なんでこんなことを書こうと思ったかというと、
「ある要素はある要素の下部である」
だからである。
下部から作っても意味がない。
上部が変われば、下部はそれに合わせて変更だ。
変更は無駄な労力を浪費し、疲弊を生む。
つまり不合理だ。
今の映画界がやばいのは、こうした疲弊のせいである。
高コスト低リターンが続いていると僕は思う。
たとえば。
ファッションはキャラクターに合わせる。
キャラクターが変わればファッションは変わる。
つまり、キャラクターがファッションの上位概念である。
キャラクターは、
行動を面白くするための工夫だ。
行動には目的や動機がある。
つまり、目的や動機が、キャラクターの上位概念である。
自動的に、
ファッションは目的や動機の、孫の下位概念だ。
音楽や全体のデザインは、
全体のコンセプト(トーン&マナー)の下位概念だ。
コンセプトが変わればデザインは変わるからだ。
コンセプトは、テーマの下位概念である。
テーマが変わったら、全体のデザインコンセプトも変わるからだ。
テーマは、最初のシチュエーションとクライマックス、
落ちから導き出せるものである。
それらが変わればテーマもまるで変わってしまう。
従って、テーマはそれらの下位概念である。
登場人物の行動は、
内部に持つ目的や動機を、
時々に応じて変えた結果だ。
つまりストーリーラインよりも、
目的や動機が上位概念である。
どんでん返しや伏線は、
ストーリーラインに対する変化球であるから、
ストーリーラインのほうが上位概念である。
ストーリーラインとは、コンフリクトの展開のことだから、
コンフリクトがストーリーラインの上位概念である。
ということで、
最初に何をつくるべきかは、
最も上位概念であるところの、
「陥った面白いシチュエーションと、
それを脱出する動機」というわけだ。
再掲する。
1. 面白げなシチュエーション
2. 主人公の動機と目的
3. コンフリクト
4. クライマックス
5. エンドとテーマ
6. サブキャラやサブプロットやサブテーマ
7. 各キャラクターの位置付けやキャラだて
8. 中盤の見せ場やどんでん返し
9. アイテムや表現やファッション
10. 全体のトーン&マナー
11. アートディレクションや音楽や配役イメージ
映画の心臓は脚本である。
嘘だと思うなら、脚本なしで映画を作ってみるといい。
有名俳優がいなくても作れる。素人や新人で。
カメラがなくても作れる。(iPhoneとか)
音楽がなくても作れる。
監督がいなくても作れる。
宣伝がなくても作れる。
資金がなくても作れる。
脚本さえあればね。
脚本さえあれば、それをやろうぜという人を、
徐々に集めていけばいい。
バンドにおける、楽譜とおなじだからね。
バンドが先にあるのではない。
楽曲が先にある。
そして、脚本の各要素の、
先にあるべき順番は、上のようだと僕は思う。
こういう風にして、ものづくりはすべきだ。
今そうなってないから、ものづくりは停滞している。
どうしてそういう基本が忘れられたのか。
脚本を書くということが、
とても難しくて、厳しくて、
みんな嫌になって、
脚本を見ずに他の要素で楽をしようとしたからだと思う。
製作者の怠慢だと僕は考えている。
だってこれだけの要素を全て面白くするのは、
とても難しい。
だからこそ。
素晴らしい脚本は、素晴らしいのである。
この幾層ものステップを、
全て踏み外さずに成功へ導けるか。
あなたたちには、それが問われているのである。
安易なガワや受ける要素とかパクりとか、
やってる場合ではない。
2017年05月21日
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