ストーリーが一番面白くなる瞬間はなんだろう。
色々あると思うけど、
そのひとつは、
「決断する瞬間」ではないかと思う。
強い意志を示し、
混乱する現状への通った筋道を期待させ、
解決への希望があふれる、
人として輝く瞬間のひとつではないかと思う。
さて、これを描くには、
まずその人を追い詰めないといけない。
絶体絶命とはいかないまでも、
危険や危機に追い込むべきだ。
あるいは危機感でもいい。
このままではやばい、でもいい。
しかもすぐには解決しないやつがいい。
それに直面して、どうしようもないところまで、
追い込まれるのがいい。
その絶体絶命からの、大逆転が、
なにかを思いつき、決意する瞬間ではないか。
つまりそれはターニングポイントだ。
それまでの焦点が、
彼の今後の行動というものに置き換わる瞬間だ。
だから劇的に見えるのだ。
がらりと空気が変わるのだから。
人は行動に、覚悟や主張が出る。
危険があるほどぞくぞくする。
その危険を知ったうえでの決意は、
冒険の決意だ。
だからその瞬間アドレナリンが出て、
人は美しく見えるのかもしれない。
安心してだらけているのは、
人の理想だけど美しくない。
物語の中の人物が美しく、魅力的に見えるのは、
追い込まれているからだ。
強い危険ほど、強い決意がいる。
リスクがあるほど、リターンがあるほど、
それは冒険になる。
私たちは、平穏な日常で、
非日常という物語を見る。
それは、決断の瞬間を見て、
どきどきしたいからかもしれない。
ということで、
そういう瞬間が書けるのは、
ライター冥利に尽きるというものだ。
そういう舞台装置が、整ったということだからだ。
少なくとも、
第一ターニングポイントでは、
その強い意志を見ることが出来る。
第二ターニングポイントでは、
必ずしもその場面はないかもしれない。
(クライマックスへの導入次第なので。
僕はあるパターンのほうが好きだけど)
他にも、そういう場面がときどきあるといいよね。
もちろん、主人公だけじゃなくて、
その他の人物のそれでも歓迎だ。
人生の天王山。それを乗り越えようとするとき、
人は大きな決断をする。
その天王山を、物語というのである。
2017年07月13日
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