長いものを書いているとき、
さらにやりがちなのは、
一度設定したものを、
微妙に変えて再設定するときだ。
それは、
書こうとすることが、書いている途中に、
少しずつ変わっていくからである。
何かを言おうとする人が、
途中で言いたいことが変わったら、
首尾一貫しないよね。
それと同じで、
書くのに何年かかろうが、
首尾一貫しないと意味がない。
しかし、途中で変わっていくのが人間というものだ。
だから微妙に設定したものを再設定してしまうのである。
これを防ぐには、
一刻も早く全部書き上げてしまうことである。
ラストまで書ければ、
設定の齟齬を有限にすることができる。
有限のミスならば、いつか潰せる。
しかし、完結していないなら、
その再設定は、また別の再設定になりうる。
嘘に嘘を重ねていき、
都合のいい嘘に変形してしまう。
有名なのはゆでたまごのキン肉マンだ。
悪魔七将軍編は、最初に登場した七将軍と、
のちに試合するやつのデザイン自体違ってたりする。
悪魔将軍は、
出るたびにデザインと設定が違ってたりする。
固くなったり柔らかくなったり、中ががらんどうだったり。
どういう設定なのか詰めきらないまま書いたというより、
書いてるうちに、さらにいい設定を思いついてしまった、
だから前のは忘れたことにしよう、
というのがリアルなところだろう。
連載ものはそれでもいい。
何ヵ月や何年前の設定など、厳密に覚えてないだろうから。
しかし映画は高々二時間だ。
設定は厳密に適用され、
穴があってはならない。
むしろ、二時間の間で主張が変わったりするやつの、
どこを信用すればいいのだ、ってことになってしまう。
最初に設定したものには、
前記事によれば、エピソードがくっついているはずだ。
恐らくそれよりもっといいエピソードを思いついたから、
設定を上書きすることにしたはずだ。
それはそれで書いておこう。
しかしその設定の微妙変更を、それ以前に適用出来るかどうかは、
そのうちチェックしなければならないことだけは、
メモして覚えておくこと。
まず真っ先に以前に遡るか、
それとも完結までやってしまうかは、
今どこを書いているかによる。
半分を過ぎていたら、まず完結させること。
あなたは、書くことで少し自分が変化する。
それは人間だからだ。
あなたは何も変化しないわけではない。
書くことによって、少し認識も変わりうる。
それを分かっていれば、
ストーリーそのものをきちんと首尾一貫させるのは、
最後でも構わないと考えられる。
それはつまりリライトが、わりと大変だということ。
書く前と書き終えたあとで、あなた自身が変化しているわけだからね。
書こうとしてはじめたことと、
書き終えて出来た価値と、
どちらを取るかは、あなたが決めることである。
2017年05月03日
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