以前に、反対語辞典的には、
クリエイティブの反対語はイミテイティブである、
という話を書いた。
どちらが今金を生むのか?
僕は、クリエイティブなことが、
新しい面白いことが、
金を生み、時代を進め、時代を回らせることだ、
という時代に育ったし、
今でもそう思っている。
しかし、今という時代はそうではない。
何かに似ているとか、
既に成功しているとか、
そういうものがない限り、
投資を得ることが出来ない。
かつては、
分からないが新しいものに大量に金が突っ込まれた。
今は、
分かるものが分からないものより優先的に金が突っ込まれている。
前者は、リスクの代償として、
大量に死んだか?
いや、好景気だったから、また次のチャンスに乗っかったんじゃないかな。
バブルのときに仕事をしてなかったから、
実感はないけど。
バブルが弾けたあと、沢山自殺した人が出たのは事実だ。
しかし、今の時代のほうが自殺者は多いんだよね。
今の時代は、ネクストチャンスがない時代だとも言える。
だからみんなびびって、保証をほしがる。
だからイミテイティブになってゆく。
まるでガン細胞だ。
自分と同じコピーを増殖させて、
多様性を駆逐していく。
死を恐れるあまり、自分のコピーを増やして死を早める。
なんという皮肉か。
種の絶滅は、似たような遺伝子プールが、
一斉に遺伝病にかかることで一気に来るらしい。
多様性なきところに柔軟性はないということだ。
クリエイティブとは、新しいものを作ること。
イミテイティブとは、コピーすること。
僕は前者であり続けたい。
で。
そのためには、習作を沢山することだ。
出来ないことが大量にあるときは、
過去のものを写経するといい。
自分なりにアレンジすれば、それはイミテイティブとは言わない。
完コピはイミテイティブ、
エッセンスを頂いて、自家薬籠中のものにすると、
それはクリエイティブになる。
つまり、クリエイティブとは、
自家薬籠で煮込み続け、混ぜ続けた、
長い時間から生まれる。
これが金を生まなくて、
コピペが金を生むのなら、
それはもはやシステムが間違ってる。
ガンに犯されたシステムだよなそれ。
じゃあ、遅かれ早かれ、
今の映像産業は死ぬのかも知れない。
別のところで物語産業が生まれるなら、
そのとき、時間をかけて煮込んだ才能が、
爆発する時代が来るかも知れない。
それはもはや日本でもハリウッドでもないかも知れないが。
まあそれはいいや。
そういう時代の波を睨みながら、
オリジナルを作り続けていくことだ。
市場は全く新しいものを歓迎するのか?
何かに似たようなものを歓迎するのか?
何かに似ているが、全く違ったものを歓迎するのか?
そういうことを考えながら、
新しいものを作ることだ。
脚本は中身であって、ガワに似たようなものを被せることは、
結構簡単に出来る。
羊の皮を被った狼になれるかな。
2017年07月08日
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