これ、きついよね。
1分かな、3分かな、5分かな。
10分我慢するのはかなり大変だよね。
その分数を言ってみたまえ。
観客は、ストーリーが始まってからその分数までは、
待っててくれる。
仮にそれを5分だとしよう。
これから2時間あるものだと分かっているから、
それぐらいは大して面白くなくても、
許容範囲だろう。
この許容範囲は、
メディアによって異なる。
YouTubeの広告では3秒が限界だろう。
ドラマは1話切りか、15分は見てみるかどうかといったところか。
たとえばパーティーで知らない人の輪に入って、
我慢できるのは、パーティーが一時間から二時間程度と分かっているからで、
パーティーが30分で終わると分かってれば、
5分の我慢も無駄だと思うかも知れない。
つまり、許容範囲は、
全部でどれくらいと事前に知っているかで、決まる要素でもある。
逆に週刊連載漫画なら、全部でどれくらいかは、
人気によって変動するから、
一話で、あるいは最初の数ページで、
がっつり掴まないと滑っていく。
映画よりシビアなような気がする。
その点、映画は、二時間の旅だと知っているから、
まあ3分とか5分は、許容範囲だろう。
さて、その3分や5分は、
高々原稿用紙3枚や5枚でしかないことに、注意されたい。
逆に言うと、
あなたは3枚や5枚以内に、
人を惹き付けなければならない。
惹き付けるにも色々あって、
夢中にするレベルから、先が楽しみになるレベルから、
先が気になるレベルから、
切らなくてもいいかレベルまである。
そのどれを達成しても構わない。
最終的に名作であればお釣りは来る。
ただし、最初の5枚以内に、面白くならなければダメだということだ。
警告しておくが、
面白くならなければダメだと焦って、
とりあえず刺激的なことをやるのは、大抵失敗する。
そのあとが続かなくなることが殆どだからだ。
きちんと次を続けて、面白い話を語っていくには、
計画的にやる必要がある。
とりあえずボーン、はうまくいかない。
(うまくいかない例は、一本だけ見れば十分。
うんこ実写ガッチャマンを全部見ること。
あなたはこの苦痛を他人に与えるべきではない、と知ること)
ということは、
計画的に面白くしていかなければならない。
方法はいくつかある。
事件に興味を持たせること、
題材に興味を持たせること、
人物に興味を持たせること、
背景に興味を持たせること、
テーマに興味を持たせること、
世界観に興味を持たせること、
などなどである。
ダメな映画では、
人物に興味を持たせることを、
人気俳優を使うことでカバーしようとする。
しかし映画の中では、
その人は役を演じている。
村井良大に興味があっても、小次郎に興味を持ってくれなければ、
内容に入ってもらえないだろう。
だから、人気俳優を使うのは悪手である。
どんな俳優が演じたとしても面白い話を書くのが、
脚本の本質である。
パーティーでの、知らない人の輪に戻ろう。
そこに参加している人と関係なく、
面白い話が出来れば、
その輪は盛り上がって行く。
話とはそういうものだ。
逆に、
3分から5分は、人は待ってくれる。
必ず面白い話が来ることを期待するからである。
そしてお話が好きな人ほど、
その3分から5分に出てきたことが後で使われるから、
注意深く観察しながら待っていてくれる。
焦ることはない。
ちゃんと組み立てればいいだけのことだ。
もし、
最初の興味を引くポイントが、
15分になってしまったらどうすればいいか。
その前をバッサリ切って、
そこをトップシーンに出来ないか検討してみよう。
案外出来たりするよ。
で、さすがに最低限これとこれがいるわ、
とあとで分かるので、その前にそれが貼り付くことになるだろうね。
物語は、シリーズものでない限り、
知らない人の会話の輪に、
参加することからはじまる。
常に、毎回だ。
2017年04月19日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック