2017年08月07日

【ぬいおさんへの回答箱】ネタバレの度合いについて

> 僕は今「ネタバレ疑心暗鬼」にかかっています。
何を書いても「この伏線ネタバレになってるんじゃないか?」
……
> ネタバレになっているかいないかを
> うまく判断する方法ってありませんでしょうか・・・?

難しい問題です。
一回疑心暗鬼になってしまうと、余計に俯瞰出来ないものです。
しかも数値で出せる値ではないから、
「5を2にすればOK」と結論できるものではない。

いくつかの解決策を。




1 鷹揚に構えてみる

「過半数にばれなければOK」と基準を設ける。
ワンピースの伏線考察とか、あんなのみてると、
何も伏線引けなくなるよな、とびびりますよね。

でもあの人たちは過半数ではない、
ということを落ち着いて考えましょう。
ワンピを読んでいる全員の1/100以下だと考えます。

とくにテレビは偏差値40、下半分以下の人たちに合わせて作っている、
という説もあるくらい。
多少のネタバレをしても、
罪ではないと考えることです。


2 逆から作ってみる

ラストシーンをつくりましょう。
その前のシーンをつくりましょう。
……
ファーストシーンをつくりましょう。

そうすれば、なかなかネタバレしにくいものをつくれます。

伏線やネタバレを、一切想像させないものにすればいいのです。

「話を逆に進む」という佳作に、
「メメント」があります。
(ラストがいまいちなので、傑作扱いはためらわれます)

この作り方を考えると頭が混乱してきますが、
時間順にならべてみると、
ふつうの繋がりで描かれていることがわかります。
つまり、ふつうならネタバレでも、
見せ方でどうにでもなるかもしれません。


3 ミスリードする

じゃあ逆に、
ネタバレした、読めたぞと相手に確信させてしまいましょう。
その裏をかくような最後を用意しておけばいいのです。

「あれは騙しだったのか!」というストーリーをつくればいい。

ヘタするとただの肩透かしなので、
うまく考えてやるべきです。
二重三重に伏線になっているとか、
単純でないものを考えるといいかもしれません。


4 伏線を必要としない、ストレートな話を書く

ネタバレしようがどうでもいい、
面白い話を書くという思い切りもあります。
「キン肉マン」のゆで先生が代表かな。
勢いって大事。ネタバレよりもね。
昔のジャンプはそういう漫画が多かったなあ。





最近、予告編でどこまで見せるべきか、
よく考えます。
「なにもかもネタバレになるから、なにも見せない」
のは意味がない。
予告で、「ああかもしれない、こうかもしれない」
と想像するのが楽しいのです。

だから、
100%明らかにしなければ、
全てのネタバレっぽいのは、
「想像が膨らむ釣り」であると言えます。
(上手か下手かはおいといて)


想像が膨らむ例によく僕があげるのは、
パンチラです。

「あんなの布じゃん」というのは女子です。
彼女らは中身を知ってるから、
つまりネタバレをしているから、
それはただの布にしか見えない。

しかし我々男子からすると、
それは「ネタが明らかになっていない段階で、
ネタの中身を想像させるもの」だから、
とても良いのです。
我々男子は、ネタの中身を見る自由がありませんからね。

だから、「あの布の向こうはどうなっているのだろう」と、
想像を膨らませるものなのです。
布ですが、それはベールです。
ベールとはつまりロマンです。


ネタバレの理想は、パンチラです。
「最後の落ちを想像してわくわくすること」、
「これが伏線になってあとあとこうなると思う」は、
ネタバレではなくむしろ楽しみです。
「楽しませているかどうか」を、考えてはどうでしょう。

処女はいろいろなものが一切見えてはならない、
とガードが堅いのかもしれませんが、
達人はチラリズムをうまく使うのではないでしょうか。
posted by おおおかとしひこ at 14:24| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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