2017年07月09日

どの場面が好き?

自分の作品で、こういう問いをしてみよう。



もちろん、いくつかあるだろう。
最高のシーンと自負するのもあるだろうし、
他の人にほめられたシーンもあるだろうし、
他の人にはほめられていないけど好きなシーンもあるだろう。

しかし、すべての場面が好きではないだろう。


あなたの好きなシーンは、なぜ好きなのだろう。
あなたの好きでないシーンは、なぜ好きでないのだろう。

何かに似てるから好きなのか。
何にも似てないから好きなのか。


何かに似ているから好きならば、
それは注意したほうがいい。
あなたが経験したリアルななにかに似ているならOK、
すでに発表されているメディアのなにかに似ているならアウトだ。

オリジナルななにかかどうか、というところがポイントだ。

すでに見た、権威づいたなにかに似ていて、
好きならば、
あなたは安心したいだけかもしれない。



本題。

あなたが気に入って「いない」シーンがあるならば、
それをピックアップしてみよう。

それを、あなたが好きになるように書き換えられるだろうか?
ただし、その「好き」とは、安心ではない好きであるように。


磨きは、そうやってかけてゆく。
尖っているものはより尖り、
濃いものはより濃く、
オリジナルな部分はよりオリジナルに、
なにかに似ているものは、
なににも似てないように。


もしまだあなたが好きでないシーンがあるなら、
それはまだ輝いていない作品である。
すべての場面が、
あなたの好きで埋まるようにしよう。

偏愛でも博愛でも、
偏見でもグローバルでもかまわない。
まずあなたが愛せるようにすること。

それから、人々に開いていくようにすること。
あなたが好きではないシーンは、
誰も好きになってはくれない。
あなたの好きなシーンは、
好きになってくれる可能性がある。
あなたの好きはわかりにくいかもしれないから、
本質を失わずに、より理解できる好きに開いていく必要もある。



出来れば、すべてのシーンが好きになってもらうようになるべきだ。
だからあなたの好きでないシーンは、
書き直していく必要がある。


好きでないシーンは、
うまく行ってない場面であることが多い。
うまく行くことよりも、
どうしたら好きなシーンになるかなあ、
と考えると、正解に至れることもある。

たぶん、理屈で考えすぎていて、
都合や整合性ばかり優先していて、
面白さや情熱や勢いやエネルギーや、
余裕や滑らかさやわくわくやはらはらや、
胸キュンや非日常感やドキドキが、
足りなかったのではないだろうか。

もちろん、すべてにそれを求めていたらキリがない。
しかし、あなたが好きでない場面は、
そのように書き換えることができる、
という可能性を捨てないこと。


リライトは、そういうチェックをしたほうがいいときもある。
リライトは理屈でやりがちだからだ。

リライトをしたときに、
成立はしてるけど、ベストではない感じは、
理屈はあってるけど好きがないからかもしれない。



理屈と情熱は、違うところから出ている。
両方をみたすのが最高であると思う。
posted by おおおかとしひこ at 11:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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