電気も、食料も、給料も、愛情も、
安定供給が世の中の前提である。
地球が太陽を回って、季節が巡ることと関係してるかも知れない。
これらが不安定な供給になったら、
生活の基盤が崩れる。
娯楽はどうだろう。
あなたは一定以上のクオリティーの作品を、
一定周期で生めるだろうか?
アマチュアのときには考えもしなかったことが、
プロの世界になるとやってくる。
思いつくまで出来ない人は、
おいてけぼりにされる。
生涯で一回だけラッキーパンチを当てた人は、
すぐに枯渇する。
娯楽産業は芸術ではない。
正確に言うと芸術を安定供給する。
純粋な芸術ならば、思いつくまで待つ。
ある日雷が落ちてくるのを待ち、
落ちてきたら書く。
雷が落ちないなら、一生待ちぼうけだ。
それで後世に残る素晴らしい芸術を作れれば、
僕はそれでも構わないと思う。
人生観の問題だ。
一方、プロというのは、雷待ちは出来ない。
定期的に我々は企画を書き、
色々な所で定期的に何かをしなければ、
食料の安定供給が保たれないのだ。
さて。
その為に何をするといいのだろう。
沢山映画を見たり、本を読んだり、
演劇を見たり、音楽を聞くといい。
これは昔からある方法だ。
雑学を集めるのもいい。
過去の新聞を見て、気になる実在の事件を探すのもいい。
他人と雑談したり、人生で辛い目にあったり嬉しい目に遭うのもいい。
それだけ?
それだけ。
安定供給出来るかどうかは、
要するに数を常に出せるかどうかということ。
これは若いうちに訓練しておかないと難しい。
柔らかい頭で、次々に発想のギアを変えていく練習をしておかないと、
なかなかそれを学ぶことは出来ない。
最初から出来る人もいるけど、
浅く広くになりがち。
浅く広く、よさげなやつは深く掘る。
また浅く広く、よさげなのを見つけて深く掘る。
その平行移動と垂直移動が出来ないと、
安定供給は難しいだろう。
石油を掘るのと同じかもね。
平行移動しないと枯渇するし、
深く掘らないと使い物になるかどうか分からない。
石油探索犬なら、ここ掘れワンワンっていうだけでいいけど、
(トレンドセッターとか、雑誌的網羅とか)
我々は、そこから使い物になるお宝をもって帰らないとだめだからね。
昔は本屋でそういう情報が仕入れられた。
チョイスが吟味されている本屋を見つけて、
そこをハシゴすれば大体わかった。
今はネットが膨大すぎて、
トレンドと呼べるほどのものが生まれにくくなっている。
少量多品種の行き着く先だ。
本屋は壊滅しつつあり、情報が揃うということは、
あまりなくなってしまった。
つまり、ネタが安定供給されなくなっている。
こういう時代だからこそ、
「自分の知らないところに首をつっこむ」は、
重要かも知れない。
でもそれが得意なのは、リア充だろうね。
どのような方法でも構わない。
ネタを片寄りなく安定供給されるように環境を作ろう。
世界に触れよう。深く、浅く広く。
それでも作品のクオリティーを安定供給出来ないなら、
それは才能の問題か、
練習が足りてないだけだ。
僕はすぐ100本とかスパルタな数を出すことを勧める。
それはそういう練習をしろということ。
たとえばプロット出し100本やれば、
自分の今の打率がわかる。
全てはその打率を上げる練習からだ。
安定供給出来るプロというのは、
10打席10ヒットのことだ。
(振り逃げとか反則もちょっとならOK)
過半数を割ったとき、人は離れていくよね。
2017年08月31日
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