2017年05月22日

好きじゃないやつの金儲け(新橋怪獣酒場を糾弾する)

たとえば、漫画の実写化がなぜ詰まらないのか。
好きな人がつくってないからだ。
コアなファンをないがしろにし、
何も知らない人を騙しているからだ。

全く同じコンセプトが、新橋の怪獣酒場だ。
僕はウルトラマンリアル世代として、
物凄く悲しかった。
新橋のおじさんたちが続々くるんだけど、
みんな居心地悪そうにしていた。
最悪の店だ。

ウルトラマンを愛する、怪獣を愛する、
全ての人を不幸にする店だ。


僕はマーケティング理論に明るくないが、
これがマーケティングだというのなら、
マーケティングなんて死ねばいい。
どうせちゃちゃっと儲けてすぐ閉めるつもりなんだな?


入り口にジャミラの真実の口がある。
入店するなりバイトのお姉さんが
「あなたは地球防衛軍ですか?」
と聞いてくる。
その台本は面白いと思ったけど、
お姉さんは本気でやってない。

ウルトラ好きならば全員が、
「このジャミラに水かけたらダメですか」と聞きたい場面である。
「ロシア語でしゃべってもいいですか」でもいいし、
「乾きもの持ってきましょうか」でもいいし、
「ジャケットを頭にかぶっていいですか」でもいい。

でもお姉さんは、たぶんジャミラを見ていない。
ジャミラと真実の口も、なんの関係もない。
そこがとても悲しかった。

店内のデザインはとてもいい。
ランプがブルトンなのもとても気に入った。
でもそれだけだ。
ウルトラマンを見てない人が、
ビジュアルだけでデザインを作ったかんじだ。


飯と酒が不味いのは許す。
多少値段が高いのも許す。
でも、怪獣を愛していないのは許せない。


僕は車田正美が大好きで、
風魔の小次郎も大好きだった。
だから本気で風魔とぶつかった。
成功もしたし失敗もした。100%の成功ではない。

それでも、風魔を愛する人を失望させることは、
僕の大好きを裏切ることになる。
だから人生をかけた。
ほんとに必死だった。


もし怪獣酒場が、
怪獣を愛する人を切り捨てて、
儲けだけが出るのなら、
僕はマーケティングなんて信じない。

今年は二回激怒した。
一回は「夜は短し」で。
一回は怪獣酒場で。
どちらも、僕の心底愛するものを、
無知の顔で平気で踏みにじった。



あまりにも腹が立ったので、
特撮バーで一杯引っかけた。
好きな人は堪らない店だ。
後輩がドン引きしていた。
後悔はしていない。



どうして好きなコアの人を、ないがしろにするのだろう。
その人たちが好きだから、
客として芯になってくれるんじゃないのか?
ライト層なんて一回来たら二度と来ねえぞ。
誰か、このマーケティング理論を三行で説明してくれ。
なんのための怪獣酒場で、
なんのための実写化だ?
posted by おおおかとしひこ at 23:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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