さらに研究が進み、速くかつ疲れない机上の置き方ができた。
先に結論だけ。
1. パームレスト板
(幅キーボードと同じ28センチ強、厚み1.5センチ、奥行き4センチ)を置き、
その奥へりに、キーボードの手前だけをのっけて奥チルトに。
2. パームレストの前面と、机の前面を合わせる。
3. 手のひら位置は、パーム板の手前へりに、のっける。
角に乗っける感じで、水平にベタ置きしないこと。
その為に、板の奥行きは狭いほうがいい。狭すぎても置きにくいけど。
「手首を浮かすべきか」「手首をベタ置きすべきか」
という長年の論争に対して、
「止まり木のようにする」という折衷解だ。
タイピングは手首を浮かして打鍵するべきだ、
というのが昔から教本にはあるそうだ。
しかし僕は長年Macユーザーだったので、
手首は机にベタ置きするスタイルだった。
そのほうが楽だからだ。
手は案外重い。前腕も含めればさらに。
これを浮かし続けるのはしんどい。置いとくと楽。
手首の回転で横移動も出来るし。
以前の机上打鍵法までは、この考え方を踏襲してきた。
パームレストに手首をベタ置きしたまま、
前滑り打鍵法を駆使するという考え方だ。
だが親指シフトの動画(過去記事参照)を見て、
手首を浮かしたままだとこんなに速いのかと目から鱗だった。
しかし、何もなしで浮かせ続けて数時間も持つはずがない。
たぶん30分で音をあげる。
僕はプロの仕事に使いたいのである。
なんなら4時間ぶっつづけとかやりたい。
一日中8時間作業にも使いたい。
何かないだろうかと色々さ迷っていたら、
パソ活さんの美しい打鍵動画を再発見することになる。
この方はローマ字なんだろうけど、
押下圧30グラムの非常に軽いキータッチを使っていて、
華麗で軽い指捌き。僕の約1.5倍の速度だ。
(実はひそかに目標にしていて、ときおり見ては観察している)
で、それを見ていてとある発見をした。
手のひら固定ではなく、どうも手首(脈をはかるところ)を、
パームレスト(リストレストといって良い)で固定しているような、
手さばきだということ。
リスト固定なら、前腕が楽だし、手首を自由に曲げて使える。
これはいいぞと。
手首を自由にする。
これがそもそも「手首を浮かせる」意味だと考える。
これが何に効くかというと、
「上下段の指移動が楽になる」なのだ。
カタナ式は特に左右移動を各指がしない配列である。
指は各キーを打つか、段移動しかしない。
僕は前滑りという各キーのことは考えていたが、
段移動の連接まで考えていなかったというわけだ。
手首関節を上下させることにより、
指はもうひとつ関節を持つようなもの。
これによって、段移動がとても楽になる。
段越えのときは勿論、上段中段、中段下段の移動もだ。
これが手首べた置きだとすると、
段移動は指の力だけでやることになり、
負担がかかっていたということ。まずその負荷分散ができると考えた。
実は最近、ミスタイプが一定量発生するのに悩まされていた。
習熟の問題だろうと考えていたのだが、
この手首を自由にする方法によって、
劇的にミスタイプを減らせたのがさらなる発見だった。
ということは、ミスタイプの原因は、
「脳から指の神経回路、あるいは脳を介さない反射経路の習熟」の問題ではなく、
関節がひとつ足りないことだった、
という仮説が立てられることになる。
「手首を自由にさせる」派の主張は、なるほどこれかと、
なんとなく手で理解できた。
で、しばらくパームレストをだいぶ手前に持ってきて、
リストレストとして使っていた。
ここで、手首ベタ置き派の主張する問題にぶち当たる。
すなわち、「手首を自由にすると、打鍵が浮わつく」のだ。
関節の自由度が増えて、一意にキーを押す感覚ではなくなる。
これが高速打鍵時に厄介であった。
軽いキーボード(押下圧45グラム)なので、
それは余計そう思えたのかも知れない。
で、悩んだ末に、冒頭の止まり木方式にたどり着いた。
パームレストの手前面を、机の手前面と合わせるのがこつ。
こうすると机で手首がベタ置きになることはない。
はじっこの90度の角で、手のひらがベタ置きでもなく浮いているでもない、
仮固定のような状態を作ることができる。
(パームレストが滑るので、下にゴムを引くとよい。
僕は100円ショップで買った、ハンコの下に置くゴム板を切って使っている)
こうすると、高速打鍵時に手首を自由に上下出来、
かつ浮わつきすぎない手首捌きが可能になったわけだ。
さらにコツを。
わりと椅子を前気味にして、体とキーボードを近づけること。
こうすると両手がハの字気味になる。
これでさらに打ちやすくなる。
机の上に両手をタイピングするように置けばわかるけど、
人差し指側が、小指側にくらべて浮いてしまう。
これをタイピングしようとすると前腕を内旋して、
人差し指と小指の高さを合わせないといけない。
これを内旋させ続けるのに力を要するので、
これを数時間やりつづけると腱鞘炎の原因になりやすい。
ハの字にすると、前腕が自然に内旋する。
指の面がそろうのである。
(カタナ式は小指を使わない為、
それほどに意識しなくてもいいかもだ。
しかし人差し指と中指というメイン二本しかないから、
その高さズレが余計気になるのである)
ハの字を開きすぎると前滑りと相性が悪いので、
それを邪魔しない程度に開くといい。
わりと開き目にして、打って行くうちに角度をちぢめていくと、
ベストの角度が見つかると思う。
(キーがそもそも斜めズレしているので、
左右対称にしては駄目だ。まず左右対称を作って、
キーボードごと左に少しずらすと、なかなかいい感じになる)
普通に楽に座るより、前気味に体をもっていくと丁度いいくらいだ。
モニタの距離を遠ざけて近すぎないようにするといい。
背筋をのばしたほうが楽だけど、ずっと背筋を伸ばしてると疲れるよね。
背筋を伸ばした状態がモニタが一番いい位置にいるように調整すると、
背筋をいやでものばしたくなる。
で、疲れたら手を止まり木に止まらせて、休みながら打鍵していくとよい。
腰も休みながら打って行く。
また、肘置きが適当な場所にある椅子ならば、
同じ角度にすることもできる。
椅子次第なのでここは特にこだわっていない。
高さによっては肘置きが邪魔になることもある。
以前のくさびが必要がなくなり、
キーボードと板一枚でよくなったので、
持ち運びがちょっと楽になった。
今までで、最速でかつミスが少ないタイプの方法論になった。
スペースキーと変換無変換は、あいかわらず逆付けでやっている。
参考にしていただきたい。
まだ見てなかったらこちらの動画が一番観察しやすいかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=C_Jyv6zxQ1o
自分でも再発見したんですが、手首はベタ置きになっていますが、右手は上・左・下方向に結構動くみたいです(たぶんUYHあたりを打鍵するために)。
左手はほとんど手首の位置が動いてませんでした。
ちなみにパームレストはFILCOのレザーパームレストに、ロジクールの大きな布製マウスパッドをジョキジョキ切り取って貼り付けています。布製だと汗のかき具合などにあまり影響されないため、1キー分グイっと寄るくらいの移動ならやりやすいのかなと。
タイプウェル憲法とは、検索の外でした。
パームレストが平らじゃなかったのでずっと気になっておりました。結局自分にあう枕みたいなことですかねえ。
毎パソの動画は研究用によく見ています。
一回の手首を降ろす動きで数キーまとめうちする技を真似してみたり。
動画をじっくり研究してみます。