2017年04月26日

好きという感情の強さは、とても強い

自分がたいして好きじゃないのに、
誰かが猛烈に好きなものがあるとしよう。
その話を聞いてるだけで面白かったりする。
なんなら、ちょっと自分でもやってみようかとすら思う。

知らなかったことへの好奇心もあるし、
そのことが本当に好きな人の言うことは、何故だか面白い。


とくに、
好きな人の好きなものは、自分も好きになっちゃうよね。
(好きな女の好きな男は、残念ながら好きにならない。
このへんが人間の難しいところだ)

女の人は特にこの感情が強いと思う。
昔からサーファーと付き合う女は、
何故だか浜辺でずっとその姿を座って眺めるものだと、
相場が決まっている。
自分でもやればいいだろというと、
そうじゃない、好きな人が好きなことに夢中になってるのを見たいのだという。
これが海ならどっかへ行かないからいいけど、
バイクが好きな男に恋すると、
バイクを買ってツーリングまでしてしまう。

女の人は特に共感の生き物であるから、
好きな人と同じ気持ちを共有していることが最大の喜びだ。
(男はそうとは限らない。
同じ気持ちになっていたら敵に気づかないから、
なるべく違う気持ちになることが先決なのである。
これは理性でコントロール出来るものではなく、
無意識にそうしてしまうのだ)

ぶっちゃけてしまうと、
好きな人の好きなものはなんでもいいことになる。
なんでもいいそのXを愛でているその男と、
気持ちを共有していることが大事なのだから。
(あまりにもドン引きするXとかはだめで、
あるいは、好きじゃなかったらXなんてどうでもいい)

これも、理性でコントロール出来るものではなく、無意識にそうしてしまう。

だから、
好きな人の好きなものは、好きなのである。

もし登場人物に惚れてしまったら、
その人の好きなものは何でも好きになる。
二次創作の最大の原動力はそこである。
好きな人が好きなものを愛でているさまを、
共有したいという本能がなせる業なのである。


さて。
恋は盲目だ。
好きじゃない人をどう巻き込むかまで考えない。
自分は好きで、他の人は関係ないからである。

ここまで好かれる登場人物を作れたら、
作者冥利に尽きるというものだ。

恐らくそれは、
作者の好きな気持ちの伝染によるのだろう。


(僕は天文学や物理や数学が好きなのだが、
どうも女子は好きじゃないらしい。
冒険は、女子は好きじゃないかもしれない。
冒険は勇気と力を発揮することと、
危険との隣り合わせで出来ている。
天文学もそうなんだぜ、なんて言うとちょっと興味がわくかもね)



好きという感情を、嘗めてはいけない。
しかし、好きという感情の暴走も、自覚しなきゃいけない。
冷めたら何も残らなくなるからね。
色恋営業ってきっと大変なんだろうね。

私たちは、色恋営業を考えてもしょうがない。
誰でも感情移入出来るようなストーリーを、
自分の猛烈に好きな人物に、演じさせればいいのである。
posted by おおおかとしひこ at 12:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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