2017年05月23日

何を言わなかったのか

思ったことを全部言ったり、
思いついた端から台詞を書いていくのは、
人間も知らないし物語も知らない素人だ。

その人物は、何を言わなかったのか。
なぜその時、それを言わなかったのか。

そういうことにスポットを当ててみよう。


普通それを言うだろうという場を用意し、
言わなかったら、それは何かの意思表示になるかも知れない。

物語における全てのことは、理由があるからである。

(単なる忘れとか破綻は、論外)


そこまで露骨でなかったとしても、
その人物が、どうしてそれを言わなかったのか、
理由を考えるだけで鍛練になる。

その場では言うべきでないと判断した
時期尚早だと思った
相手の為の思ってぐっと我慢した
言わない方が自分に得があるから
それは言ってはいけないと口止めされていたから
あとで二人きりになったときに言おうと思っていたから
勇気がなかった
事前に用意していたのに、全部とんだ
うまく言う言葉が見つからなかった
誤解を招くと思った
喧嘩になるくらいなら、自分が我慢しようと引いた
相手にショックを与えないために
相手にダメージを与えるために
サプライズ

相手の成長を待つため

などなどなど。


これ一本で映画が書けるよね、うまくいけば。


さよなら、その言葉を言えばほんとうに終わってしまうから、
僕はぐっとこらえた。

これがラストシーンになるストーリーを作れば、
それだけで号泣ものの名作を作れるだろう。


何でそれをあのときいってくれなかったんだ!
ふざけんな!

これがクライマックスに来るストーリーだって、
いくらでも作れるだろう。



何を言い、何を言わないのか。
物語の種は、こういうところに転がっている。
ためしに5分でなんか書いてみなさい。


人間も、物語も、
思ったことを言うことではない。
posted by おおおかとしひこ at 22:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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