カナ入力系、親指シフト系の中でも、
一番運指がいいという飛鳥配列を体験して、
ブラインドタッチでは打てるようになったから分かること。
カナ入力は本当に合理的かなあ、
という素直な疑問。
2文字の連接を考える。
あるカナからあるカナへの、
連接の組み合わせは80×80=640通りだ。
(五十音だけじゃなくて、
濁音半濁音、小かななどがあるため約80音ある。
濁点後置や拗音一打の系列もあるけど、
飛鳥配列や親指シフトの約80音を基準としておこう)
ローマ字系列、とくに行段系ともなると、
子音から子音の組み合わせと、
母音から母音の組み合わせは独立だ。
カタナ式の場合、
子音は7キー濁音6アルペジオ2の計15、
母音は五母音とYんーの計8。
つまり、
14×14+8×8=289通りの運指があるということになる。
カナ入力の640に比べて半分以下なのは、
まあ予想通りだ。
これをもって、カナ入力はさして負担がないから、
最初に苦労して覚えればあとで得する、
という論が立てられてきた。
でも僕は、これが間違いだと感じている。
なぜなら、
運指というのは、2文字で終わらないからだ。
一気にダラッと打ち込むのは、
数文字から10文字以上だ。
たとえば、「いっきにだらっと」とか、
「いっきにだらっとうちこむ」まで一気に打ち込む。
運指というのは、
そういう流れのことだと僕は思う。
仮に、10文字の言葉の運指を比較しよう。
カナ入力は、80^10通りの運指が存在することになる。
カタナ式なら、14^10+8^10通りの運指だ。
そう。仮に2連接の組み合わせが倍違っていても、
10連接の組み合わせは、それが累乗で効いてくるのだ。
勿論、言葉というのは、
その10連接のあり得る組み合わせのごく一部だろう。
しかし、僕が言いたいのは、
マスターしなければならない流れの運指が、
カナ入力は組み合わせ爆発的に増えてしまうことである。
もっとも、数文字打っては変換確定していけば、
10連接というのを避けることは出来る。
でもさ、考えながら書いてるとき、
20文字くらいは勢いで打つよね。
ちなみに、
カナ入力とカタナ式の10連接の運指組み合わせは、
それぞれ、
9×10^18と3×10^11ぐらいである。
理系ならこの数字を見れば、7桁差があるということがすぐにわかる。
つまり、100万倍差がある。
累乗というのはおそろしいねえ。
運指は、カナ入力のほうが広大にある。
つまり存在密度が薄い。
逆にいうと、
カタナ式はカナ入力の100万倍運指が濃い。
10文字連接を練る上で、
実際にはそこまで差がないかも知れない。
全組み合わせを練らなければいけないわけではないだろうからだ。
実際、あるカナの次には○○は来ない、
みたいな法則は多少あるだろうから、
仮に連接あたり半分になったとしても、
2^10で割って、
1000倍程度の開きがあることになる。
100万倍の開きはカナ入力への言いがかりのようなものだから、
じゃあ1000倍の開きとしようか。
1000倍の、運指の薄さと濃さの差だ。
カナ入力は、カタナ式に比べて、
1000倍打たないと、同等に運指を練れない、
と言い換えてみる。
それってさ、初期投資として多すぎない?
リターンが1000倍ないと釣り合わないよな?
長い目で見ても1000倍釣り合うかなあ?
と、カナ入力に疑問を呈してみるわけだ。
同じ結果を出すのに、
コスト1対コスト1000。
スピードは同じになるらしい。
楽さでいうと打鍵数が1.7:1。2:1でもいいよ。1000と桁が違いすぎ。
割に合ってるの?カナ入力?
コストパフォーマンス悪すぎじゃね?
ローマ字の運指ほど練らなくていいのなら、
コストはまた下がるかも知れない。
いずれにせよカナ入力は、
8指の運指が滑らかに練れている人だけのもの、
上級者向けであることに変わりない。
それ以外の人には、導入コストが高すぎる。
その累乗コストを払わないためには、
数文字(たとえば一文節)打っては変換確定しなきゃいけなくなる。
それならローマ字のままのほうがいいじゃん、
ってなっちゃうよな。
十分に運指がスムーズにいく上級者運指になるためには、
初心者の払うコストには釣り合わないと、
この組み合わせ爆発を見ながらぼーっと考えた。
親指シフトや各種カナ配列を使ってるのは、
一部の好事家でしかないのかも知れない。
まあ僕も飛鳥配列を覚えたので、
踊る阿呆ではあります。
頻出Nグラムとかやりはじめると、
組み合わせが膨大すぎて統計も取れない。
数学的に解法があるというわけでもなさそう。
結局僕は、
使うキーを減らしていって、
運指パターンを減らす合理(枝刈り)に目覚めたわけだ。
組み合わせ爆発はこわいね。
2017年08月25日
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