たとえば、漫画の実写化がなぜ詰まらないのか。
好きな人がつくってないからだ。
コアなファンをないがしろにし、
何も知らない人を騙しているからだ。
全く同じコンセプトが、新橋の怪獣酒場だ。
僕はウルトラマンリアル世代として、
物凄く悲しかった。
新橋のおじさんたちが続々くるんだけど、
みんな居心地悪そうにしていた。
最悪の店だ。
ウルトラマンを愛する、怪獣を愛する、
全ての人を不幸にする店だ。
僕はマーケティング理論に明るくないが、
これがマーケティングだというのなら、
マーケティングなんて死ねばいい。
どうせちゃちゃっと儲けてすぐ閉めるつもりなんだな?
入り口にジャミラの真実の口がある。
入店するなりバイトのお姉さんが
「あなたは地球防衛軍ですか?」
と聞いてくる。
その台本は面白いと思ったけど、
お姉さんは本気でやってない。
ウルトラ好きならば全員が、
「このジャミラに水かけたらダメですか」と聞きたい場面である。
「ロシア語でしゃべってもいいですか」でもいいし、
「乾きもの持ってきましょうか」でもいいし、
「ジャケットを頭にかぶっていいですか」でもいい。
でもお姉さんは、たぶんジャミラを見ていない。
ジャミラと真実の口も、なんの関係もない。
そこがとても悲しかった。
店内のデザインはとてもいい。
ランプがブルトンなのもとても気に入った。
でもそれだけだ。
ウルトラマンを見てない人が、
ビジュアルだけでデザインを作ったかんじだ。
飯と酒が不味いのは許す。
多少値段が高いのも許す。
でも、怪獣を愛していないのは許せない。
僕は車田正美が大好きで、
風魔の小次郎も大好きだった。
だから本気で風魔とぶつかった。
成功もしたし失敗もした。100%の成功ではない。
それでも、風魔を愛する人を失望させることは、
僕の大好きを裏切ることになる。
だから人生をかけた。
ほんとに必死だった。
もし怪獣酒場が、
怪獣を愛する人を切り捨てて、
儲けだけが出るのなら、
僕はマーケティングなんて信じない。
今年は二回激怒した。
一回は「夜は短し」で。
一回は怪獣酒場で。
どちらも、僕の心底愛するものを、
無知の顔で平気で踏みにじった。
あまりにも腹が立ったので、
特撮バーで一杯引っかけた。
好きな人は堪らない店だ。
後輩がドン引きしていた。
後悔はしていない。
どうして好きなコアの人を、ないがしろにするのだろう。
その人たちが好きだから、
客として芯になってくれるんじゃないのか?
ライト層なんて一回来たら二度と来ねえぞ。
誰か、このマーケティング理論を三行で説明してくれ。
なんのための怪獣酒場で、
なんのための実写化だ?
2017年05月22日
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