一本考えるのもしんどいのに、たくさんも?
デメリットも沢山あるけど、メリットを先に述べよう。
「ふたつ(以上)を比較することで、
これに何が足りないか、何を思いつけば完成か、
分析できる」だ。
ストーリーというのは、
出来る順番はバラバラだ。
核になるものが出来て広がってはいくけど、
その核がストーリーの真の核とも限らない。
(過去記事参照)
そしてどこ方面にストーリーが出来ていくか、
作者すらコントロールは出来ない。
紙に落としたインクが、どっちにどう広がっていくか、
予測できないことに似ている。
(ストーリーというのは自由意思で作っていると錯覚するが、
ほんとうは紙に広がるインクのような、
自然現象かもしれない)
だから、複数のストーリーの出来上がり方は、
毎回毎回バラバラだ。
ということで、複数のストーリーを同時に考えていると、
その出来上がり方の比較が出来る。
何から思いついたのか、
テーマか、キャラか、場面か、トップシーンか、
セリフか、デザインか、モチベか。
それはなんでもいい。
出来る順番が違うということを理解するといい。
で、途中まで組上がったとき、
こっちは第一ターニングポイントが出来ているがこっちは弱いとか、
こっちはサブプロットが複雑だがこっちは足りないとか、
こっちは情だがこっちは理性が強いとか、
こっちは強烈なキャラがいるがこっちはいないとか、
こっちはクライマックスにアイデアがあるけどこっちはないとか、
そういう比較が出来るようになるわけだ。
既に出来上がった完璧な作品と比べると、
「あれも足りないこれも足りない」と焦るばかりだけど、
足りてない同士だから、そこまで焦らなくてよくなる。
なので、
「私はこのストーリーについて、
(足りていない)○○を、次に思いつくべきだ」
という優先事項を分析できるのだ。
(経験的にトゥドゥリストにまとめても、
まとめなくてもいい。
トゥドゥリストを作ると仕事みたいになって義務化して嫌がるか、
備忘録として活用するかの違い)
意識の中で、ふたつのストーリーを重ねて透かす、
みたいなことだ。
紙に書いたものを透かすのがベストだけど、
大きさと位置が合わないと透かしても意味ない。
なので、そのようなものをイメージするだけでいい。
どっちも充実してるパートは濃い影になる。
どっちかがあってどっちかがないと、薄い影になる。
どっちもないところは白。
ああなるほど、こっちはこれがなかったわ、
どっちもまだ○○が出来てないわ、
とセルフチェックが可能だ。
ストーリーを俯瞰できる地図をつくる。
途中状態でも。
で複数のそれらを比較する感じ。
どっちも最初10分ぐらいしか出来てない場合は、
あまり意味がないけれど、
半ばくらいあるときは、どこかが歯抜けになっているので、
それを自覚して集中的にそこに取り組む、
という方法においては、
この比較は役に立つ。
複数のストーリーを同時に考える、
デメリットのほうは沢山ある。
・書けなくなったら別のストーリーに現実逃避してしまい、どれも完成しない
・複数が混ざる
・全体でひとつの作品になってしまい、個々を独立作品として見たとき、
たいして面白くない(マーベルシネマティックユニバースがそうなりかかっている)
・あれはあれ、これはこれ、と自分の中で使い分けてしまい、
各作品の自由闊達さが失われる
・ネタ被りを避けるあまり、上のことを言い訳にしてしまう
・結局どれも面白くないときの絶望
・毎回同じパターンになる自己嫌悪、いやこれは作風という開き直りで客観性を失う
・ざっくりいうと、どっちつかず
などなど。
メリットとデメリットを知りながら、
使いこなしていくといいだろう。
2017年08月17日
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