2017年04月25日

分かってみれば拍子抜けすること

謎のままのほうが良かったな、
ということも、沢山ある。

それは、謎と正体のバランスが釣り合ってないときだ。


強烈な謎で有名な、
ヴォイニッチ手稿が、解読されたらしい。
完全ではないが、ロシアの研究機関が明らかにした。
ケシからアヘンを精製するためには、
どの時期にケシをまくといいか、みたいなことが書いてあるそうな。
(分量からしてそれが全てではないだろうが)

なあんだ。もっと異常なことかと思ったのに。
あの不気味な異常な絵は、薬中の絵であったか。
がっかりだ。
それだけじゃないことを祈りたいが。


アポロ月行ってない説とか、
911自作自演説、
ケネディ暗殺などの、
強烈な謎も、知ったらガッカリするのかも知れない。

憧れのあの子の、リアルな正体を知ったときの、
夢が壊れる感じにも似ている。


つまり。

謎には二種類ある。

解いていって、なるほどそういうことだったのか、と唸る謎と、
解けてしまえばガッカリの謎だ。

日本三大ガッカリ観光地のうちのふたつ、
札幌時計台とはりまや橋は行ったことあるけど、
観光写真のアングルの上手さに、逆に勉強になるぐらいだ。
こういう風に切り取ると、
想像が膨らむのかと。
全部を見せないことで想像を膨らませたり、
余計なものを見せないことで想像を膨らませたりする、
技術を逆に勉強できるので、
ガッカリ観光地は、実際に足を運ぶといいぞ。


あなたのストーリーは、
基本的には謎を解く。

謎がなかったとしても、
何かが明らかになることには変わりない。
最初には分かっていなかったことが、
ラストには新しく分かっている、
ということがあれば、
それはひとつの謎解きに入る。

謎解きには二種類ある。
満足する謎解きと、
拍子抜けする謎解きだ。

前者は、
謎にたいして、納得の深い解きがある。
後者は、
謎のほうが強烈すぎて、解きが貧弱なのだ。

両者のバランスを考えたことがあるだろうか。
なければ、人生の謎をひとつ解くような物語を摂取し、
研究しよう。
パッと思いつかないけど、そういうのは小説が得意なような気がする。

人間というのは一見こうなのだが、
実はこういうものなのである、
と、我々の人間への見方を変えるものは、
実はすべて謎解きと同じジャンルである。

(「てんぐ探偵」は、そういうものに挑戦した物語だ。
だから、殺人も起こらないのに探偵を名乗っている。
シンイチが解くのは、心という謎なのだ。
うまくいっている話もあれば、そうでもないのもある。
ちなみに最近は、出来のいいのが多い第四章に入り、
何故か読者が増えてきた。当初からついてきた人以外が流入してきている)


あなたのストーリーの謎解きはなにか。
ストーリーとはすべからく謎解きであると言っても過言ではない。
あなたのストーリーは、
どんな偏見や思い込みを覆すのか、
という問いと同じことである。

それには二種類あって、
満足するものと、
拍子抜けするものがあるということである。
posted by おおおかとしひこ at 10:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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