こないだ聞いた、もうどうしょうもない話。
「誰にも嫌われないCMを作ってください」
というオリエン(依頼)があったのだそうだ。
怒りを通り越して爆笑してしまった。あほか。
勿論、昨今のCM炎上中止騒ぎを見て、
トラブルは避けたいと考えている依頼であろう。
それは事情としてはよくわかる。
中止しなけりゃいいじゃん。
「私はこう思う。そう誤解されたら心外である。
私はこう思うので、この発言は続ける」
と堂々と言えばいいのに。
表現とは、何かを言うことである。
いわば攻撃である。
リスクがある代わりにリターンがある。
メッセージが届く人には効果的だし、
メッセージを不快に思う人には炎上だ。
誰にも嫌われないメッセージなどない。
無難なメッセージは、
誰の心にも刺さらない。
炎上もない代わりに、リターンは0だ。
それはもはや、
「嫌われない告白の仕方を教えてください」
と言っているような矛盾だ。
告白は告白だ。
強く鋭く刺さるほうが効果的だ。
その代わり撃沈もあるだけだ。
「あの…その…嫌われたくないんで、
仲良くしましょう」なんて男に、
女が「すてき!」と恋をするだろうか。
そんなこと言う女だって気持ち悪い。
どんな美人でも。
嫌われない告白はない。
告白は、嫌われるし、時々成功する。
それが表現だ。
そんなバカなこと頼んできた大企業は、
告白をしたことがないのだろう。
ちゃんと生きろばかやろう。
大企業が広告代理店に頼むからダメなんじゃね?
自社で作りなよ。
責任を自社で取れるようにするべきなんだよ。
それで、告白がどれほど難しいことか、
理解するべきなんだ。
それでうまくいかない時に、
ちゃんとしたクリエーターに頼めばいいと思うんだよね。
2017年07月18日
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