膝上スタイルは僕の発明ではなく、
どうやら塩澤メソッドとして、広まっているらしい。
膝上スタイルに適したキーボードは、
テンキーなしの文字だけの左右対称型、
かつ軽いやつだ。
僕も塩澤氏も同じキーボード(hhkbのbt)を使っているので、
自然と同じ結論に至ったのかも知れない。
ところで、色々研究したことで言えるのは、
膝上スタイルがベストかどうか、ということよりも、
前腕の置き位置が全てを決めるということである。
1. まず椅子にリラックスして座る。
2. 足の裏は両方とも踵までつく高さがベスト。
3. 深く座らない。膝裏と椅子の上面に拳が入る程度。
4. それで背筋がしんどいなら、背中にクッションを。
あるいは、ベストの椅子を求めて旅に出ること。
(座面が前に傾いている椅子がいいらしい。
作業には最高だが、リラックスして考えられなので僕は嫌い)
5. 椅子に座った状態で、両手をだらりと重力にしたがって落とす。
6. 肘を軽く脇腹につけたまま、肘を約90度曲げて両手を前に出す。
(手は机で固定しない。肘で腕も固定して、手を自由にする)
7. そこにキーボードがあるのが、キーボードの理想位置。
ちなみにピアノはこうなるように、
椅子の高さで調整できるようになっている。
日本のオフィスの机は、ここから遥か上にいる。
ピアノの鍵盤よりも遥かに高い。
だから、前腕を水平より上にあげなければならない。
これが腱鞘炎の最大の原因だ。
ピアノは300年かけて、「上腕は垂直、前腕は水平」にたどり着いた。
たどり着くには、腕を壊したたくさんの犠牲者がいた。
この結論が、
我々キーボード界、オフィス業界に届いて来なかったことが、
日本の20年の停滞をもたらした原因だと、
僕は断言してもいい。
入力業務で腱鞘炎になった人も多いし、
腱鞘炎にならなかった人は、思うより文字を書かなかった人だ。
だから日本のメールは、言葉が足りていない。
欧米ではタイピングの基礎があった。
タイピングの基礎には、ピアノがいる。
だから欧米のキーボードの高さは、
ピアノの高さになるやつが多い。
(欧米のオフィスで紙に書くことを何度か体験したことがあるけど、
いずれも低くて、おかしいなと思ってたんだ)
理想の場所にキーボードが位置するためには、
1. 机の高さをそこに持ってくる。
のがベストだ。
ちなみに、イギリスのタイピング教習ビデオでは、
アップライトピアノの高さの、
低い机を使っていて衝撃だった。
日本の規格では、その高さの机はたぶんない。
ダイニングテーブルのほうが少し低いが、
理想の高さよりはまだ高い。
ということで我々の自衛策として、
その位置になるには、
2. 膝上
というのが結論ということになる。
高さの微調整は座り方でやってもいいし、
板や本をはさんでもいい。
ちなみに、奥傾きのほうが打ちやすいので、
上腕は水平より下の角度を向くのがいい。
(ピアノやタイピングの教本には、
肘は90度から100度と書いてあることが多い。
すこし肘を90度から緩めれば、つまり上腕は水平より下の角度)
僕はパームレスト用に仕入れた板で、
奥傾きに調整して打っている。
使いなれたキーボードでよいので、
一度膝上で使ってみよう。
場所の調整は、理想の位置さえ分かれば、
クッションや何かで調整できる。
驚くほど楽になるし、
腱鞘炎持ちなら、もっと楽になること請け合いである。
あ。ブラインドタッチが前提です。
見ながらやる人には、膝上は視線が移動しすぎなのでおすすめしない。
カタナ式は、ブラインドタッチが楽勝な、
わずか13キーで打っていくスタイルです。
(フリックが片手前提で12キー。
カタナ式は左6右7)
誰にでもブラインドタッチをもたらす、
革命的な配列だと考えています。
ということで、
ブラインドタッチ出来るなら膝上に。
「楽」を感じれるのは、実は腱鞘炎持ちだったりするけどね。
ノーパソ使いなら、別にbt繋げて試してみ。
腕の位置でこんなに変わるのか、と驚くよ。
ノーパソは最初なんて呼ばれた?
ラップトップ(膝上)だよね。最初からそこで打つことを想定してたんだ。
デスクトップで使うのが間違いなのさ。
(ただ膝上はディスプレイが見にくいので、
ディスプレイとキーボードが分離できるのが最高。
となると、タブレットとbtキーボードという、
僕のスタイルに落ち着くような気がします)
塩澤メソッドは、
ここまでキーボードの位置を厳密に規定していない。
まあ、やってるうちにその辺に落ち着くんだけど、
最初から驚くには、
まず理想の位置を出してからやってみるといいぞ。
マックさんは、この辺を先に気づいたら、
カフェオシャレの新しいスタイルを作れるのに…
ちなみにスタンディングデスクという、
椅子なしで仕事するスタイルもあるらしい。
そのときも書き物をする高さ(胸の高さ)以外に、
キーボード用に、肘の高さに合わせたオプションがないと、
しんどいらしい。
また、机でも、お腹の引き出しにキーボードを入れる工夫をしている人もいた。
一段低くする工夫なんだろうけど。
まとめると、
キーボードは肘の高さ。
これを守らないと、いずれ腕を壊す。
2017年05月13日
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