ティやトゥは、テャ行やトァ行なんですって?
トァ行なんて定義したやつ、バカじゃねえの?
見たことも書いたこともねえよ、
トァとかテャとか。
99式ローマ字テーブル、見たらへそが茶を沸かすぜ。
配列界隈をさまよってみると、
拗音をどう定義するか、
みなさん苦労してらっしゃる。
行段系(ローマ字)ならどんなものが来ても
yxあたりでなんとかなるけど、
かな入力はそうもいかない。
「日本語は子音×五母音」という整理の仕方に縛られ過ぎると、
膨大なn×5の拗音を用意しなきゃならない。
蜂蜜小梅はわざわざマトリックスを出してきてるし、
新下駄なんて拗音1モーラという一発の良さのために、
苦労してつくったことがわかる。
その他では、
捨てがな(小文字の母音)を用意したりして、
新下駄みたいに拗音が一発で打てないなあ、なんて嘆いている。
で、
トァ行テャ行とかいい始めると、
膨大な拗音リストを用意しなきゃいけない。
でもそんなの使わないから、
全く覚えられないという、
理論的完成度と実用の間を振動しなきゃいけないわけだ。
僕の解はこうだ。
テャ行やトァ行はない。
ティやディやトゥやドゥという単独音があるのみ。
それは例外的に、
txiやtyiという特殊表記を与える。
あとは子音とx母音でがんばる。
テャ行やトァ行なんてのは、
音韻を規則的に分類できないと気持ち悪いという、
生理的なものから来ているような気がする。
でもそもそもwuにあたるワ行の音はない。
ゐゑは、もうないことになってるし。
(ヴが導入される前は、
ワ行に濁点がついてv音を示す表記もあったらしい。
を゛とか結構衝撃的な表記だよな)
すでに法則性は崩れてるわけだ。
言語が法則に基づく、ということが幻想ではないかと、
僕は思うのだ。
それを無理矢理に拗音法則をつくると、
99式ローマ字なんて噴飯ものが出来上がる。
合理のために法則はある。
法則が合理でないなら、
その法則に意味はない。
で、そもそも私たちの思考や発想そのものは、
規則的だろうか?
僕はハングル語やエスペラント語などの人工言語は、
胡散臭いと考えている。
人間の思考や発想や創作は、
規則的に縛られないから意味があるのではないか。
ことばとは、常に新しいことを言うことだ。
常に新しくするためにことばはある。
だからことばは、
常に更新され、
常に変化し、
常に旧来の法則が通用しないものが生まれる。
ネットはその壮大な実験場だ。
「モニョる」「ファビョる」
あたりは、他に短い的確なことばがない。
それは新しい概念ごと、ことばが更新されたのだ。
まさか法律が例外なしで適用されてるとでも思っているのか。
法律なんて抜け穴だらけでグレーだらけだ。
法則なんて名目だ。
数学がきっちりした法則だろうか。
0で割算出来ないし、
積に関して不可換な系なんて気持ち悪くてしょうがない。
物理なんて、0で割って無限大になっちゃう特異点(ブラックホール)
について、まだなんにもわかっちゃいない。
つまり、
世界のどこにも法則がシビアに適用できる世界などない。
法則が通用して、全てがかっちりと収まったら、
それは世界の熱的死ではないかね。
でたらめさと法則の間で揺れることこそ、
世界だと僕は思う。
それを、
法則性を見いだすためだけに、
トァ行とかテャ行とか言ってるのはバカだと思う。
ちなみに、
トァはフランス語toiのカタカナ変換語として、
レストランとかに使われているっぽい。
そんなの一生に何回打つかね。
まだ名曲「サントワマミー」のほうが打つんじゃね?
トワはtoiの別の音写。
ちなみに今調べたら、toiはyouの意味だそう。
君なしではいられないという、失恋の歌なのだそうな。
僕は世代的に、忌野清志郎バージョンが好きだなあ。
越路吹雪も最高だけど、
越路吹雪なら「ラストダンスは私と」のほうが堪らなく好きだしね。
(この歌の主人公は車椅子でダンスが踊れない女の人なのだそうだ。
でもダンスホールにデートに行きたくて、
男は踊りたくて、
だから他の女と踊るのを許可するけど、
最後の一曲は私と踊ってね、という歌なのだそう。
このエピソードこみでこの曲は傑作だ)
カタナ式は、とりあえずその存在目的を、
「物語を書くため」と規定している。
日本語の部分集合なわけだ。
そして、新しいことばを紡ぐための配列だといってもいい。
トァ行とかテャ行とか言ってるバカを、
僕は横目であざわらう。
次のことばは、そこではないぞと。
いらないものはバッサリ切る。
それこそ表現の真髄である。
だからカタナ式にトァ行とかテャ行なんてない。
拗音二文字を三打鍵で打つ行段系は、
悪くないと思うんだ。
カタナ式ではティとか、tyi、txi両方で定義してるし、
そういう複数の定義が出来るのも行段系のほうが自由度が高い。
ただ子音と母音打ってるだけなら、
かな入力のほうが最速になっちゃうしね。
そういう意味でハイブリッド月配列
(ほとんどかな入力の月配列で、
外来拗音や一部濁音を行段系に)
のアイデアは面白い。使えるかどうかは知らないが。
日本語の配列には、
やれることまだあると思うのさ。
簡単に出来ることはなにか、
そのための簡単な体系はなにか、
を考えればいいような気がする。
2017年05月27日
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