2017年04月19日

なぜ中だるみが起こるのか

答えはシンプルだ。

全てが完璧でない場合、
冒頭とラストをへぼに出来ないので、
欠点を中途においやるしかないからだ。

逆に、中だるみ+他も失敗していたら、
中だるみの評価すらもらえない、失敗作の棚に入るだろう。
中だるみとは、要するに−1の作品ということなのだ。
−2以下は評価すらもらえないのだね。


中だるみがなぜ起こるか考える前に、
ではなぜ、だるまないのか、
を考える必要がある。
「だるまない」という言葉は聞いたこともないけど、
意味は分かると思う。
つまり、
興味を持続し、面白いと思っていて、集中し、
楽しんでいる状態のことである。

それを、「焦点を維持する」という。


焦点を維持するためには、
「今火急的にやらなければいけないこと」が、
なければならない。

つまり、中だるみとは、
「今別に緊急事態になっていない」ということに他ならない。
だから、「だるむ」というのかもしれない。

逆にいうと、ストーリーというのは、
常にアラートが鳴っていなければならない。

緊急事態でなければ、安心してしまう。
安心は、つまりストーリーの敵なのである。
さらに言えば、
ストーリーとは安心が最大の目的で、
それが得られないから、
主人公やその他は夜も安心して眠れないのだ。


自分のストーリーが中だるみしている、
自分ではそう思っていなくても、
前後の流れの急流度合いからすれば、
相対的にゆっくりになっているところは、
すべて中だるみに見える。

緩急の緩なのか、中だるみなのかは、
実はあなたが決めることではなく、
観客の主観である。
これまでの流れからして、だるみすぎれば中だるみで、
適度に休憩になれば、
緩急が効いてると判断されるだけのことである。

それはとても難しい判断だ。


中だるみを意識してみよう。
必要な緩急であれば、
緩み切らず、
何かの緊張は維持しながら緩むということをやってみてはどうだろう。


僕は大きな闘いの前の最後の日常、というのが大好きで、
それを風魔の10話「告白」でやったつもりだ。

別に、メインの緊張はそのままで、
新しい別の緊張になってもいいと思っている。
緊張がないのが、中だるみだからだ。

(実際、オンエアのリアルタイム予告では、
ラブストーリー回イラネと、多くの人が言った。
中だるみを予測したからだろう。
しかし結果は、1、2を争う傑作回であったわけだ)
posted by おおおかとしひこ at 14:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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