2017年09月15日

豊かな発想の基礎は、連想能力

なんでこんなの思いつくんだ、
これ以上思いつくことなんてできない、
という苦しみは、ほとんどの人が味わったことがあると思う。

どうすれば柔軟な発想になれるのか?
どうすればすっとんきょうなことを思いつけるのか?

僕は、連想能力だと思う。


連想には、実はふたつあると僕は考える。
・ある点から連想を広げていく、(ふつうの)連想。
これをスプレッド連想としよう。
・枠組みをずらす、枠組み自体の連想。
これをフレーム連想としよう。

ドラマ風魔の例で。

ドラマを作るに当たって、
最初のほうに、どういう枠組みにするかを考えた。
ドラマには二種類ある。
連続ものと、パターンものだ。
僕は原作の、
「白凰学院再興のための助っ人」という設定が好きで、
その後単なる忍者ものになってしまったのを、
どうにかしたいと考えていたから、
「部活対決」のパターンで作ってみたいとまず考えた。

ここから連想の話。

「助っ人に入る部活」をたくさん連想する。

野球、サッカー、テニス(これは原作にある)
ラグビー、アメフト、陸上、
水泳、ハンドボール、バスケ、バレー、卓球、
柔道、剣道、空手、ウエイトリフティング、ラクロス。

これらはスプレッド連想である。
「部活といえば」に答えていけばいい。
スポーツ漫画や、自分の学校にあった部活、
聞いたことのある部活を連想していけばいい。
たとえばオリンピックの種目を思い出したり、
テレビの中継を思い出してもいい。

ハードル、マラソン、駅伝、棒高跳び、
スキー、ボブスレー、スキージャンプ、射撃、
などなど、部活としてはあんまり聞いたことなくても、
「そういう部活がある」と設定されれば、
ふんふんとなるものばかりだろう。

ここいらまでは、普通の連想法の範疇だ。
細かくいうと、フレームをふたつ使っている。
「部活といえば」
「テレビで見るスポーツといえば」
だ。

後者を進めれば、
モータースポーツ、ボート、ボルダリング、登山、
サーフィン、ヨット、自転車、競技カルタ、
鳥人間、パルクール、新体操、
などなどに発想を広げることができる。
部活としてはあんまりないだろうけど、
あっても無理はないだろう。


ひとつのフレームを設定して、
ひたすらスプレッド連想をする。
一通り掘り尽くしたら、
フレームそのものを別のものを思いつく。

連想は実はこの繰り返しだ。

新体操が出た(タッチ世代が連想しない訳がない)ところで、
「なにも男子スポーツばかりではない」ことに気づくわけだ。

男子スポーツ/女子スポーツに、枠組みを変えてみるわけだ。

新体操、シンクロ、フィギュアスケート、ペア、
女子サッカー(なでしこ)、ソフトボール、
女子バレー、女子水泳。
ふむ。画面が華やかになって面白そう。
いや、どうやって潜入すんの?水着やレオタード?
これはいいギャグの匂いがぷんぷんする金鉱脈だぞ、
と思い、○をぐるぐるつけておくわけだ。


別のフレームを考える。
「部活はスポーツ部だけではない」と。
「文系部活」は?

天文部、将棋囲碁部(チェス部わすれてたー!)、
麻雀部、手芸部、文芸部(ミステリー部、SF研、アニメ研)、レゴ部、
ロボットコンテスト部、パソコン部。

絵柄が面白そうになればなんでもいい。
しかし大会や試合がなさそうだね。

で、「試合がなくてもいい」という次のフレームから、

生徒会、応援団、なんて連想も湧くし、
文化祭、体育祭、臨海学校、林間学校、
バレンタイン、クリスマス、大晦日、正月、夏休み、春休み、
新入学、クラス替え、卒業式、
なんてイベントものの連想もやってくる。

なにも部活でなくても、夜叉に襲われて風魔が撃退できればいいか、
とフレームを広げて考えるわけだ。

しかし、部活縛りをしたほうが、13話しかないんだから、
締まるかな、などとは考えておき、横にメモをする。
ネタが切れたときに頼ろうと。
(そして応援団は、10話にサルベージされることになる)


さて。

またまた別のフレームを発想する。
「それぞれのキャラが忍ぶとしたら、なに部活か?」
霧風は、まず間違いなく水ものだろう。
水泳、レガッタ、水泳メドレー、遠泳、シンクロ、
水球、ダイビング。

さあここでもう名作シンクロが出てきているわけだ。
そもそも「水球は審判の見てない水面下で足を引っ張ったりする」
ということを知っていたから、
「水面下で足を引っ張るのは面白い」と考えた。
仮に水泳部にしてみる。
たとえば背泳ぎで背後から妨害するのは面白そう。
実際、姫子役の川原は元水泳部なので、
1話と同様姫子を助けるパターンが最初考えられた。
姫子の水着姿。うむ。最高。

しかしながら、「シンクロの足を引っ張ると、すごい面白い」
という発想をこのときにしてしまったんだなあ。
レガッタのボートの下にくっつくよりも、
背泳ぎの背後にいるよりも、
シンクロの絵柄が面白すぎたわけだ。

麗羅は当然火関係にフレームをとり、スプレッド連想。
キャンプファイア(文化祭?キャンプ部?)、
料理部、鍛治部、消防隊などがでた。
キャラ的にも料理部だろうね。(のちパティシエ部に)

劉鵬は黒獅子と夢のパワー対決をさせたかったので、
力持ち関係にフレームをとる。
相撲部、ウエイトリフティング部、土方のバイト、
などがあったと思う。(色々あって柔道部に)



ここまでスプレッドを作っておけば、
あとは並び替えや調整の段階になるというわけだ。


スプレッド連想は、子供の発想である。
言葉遊びや、概念の繋がりを広げていく。
○○といえば、で広げていけばいい。
柔軟な発散思考が出来ればOKだ。
そのためには普段から広く浅く見識を広げていくといい。
雑学なんかも僕は大好きだ。

一方、フレーム連想のほうが難しい。
いかに別のところから物事を見るか、
(枠組み:フレームの設定)が重要だ。

ここに、常識外からのものの見方、
こういう見方があったのか、
という連想がある。
逆を考えるとか、その外を考えるとか、
その前や後を考えたりするのは、
フレーム連想のパターンの一種だよね。


常にスプレッド連想をする。
掘り尽くしたら、
それがどんなフレームで行われた連想かを考え、
また別のフレームを考え、そこを掘る。
フレームの考え方を掘り尽くすまで、掘り尽くす。

たぶんこれが正しい、連想的発想法だと思う。
参考までに。
posted by おおおかとしひこ at 12:29| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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