2017年05月19日

製作費が期待値になっているから、だめなのではないか

映画がちょっとだめになってきている感じがする。
テレビはもうだめだろう。
ネットはどうだろう。

色々仕事をしていると、
「それはリターンを見越した投資に値するか」
みたいなことが最近よく言われるようになった。

え?投資ってそういうことなの?


映画は博打だと昔から言われてきた。
無茶苦茶なことをするから、
無茶苦茶なエネルギーが生まれて、
それがブームという熱や渦をつくった。

リターンとかコストとかを度外視しないと、
そういう渦や熱は生まれない。

なぜなら、
娯楽とは熱を楽しむものだからだ。

お金の為に最適化されたものなんて、
誰も興味ないよ。

そんなこと関係ない、べらぼうな情熱に、
人は感動したり心動かされたりするんだよ。


またバカなことやってるぜあいつら、飽きねえなあ、
と思われないとダメなんだ。
成功するまでその熱を続けることを、
創作の人生というのである。


ところが。

なんだか映画や映像は、
最適な投資案件みたいなことになってきた。

コストとかパフォーマンスとかリターンとかだ。
それは、映画や映像の本質とはずれている。

何故ユーチューバーやニコ動が受けたんだ?
べらぼうな無駄な情熱の空回りが、
そこにあったからだろう?

受けるということはそういうこと。

投資とか回収とかは、
情熱の空回りが受けるということを、
まるで考えていない。


僕は経済学部ではないので、
投資の理論は分からない。

しかし創作のべらぼうな情熱の空回りや、
それが受けるということを、理論の中に入れてないのだとしたら、
投資の理論は不完全だと僕は思う。

投資部門は勝手に原作の実写化とか永遠にやってろ。
なにも知らないやつが勝手にやって勝手に爆死してろ。

情熱の空回りを続ける者だけが、
どこかで閾値を越えて皆に認められるように、
商売を回していきたいものである。


ところで。

投資をした者の名前を調べることは出来るのかな。
製作委員会に名を連ねている人ではなく、
たとえば銀行などの金融担当者。
つまらない実写化をしては爆死を繰り返すそのバカたちの、
リストをつくってみたい。

投資のことはよく知らないが、
投資にも優秀な投資とバカな投資があると思う。
バカな投資しか、映画には行われていなかったと断言する。
バカな投資が、映画をだめにしている。


製作費がリターンの期待値になってる時点で、
それは間違っている。
製作費は、
空回りする情熱に比例すべきだ。

無限の住人の製作費と投資の状況、
回収の状況を見て、
何も感じないやつは、
映画界に来ないほうがいいんじゃないか。
(そもそも無限の住人の情熱の空回りは、
ストーリーより絵だったろうに)
posted by おおおかとしひこ at 11:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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