2017年07月08日

クリエイティブが金を生むのか、イミテイティブが金を生むのか

以前に、反対語辞典的には、
クリエイティブの反対語はイミテイティブである、
という話を書いた。

どちらが今金を生むのか?


僕は、クリエイティブなことが、
新しい面白いことが、
金を生み、時代を進め、時代を回らせることだ、
という時代に育ったし、
今でもそう思っている。

しかし、今という時代はそうではない。
何かに似ているとか、
既に成功しているとか、
そういうものがない限り、
投資を得ることが出来ない。

かつては、
分からないが新しいものに大量に金が突っ込まれた。
今は、
分かるものが分からないものより優先的に金が突っ込まれている。

前者は、リスクの代償として、
大量に死んだか?
いや、好景気だったから、また次のチャンスに乗っかったんじゃないかな。
バブルのときに仕事をしてなかったから、
実感はないけど。
バブルが弾けたあと、沢山自殺した人が出たのは事実だ。
しかし、今の時代のほうが自殺者は多いんだよね。

今の時代は、ネクストチャンスがない時代だとも言える。
だからみんなびびって、保証をほしがる。
だからイミテイティブになってゆく。

まるでガン細胞だ。
自分と同じコピーを増殖させて、
多様性を駆逐していく。
死を恐れるあまり、自分のコピーを増やして死を早める。
なんという皮肉か。


種の絶滅は、似たような遺伝子プールが、
一斉に遺伝病にかかることで一気に来るらしい。
多様性なきところに柔軟性はないということだ。


クリエイティブとは、新しいものを作ること。
イミテイティブとは、コピーすること。
僕は前者であり続けたい。



で。

そのためには、習作を沢山することだ。
出来ないことが大量にあるときは、
過去のものを写経するといい。
自分なりにアレンジすれば、それはイミテイティブとは言わない。
完コピはイミテイティブ、
エッセンスを頂いて、自家薬籠中のものにすると、
それはクリエイティブになる。

つまり、クリエイティブとは、
自家薬籠で煮込み続け、混ぜ続けた、
長い時間から生まれる。


これが金を生まなくて、
コピペが金を生むのなら、
それはもはやシステムが間違ってる。
ガンに犯されたシステムだよなそれ。
じゃあ、遅かれ早かれ、
今の映像産業は死ぬのかも知れない。


別のところで物語産業が生まれるなら、
そのとき、時間をかけて煮込んだ才能が、
爆発する時代が来るかも知れない。
それはもはや日本でもハリウッドでもないかも知れないが。

まあそれはいいや。
そういう時代の波を睨みながら、
オリジナルを作り続けていくことだ。

市場は全く新しいものを歓迎するのか?
何かに似たようなものを歓迎するのか?
何かに似ているが、全く違ったものを歓迎するのか?
そういうことを考えながら、
新しいものを作ることだ。

脚本は中身であって、ガワに似たようなものを被せることは、
結構簡単に出来る。
羊の皮を被った狼になれるかな。
posted by おおおかとしひこ at 13:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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