2017年08月10日

【カタナ式】ローマ字入力は脳内発声あり、カナ入力はなし説

カナ入力をずっと試しているのは、
ブラインドタッチの下手さを乗り越えるだけの、
ある確かめたいことがあったからだ。
「脳内発声のありなし」だ。


カナ入力だと脳内発声なしになるのではないか、
という仮説が僕の中にあって、
それを確かめてみたいのである。
飛鳥配列が、
調子のいいときは一秒一カナ以上にはなってきたから、
脳の中を観察してみた。

ローマ字入力であるところのカタナ式と、
カナ入力であるところの飛鳥配列では、
僕の練度によるスピードが全然違うので対等な比較はできないけど、
今のところ、
ローマ字は脳内発声あり、
カナ入力はなし、
のような気がする。


脳内発声と言うよりは、
ローマ字入力は、
「言う代りにローマ字を打つ」という感覚に近いかもしれない。
つまり、少なくとも、
僕の口は言おうとしている。
口を動かす代わりに左右の手が動く、という感覚。

これがカナ入力になると違う。
頭の中にカナが浮かんで、
直接印字されていく感じ(遅いけど)。
そこに「音」は介在しない。
文字が「概念」に近い。

思考はたぶん概念だ。
それをそのま文字にするか、
「言う」ことに変換した後に手を動かして文字にするかの違い。
一回「言う」というイメージが入ってくるか来ないかの差だ。

僕はカナ入力派のいうところの、
「一回ローマ字に変換するからローマ字は遅い。
日本語をそのまま打てるカナのほうが速い」という説が、
いまいち信じられていない。
それはあんたの脳内ローマ字変換が遅いだけやん、
なんて単純に思っていた。

しかし、そうことは簡単ではない。
たぶん、
「言う変換」のあり/なし
ではないかというのが僕の仮説である。

黙読で、
脳内発声ありなしの人がいる。
僕はない。
手書きで書く時もない。
しかしローマ字で書く時だけある。
カナ入力は、ないみたい。

(これは人によって違う可能性が高い)

ローマ字入力をするとき、僕は言っている。
この記事はローマ字入力で書いているので、
これは僕の発言に近く、
書かれた思考ではない。

言う言葉と書く言葉には差がある。
脚本は、言う言葉をメインに書く。
小説は、言う言葉も書くが、メインは地の文だろう。
地の文は言う言葉か?
おそらく、書く言葉だと考える。
思っていることを言うのと、書くのは、ぼくは違うと考える。
どう違うかを、まだうまくいえないけど、
書かれた言葉のほうが、整理されているような気がする。
言う言葉のほうが、時間軸をもっている気がする。
静止した写真と、動くムービーのような違い。

で。
脚本やブログを書くには、
ローマ字入力のほうがいきいきして書けて、
小説や論文を書く時には、
カナ入力のほうがいいんじゃないか、
なんて考えている。

あるいはカナ入力でブログを書いている人もいるだろうが、
それって、消えてなくなる発言よりも、
永遠に残る分析的な文に近い文章になってるんじゃないかな、
と予測するわけだ。


書く道具によって、僕は文体や内容が変わると考えている。

吉本隆明の著作は難解であるが、
その講演は非常にわかりやすいという。
言うことと書くことは、意味が仮に同じでも、
アプローチやその結果としての文体が異なるのではないか。

ワープロ以前以後で、日本語は変容したと思う。
ネットスラングは、徐々に昔日の日本語を駆逐しはじめていると思う。
(正確にいうと、同一の人の中の言語が変わるのではなく、
違う道具を使う世代が、旧世代が死んだら別の言葉になっている、
みたいな、種の淘汰進化に近いと思うけど)

僕が飛鳥でカナ入力をしているときは、
まだ指に集中しているのもあるけど、
脳の中は静かである。

「カナ入力のほうが思考に集中できる」
という、主に親指シフターに見られる特徴は、
脳内発声がなくて頭の中が静かなことと、
関係しているのではないかと考える。

仮説段階であるが、
ローマ字入力者は常に言っていて、
カナ入力者は、常に書いているのではないか。

(ローマ字で書いたものは、
たいてい推敲しないと話にならない。
言うことは結構支離滅裂なものです。
カナで今まで長文を書いたことがないので、
それを追試したいと考えている)



これは訓練すれば変わるのか。
カナ入力がまだ実用段階にないから、
単にそれどころではないのか。
もう少し追試してみたい。

わたしはわたしの思うことを素直に書きたい。
ただそれだけなのにねえ。
posted by おおおかとしひこ at 17:16| Comment(2) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
折角ですのでこちらにもおじゃまします。

『ローマ字入力は脳内発声あり、カナ入力はなし説』って、昔は逆の意見が多数派だったと思うのですが、最近は変わってきたのでしょうか?ローマ字入力は音声を「分解」しなくてはならないから脳内発声とはバランスが取れない、ということだったように思いますが。
Posted by 鈴見咲君高 at 2017年08月12日 00:07
鈴見咲君高さんコメントありがとうございます。

昔のことは知らんのです。配列道半年なので。
僕の個人的説です。

その「ローマ字」はQWERTYローマ字でしょうか、
それともM式的な行段含むのでしょうか。
僕はフリックでも脳内発声ありなので、
行段という仕組みがそうなのかも知れません。

しかし手書きの時は脳内発声なしなんです。
音声で書いてないんだと思います。
Posted by おおおかとしひこ at 2017年08月12日 00:23
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