二時間の脚本を、一度も書いたことのない人にオススメする練習法。
それは、どこかで仕入れた二時間の脚本を、
手で写したり、文字打ちしてみること。
二時間の脚本は長い。
どれだけかかるのか、
書いたことのない人は想像もできまい。
ぼくも初めて書いたときは、想像もつかなかった。
ということで、過去の僕に教える為に、
この方法を記しておく。
想像がつかないのは、
どれだけしんどいか、
どれだけ集中力がいるか、
どれだけの準備をしておけばいいか、
どれだけ時間がかかるか、
どれだけの言葉を費やせばいいか、
などなどである。
もやもやしていてもしょうがない。
「それを、事前に全部思いついていた」
という設定で、文字部分のみ全部書いてみるのだ。
オススメは手書きで書き写すことだけど、
パソコンによる文字打ちでも構わない。
普段使っているワードのファイルや、
IMEや、配列を使ってみるといい。
いわば実戦のシミュレーションである。
とりあえず一回経験してみるのが目的だ。
これをやってみると、
120分の世界、4万8千字の世界が、
どれだけしんどいか、
どれだけ集中力がいるか、
どれだけの準備をしておけばいいか、
どれだけ時間がかかるか、
どれだけの言葉を費やせばいいか、
体感することができる。
水泳の練習法で、
水中で他の人が引っ張って、
無理やり目標タイムのスピードを経験させる、というのがあるそうだ。
そうすると、なぜだかそのタイムに近づいていくらしい。
自分一人ではたどり着けなかったタイムへ。
たぶん、「その世界を疑似的に経験する」
を、体が覚えるのだろう。
それを経験したことで、
その世界を旅するだけの、
リアルな感触を知るからだろう。
イメージトレーニングとは真逆の、
体先行のトレーニングである。
ということで、4万8千字、
原稿用紙120枚ぶんの、
脚本を写してしまうといい。
コピペじゃ意味がない。
「実際に4万8千字を書く」
経験をするのが目的である。
それに4日かかったとしよう。
じゃ、4日で自分が書ける?
いや、無理だよね。
じゃ、書けるためには何を準備しておけばいい?
そうやって、
経験をもとに、準備ができるようになってゆくのである。
しかも一度最高の文章を見ているのだから、
それに匹敵することを目標に出来るという訳だ。
ああ、過去の俺よ、
この方法を二時間書く前に試しておけば、
色々な肉体的苦労に対して、
準備できたものを。
ということで、みなさんはいいことを知ったね。
ええ? 120枚の原稿を書くんですって?
書くとも。脚本を書くのならね。
どれくらいのしんどさか、
経験済みなら話がはやいぜ。
あ、もちろん、手書きのほうが勉強になるよ。
呼吸みたいなのが、手書きには宿るからね。
2017年07月04日
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