明を洗練しているのである。

何も見ずに、というところがポイントで、
何回も同じようなことを説明しようとすると、
人は説明がこなれてくる、
ということを擬似的にやっているのだ。

白紙に何も見ずに書く、
というのが一番のポイントで、
それは、何も知らない人の象徴なのである。

何も知らない人に順序だてて説明することを、
何回もシミュレーションすることと、
全く同じことを一人でやれる方法なのだ。


三段階といわず、
説明がこなれてくるまで、
何段階もやって構わない。

そうすると、説明が洗練されてくる。


洗練というのは、つまりは短くなってくるわけだ。
何故なら、長い説明は、あなた自身が疲れるからで、
無意識に疲れたくない作用が働き、
何度も何度も書くと、
説明は短く、本質的になってくるのである。

しかし足りなくなってくることもある。
それは、白紙に書きながら、
これじゃ説明不足だなということが自覚できる。

こうして、
これ以上切り詰められない短い表現に、
説明が洗練されてくるというからくりである。



最も無駄なようでいて、
たぶん一番合理的な洗練の仕方だ。

スポーツや武術のフォームと同じことだ。
何回も同じことをすることで、
動きの無駄がないように、
エネルギーを最大に使えるように、
体が無意識に整えられていく感じだ。
これは誰に説明されても頭でシミュレーションしても無駄で、
自分で、何度も、へとへとになるまでやり、
体が無意識に楽を出来るように動けるまで、
やるしかないのである。

書くということは、頭でやることなのだけど、
それはこのような訓練で洗練させることが可能だ。


ということで、
説明の箇条書きが洗練されてくるだろう。
10個が5個に減っているかも知れない。
それは、何度も説明するのが面倒だから、
一息に概要を説明できるように、
洗練がなされたのだ。

実際のところ、
何段階にもなる説明は、説明が下手である。
一息に概要を掴める、
大雑把かつ本質的な説明こそが、正しい説明だ。

微に入り細にわたり、
誤りのないように、
自分に責任が被らないようにする説明は、
説明のなかでは下の下の下である。

一息に概要が把握でき、
たとえ誤解が多少あっても、
最初の概要の理解から自分の誤りが自覚できて、
自分の理解を自ら修正できるように説明しておくのが、
極上の説明というものである。

○ページに書いてあったのを見落としたのか、
なんて反論を、説明する側はしてはいけない。
既に説明したことを何故もう一回聞くのか、
なんて反論を、説明する側はしてはいけない。
それは、あなたの説明が、
極上の説明に、洗練されていない証拠である。


さて、
洗練された説明を、さらに洗練させる。

一を聞いて十を知るためには、
どの一を選べばいいだろうか。
その一を探すことだ。

ひょっとすると、現在の箇条書きにはないかも知れない。
箇条書きを一から練り直し、
そういう一から始めて、
十まで書いた方がいいと気づくかも知れない。

ならばそうなるように、
白紙に一から書いていくことだ。

何枚も、十枚も、二十枚も、白紙に書き直すことになる。
それでも百は書かないだろうから安心したまえ。
仮に百枚書いたって、コストは200円もしない。
カフェで飲むコーヒー一杯より安いコストであるから、
紙は盛大に使いなさい。
これをデジタルで決してしないこと。
何故なら、「洗練された説明は、体が疲れない」ということを、
体に教えるために負荷をかけているのであるから。

さて。
これは、時系列でとっておくことをおすすめする。

洗練された説明になってきたかな、
と思ったら、
最初から時系列でこれを見てみるとよい。

あなたの進化を、並べて見ることが出来る。
このためにも、デジタルでやるのは馬鹿馬鹿しいわけだ。
しかも、自分の進化の証拠を、手で触ったり壁に貼ったり出来る。
アナログとはそのように利用するのである。

考えるために書く字はぐにゃぐにゃで。
人にちゃんと説明するときは清書で。
そうやって字や態度を使い分けられるのも、
手書きならではの方法である。

何度も何度も清書していったものを、
時系列で眺めることで、
何がどう進化したかを確認できるだろう。



さて。

一から説明してくれるかな?
なるべく手短にね。
今度はうまいこと出来るはずだよ。


こういうことを自分のストーリーで出来れば、
スムーズなファーストシーンが、思いつくはずである。
あとは、
出来るだけ派手な絵作りとか、
イコンになるようにとか、
謎を振りまくとかの、
ガワを作っていくのだ。
posted by おおおかとしひこ at 12:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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