落ちってのはこういう風に鋭く決まらなければならない。
今週号をやっと見れたので、
もう売り切れてるかも知れないが、一見の価値あり。
(マンガ喫茶には、一ヶ月ぶんぐらい置いてあるところもある)
ラジオネーム木下友夫の話。
以下ネタバレ。
すっかり佐藤くんのことを途中まで忘れさせておいて、
ラストに持ってきたうまさ。
(忘れさせるのに、
他人の息子の身代わりになって天ぷらそばを食べる、
というみょうちきりんなエピソードを挟んでいるのが上手い)
忘れた頃に佐藤くんを登場させ、
電車賃貸して、
と逆転の天丼。
上手い!と爆笑してしまった。
これは冒頭から準備されている構造だ。
「ラジオネーム本名で読まれたのに、
誰も気づかない」
「もしかして誰もあのラジオ聞いてないのか?」
という冒頭の前ふり(センタークエスチョン)に対して、
ラストの落ちで答える構造になっている。
さらに上手いのは、
佐藤くんを出して、
「彼だけは実在する可能性がある、会いに行こう」
という発想の面白さだ。
この話には、都合4つのアイデアがある。
1. ラジオネーム本名で読まれたのに、誰も気づかない。
2. 佐藤くんだけは実在するかも知れないので、会いに行く。
3. 電車賃なくなった、しかし息子の身代わりで駄賃をもらう。
4. 佐藤くんの方から来て、電車賃貸してと。
見事な構成になっている。
こういうのを上手いというのである。
「団地ともお」には、比較的こういう上手い構造の話が多い。
大いに参考になる作品だ。
こういう風にちゃんと落とせる人、最近減ったよなあ。
2017年06月17日
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