2017年07月11日

?と!の関係

いったいこれは何だ?
なるほど、そういうことだったのか!

ストーリーとは、これの連続である。
?と!の関係について、考えよう。


?は、前ふりである。
謎である。
おかしなこと、奇妙なことである。
何か分らないことである。
普通にはありえないことである。
一見常識の感覚がおかしくなるような、
異常な事である。
なにかの可能性である。

だから、ひきつけられる。
いったいこれはなんだと。
これはいったいどういうことなのかと。

冒頭に殺人事件がおこる典型を考えればよい。
犯人は誰か? つかまるのか?
一体動機はなにか?
一見不可能な犯罪のトリックは?
謎だらけだ。
あるいは、ボーイミーツガールタイプでもいい。
退屈な日常に現れた、謎の美少女。
ありえないことに、僕に微笑んだ?

とくに冒頭である必要もない。
途中の展開でも、?はありえる。
盛り上がりの手前においといて、
あとに来る!のための前ふりにすることもある。

ミスリードは、たいていあとの!の為に、
わざとおかしな痕跡を残すことがある。
おかしいと思ったんだよ、あれは伏線だったのか!の為にだ。
(もっとも、最近はこれがあまりにも多いので、
わざと謎っぽいのを振っておいて、
それを使わないという裏をかく手もある。
多用すると飽きられるけど。
だから優秀な伏線は、
堂々と本編に関係したことをあとで使うことである。
ちょろっと出てきたことを伏線に使うのは、
伏線が下手な証拠だ)


!は、種明かしである。

?で作った疑問に、答える。
なるほど、と腑に落ちる。
これのためにあれがあったのか、と感心する。
疑問がすべて氷解して気持ちいい。
あれも、あれも、そう考えればすべて繋がっていたのか、
と心の中で理解の連鎖が起こる。
それは気づかなった、やられたと膝を打つ。
その落差があればあるほど、驚愕する。
さらに大きければ、
ショックを受けトラウマにもなる。
ひきつけられていた分、逃げるのが遅れる。

簡単なのは、ホラーだ。
一見安全なところでひと息つき、
そういえばうしろを見ていなかったと、
気づいて振り返ったときに、後ろにいる!
とびっくりさせる。
安全かな?と注意をひきつけ、
油断させたときに、そこは見ていなかった!
というところからモンスターは現れるものだ。

将棋やチェスのような、
誰かと頭脳プレイで勝たなきゃいけない状況なら、
直接このやり方が使える。
?と謎を振っておいて、なるほど!
と思わせる手を打てばよいからである。


?と!のペアは、人を必ずひきつける。
?を振られたら、
人は考え、答えを知りたくなってしまうからだ。
多くのテレビ番組は、謎を振ってCМに入る。
答えを待たせる間にCМを見てほしいからだ。


ここから本題。

注意すべきことは、!がしょぼくないことである。
?で前振られた、すごい期待は、
!で裏切られないことだ。
当たり前だけど、面白い?があればあるほど、
人は答えを探して考える。
その予想を、あなたは越えなければならない。
全員が、なるほど、それは予想以上だった!
と、驚き、感心するような!を用意しなければならない。

できないのなら、やめておくことだ。
狼少年になってしまう。

「マルホランド・ドライブ」という、
このブログでもときおり取り上げる映画がある。
強烈な?だらけで、
最初はものすごく引き込まれる。
しかしいつまで経っても、!はやってこず、
どんどん新しい?が増えて、
最後には!がないまま終わってしまう、
うんこのような作品だ。
僕はデビッド・リンチの「ツインピークス」を見ていないのであれだけど、
多分同じ構造なんだろうな、と予測している。


上手なのは「マトリックス」で、
世界の謎を振っておいて、
すべてはバーチャルワールドだったのだ、
という!で答えている。
バーチャルだから何でもあり、という最終手段を使っているのがうまいよね。
(2と3はなかったことにしよう)

世界の謎を解く系の物語では、
「実はすべて〇〇だったのだ!」
と最後になるパターンが多い。
お釈迦様の手のひらの上、というのは二千年前にあるけどね。
「ダークシティ」「メガゾーン23」「猿の惑星」なんて古典もたくさんある。
押井はそういうの大好きで、「赤い眼鏡」「アヴァロン」などなど。
90年代や00年代は、
ゲームの世界にこういうパターンが多かった。
SFとか多かったし。

もちろんこんな大きなことから小さなことまで、
色々なネタをつくることが可能だ。

あの子が機嫌が悪かったのは、
俺が他の女の子としゃべっていたからだ、
なんて小さなことすら、
物語の進行のための?と!のペアになりうる。


前にも書いたけど、
「リンかけ」の、ギャラクティカファントムの初登場が僕は死ぬほど好きだ。

なぜギャラクティカマグナムが効かなくて笑っていられる?
フッ。右のマグナムにも匹敵するスーパーブロウが、左にも宿っているのよ!
なにい?!
ピキーン! ギャラクティカ・ファントム!

車田正美は、?と!の天才だ。
ほくらは毎週毎週なにい!と言っていた。


あなたのストーリーでは、
どんな?を前振るのか。
冒頭にまいてもいい。
途中にまいてもいい。
そしてそれは、どんな!になるのか。
なるほど!と膝を打てるのか。

そんな計算をしてないのなら、
それは平板すぎる話かも知れない。

逆に平板なら話なら、?と!で、
スパイスをつけていける。
posted by おおおかとしひこ at 15:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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