2017年06月18日

どっちサイドからスタートさせるか

ストーリーとは、コンフリクトである。
誰かの都合や目的が、誰かの都合や目的と合わないことで、
ストーリーが巻き起こる。
つまり、誰かと誰かが出会うことで起こる。
およそ出会わないなら、ストーリーは生まれない。

で、どっち側から話をはじめたら、
面白いか?ということ。




組み合わせは何通りかある。

1 どちらの事情もまず伏せておいて、出会いの面白いところから描く。
2 Aの事情をまず見せておき、最悪のBとの出会いを描く。BはAの障害になる。
3 逆に、Bの事情をまず見せておき、Aと出会わせる。
4 どちらの事情も先に見せておいて、両者の出会いで、困ったことになったと表現する。

感情移入の面から考えると、
先に事情を見せられていた方に感情移入するものだ。
だから、Aが主人公だとして、2のパターンが多いような気がする。

一方、あまりAの事情が面白くなくて、
敵Bの事情の方がセンセーショナルで人目を惹くのであれば、
3のパターンでやることもある。
トップカットから異常殺人がおこり、
刑事があとから登場するのは、
もっともよくあるパターンだ。

この場合、主人公への感情移入よりも、
異常殺人のほうが、ツカミであり、
お楽しみポイントであるということだ。

一方ラブコメなどでは4が多い。
お互いの事情が分かっていた方が、
もめ事や二人の感情をより楽しめる。
どっちもがんばれ、というタイプの話では、これが多い。

事情が複雑で、それが面白いのなら、
4ではなかなか話の本編をはじめられないので、
変形の1からはじめ、どこかで、
実はこういう事情を抱えていて……となるパターンになるだろう。

あなたのストーリーは、
どうやってはじめているだろうか。
あるいは、うまく行っていないのなら、
始め方を間違えているのではないだろうか。


事情や目的を考え直すこともリライトだけど、
見せる順番を変えるだけで、
うまく感情移入がいったり、
わくわくするようになったり、
するものである。
こういうのも、リライトである。

あるいは、
「動機や目的は説明しなくても大体わかるので、
この場合説明なしに話を先に進めよう」
と判断するのもテクニックである。

もっとも、どこかで動機をより詳しくわかるところがあり、
そこで感情移入がより深まることは、とてもよくあるパターンだが。

教科書的には、
まず主人公の事情や目的を描き、
感情移入を獲得し、
それから事件をはじめ……
ということになるだろうけど、
その話にベストかどうかは、教科書には書いていない。

じゃあ、ベストの始め方を工夫すればいいだけのことである。


その人の外面的活躍を見せてから、内面を明らかにするか?
その人の内面をあきらかにしてから、外面的活躍を描くか?
その人の内面については、しばらく伏せるか?
面白いのか、納得がいくのか、あっと驚くのか、
感情移入するのか、
いろいろな面からの評価軸がある。

始め方だけではない。
途中で出てくる人物にもいえることだ。
最初のうちは、
全パターン尽くしてどれがいいか考えるくらいの気概はほしい。
そのうち慣れてきて、いくつかのパターンが出来て来る。
それがあなたの作風にもつながってくるのであるけど。



今書いている話で、逆の立場からはじめたほうが、
面白いツカミになることに気づいた。
最終的にはちがうかも知れないが、
ツカミの導入に関してはよくなった次第。

どこで事情をばらしていくか、
そのタイミングを見計らいながら書いていくとしよう。
posted by おおおかとしひこ at 19:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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