誰もが無意識にこれをやってるかもしれないけど、
もし知らない人がいたら、
と思って書いてみる。
一枚の紙(デジタルではなく物理の紙)に、
ストーリーを一覧できるものを作って、
肌身離さず持ち歩き、常に見よう。
フォーマットはそれぞれの流儀で構わない。
丸で囲んだり、矢印で引っ張ったりなどの書き込みがあるだろう。
線を引いて強調したり、目立つところは大きく書いたりもするだろう。
手書きのほうがデジタルでつくるより柔軟なので、
手書きでつくることをおすすめする。
で、その大きさのオススメはA4だ。
手帳サイズだと小さすぎて一覧できない。
ノートの見開きになると大きすぎて、これも一覧できない。
一覧には一覧に適したサイズというものがある。
経験上、A4。
必ず、最初から最後まで書いてあること。
(途中なら途中まででもいい)
それを飯食いながら、移動中、寝る前、風呂に入るとき、
ひまなとき、四六時中眺めるのである。
それは、そのストーリーに自分を慣らす、
という意味が含まれている。
何度も何度も、頭から結末まで頭の中で通し、
それがベストだろうかと考える為にもある。
それが手書きだと、
まだまだ直せるという雰囲気があるので、
全然直して構わない。
消しゴムで消すより、二重線で消した方が、
あとで復活させられるのでオススメだ。
また、
書き込みすぎてごちゃごちゃしてきたら、
新しく整理したものに書き直すのもオススメである。
カンニングペーパーをつくるときみたいに、
「一覧性の高いもの」を何回かつくると、
その内容に慣れてきて、覚えてくるものである。
何バージョンかつくって、
比較できるように保存しておくのもいい。
紙のいいところは、並べて一覧できることである。
なんなら壁一面に全てのバージョンを並べて、
前を歩きながら、並べ変えたりしてもいい。
コピーをとってそれをやれば、オリジナルを傷つけなくて済む。
コピー代なんて100円もかからない。
これはデジタルじゃできないことだ。
とにかく持ち歩く。
いつでもどこでも見る。
デジタルのものは開くまでに時間がかかる。
紙ならカバンから出せば0秒だ。
飯屋で注文して、A定食が来るまでに、
数回頭の中でシミュレーションできる。
風呂の中ですら考えられる(コピーはとっておかないとね)。
トイレの壁に貼っておいてもいい。
スマホでは小さい。
タブレットやノーパソでは開くまでにかかる。
枕元で見ながら先に寝ても、ずっとそこにありつづける。
いつでもどこでも永遠に見れる、紙を利用することだ。
その紙を折って、削るところをシミュレーションしてもいい。
ブロックを入れ替えるシミュレーションをしてもいい。
ストーリーの変更をしたり、
新しい要素を付け加えてもいい。
とにかく、
一覧できる地図を常に持ち歩く。
そうすればいつの間にか、ストーリーは形になってゆく。
どこかのノートに部分を書き散らしていても、
アイデアを箇条書きにしていても、
設定の一覧表を書いていたとしても、
「ストーリーの全体の一枚の地図」は、
常に見ておくこと。
三日。一週間。一か月。半年。一年。数年。
とにかくたった一枚にまとめた、
(何バージョンかある)その全体像を、
いつもいつも眺める。
毎日十回二十回見る。
そうすると、いつもそのストーリーを考える癖がつく。
ああするとどうなるか、自分はどこができていないのか、
ここは前のバージョンのほうがよかったのではないか、
あとどこを埋めれば完成なのか。
部分と全体の関係。
サブプロットの足し引き。
シーンの順番。
一枚の地図は、試行錯誤すればするほど頭の中にしみこみ、
そのうちそれを見なくてもストーリーの全体が頭の中に入る。
頭に、というよりは、体の中に、という実感だけど。
僕はよく一人飯のときに、
ずっとこの全体図を見て、部分のことや全体のことを考えている。
汁や跳ねた油がついても気にしない。所詮使い捨ての紙である。
ぼろぼろになるまで見たりしない。
たいがい何か思いついて、
何かを変更して、
しょっちゅう新しいバージョンに変わっていくからだ。
その一覧できる地図のいくつかのバージョンは、
定期的に見返して、
前にあったけど忘れてしまっているアイデアをサルベージするときに使う。
アイデアノートは別につくる。
たまってきたら常に持ち歩ける量ではなくなる。
だがいつも見る用の一枚地図だけは、常に持っている。
その話は、いったいどういう話か?
全体像を最初に固定するのは、あなただけである。
(ブレイクシュナイダーのカード法に少し似ている。
日本の狭い事情に合わせて、A4一枚という手法なのかもしれない)
2017年08月10日
この記事へのコメント
コメントを書く