2017年05月14日

トラウマ論、つづき:マーケティング

前記事のつづき。

だから、リア充は脚本を書かない。
だから、リア充は本を読んだり映画を観たりしない。

だから、マーケティングの方法論は間違っている。
マーケティングは、
数字の出る、リア充の行動を追っかけているからだ。

映画や小説が「エンタメ」とか急に言い出したのは、
リア充をマーケティングする、ということの宣言でもあったのだ。


SNSから抽出するビッグデータだろうが、
アンケートなどから抽出する統計データだろうが、
マーケティングが捉える「市場」というのは、
アクティブな行動を記録している。

それって、要するにリア充のことだ。
外に記録として残り、
活発にSNSにあげるようなやつらだ。

我々は、サイレントマジョリティだ。
リア充なんて数としてはマイナーだ。

マーケティングの方法論はリア充を追跡している。
小説や映画のストーリーは、リア充には響かない。

だから今、小説や映画がマーケティング的に売れない。



とても簡単なことで、
今なぜ小説や映画の本質を知っている人が、
売れないことに首を傾げ、
商売側の人間(リア充)が、小説や映画は売れないですよ、
なんて本質も知らずに言っているのか、
解明できたような気がする。

サイレントマジョリティや、心のトラウマのことは、
統計で掬いとることができない。
マーケティングはリア充しか記録せず、
それを「見える市場」と考えている。

最初からずれているんだ。



僕は、素晴らしいストーリーが、
ちゃんと売れて欲しいと思っている。
芸術的にも金銭的にも報われてほしい。

しかし、
(現行の)マーケティング理論は、
素晴らしいストーリー(リア充でない人々に響くもの)を、
最初から追っかけていない。
そこは暗黒大陸扱いだ。

現行のマーケティング理論を修正するか、
マーケティングを正義と思わないことこそ、
素晴らしいストーリーが世に出る方法なのかもね。


かつては、
唸るほど金を持つ傷ついた王様が、
映画に金を出していた。

王様は一代限りでいなくなる。
王様の感性を持たない、
マーケティング理論だけで考える見える市場しかないやつらが、
金を動かしている。
MBAと、バカのやることだと俺は思っている。
それは、工学修士を持つ身だからわかる。
修士号や博士号は、関係ないよ。
出来たものの出来で、決まるんだよ。


ここにたどり着いた商売人がどれだけいるか分からないが、
俺と組もうぜ。
posted by おおおかとしひこ at 13:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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