後輩の短編映画を手伝っている。
主に脚本の段階と、編集の段階で。
折角なのでエンドロールに乗せたいと言われ、役職を考えた。
スクリプトドクターだと編集は関係なくなるし、
エディター連名だと脚本のことが関係なくなる。
ストーリースーパーバイザーだと、
相談役みたいで詰まらない。
ピクサーみたいな、ストーリーディビジョンの長みたいなのがいい。
しかし複数のストーリーデベロッパーを抱えてるわけでもない。
ということで僕の提案した役職は、
ストーリーシェイパーという、
新しい役職名だった。
あるストーリーがある。
微妙な出来だ。
それをリライトするのは、
ストーリーシェイパーの役目かも知れない。
スクリプトドクターは、診断するだけで治療はしない。
カルテを作るまでで、リライトは本人にやらせる。
だから、診断が的確でも、
余計酷いものになるときもある。
(結局書いちゃうドクターもいるだろう。
それはもはやライターだ)
ある映画を撮影する。
シナリオではイケテると思ったのだが、
繋いでみたら微妙だ。
それを修正するのもストーリーシェイパーだ。
ストーリーシェイパーは、
魔法を使うわけではない。
要するに、リライトをするだけだ。
大まかなやり方は簡単だ。
ログラインを的確に書く。
テーマを抽出する。
サブプロットに分解し、
サブプロット同士のテーマの関係と、
メインテーマとの関係を見る。
必要とあらば、書き直す。
ストーリー構造を、的確な内蔵の配置にするわけである。
構成(タイムスケジュール)を見る。
半分法(脚本添削スペシャル2017を参考)を使い、
ストーリーの半分はどこか、
三幕構成の切れ目はどこかを考え、
そのタイムを見て、
理想のタイムスケジュールになるように、
ストーリーを削ったり足したりする。
この感覚を表現したくて、
シェイパーという、新しい役職名を作ったわけだ。
でも新しいことは何もなくて、
いつもやってることをやってるだけ。
でもなかなか、
出来る人は少ないと思う。
よく考えてみたら、
脚本添削とは、ストーリーシェイパーの仕事なのだ。
「添削」を英訳すると、correctionになるらしいが、
削ったり足したりして、より良い理想にしていく、
という日本語のニュアンスが落とされて、
間違ったところをチェックする、
という程度のニュアンスになってしまう。
エラーコレクターがシェイパーの仕事ではない。
なんなら、再構成からやるし、
そもそもストーリーにエラーも正解もない。
リストラクターだと、首にする人の意味が日本では出てくるので、
僕のやっていることは、
ストーリーシェイピングだ、
と言うことにした次第。
現状を正しくとらえること。
より良くする、理想型を思い浮かべること。
その差分を、シェイピングしていくだけのことだ。
ブラッシュアップとか改訂のレベルでない、
真のリライトとは、そういうことではないかと思う。
2017年05月13日
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