なんでこんなの思いつくんだ、
これ以上思いつくことなんてできない、
という苦しみは、ほとんどの人が味わったことがあると思う。
どうすれば柔軟な発想になれるのか?
どうすればすっとんきょうなことを思いつけるのか?
僕は、連想能力だと思う。
連想には、実はふたつあると僕は考える。
・ある点から連想を広げていく、(ふつうの)連想。
これをスプレッド連想としよう。
・枠組みをずらす、枠組み自体の連想。
これをフレーム連想としよう。
ドラマ風魔の例で。
ドラマを作るに当たって、
最初のほうに、どういう枠組みにするかを考えた。
ドラマには二種類ある。
連続ものと、パターンものだ。
僕は原作の、
「白凰学院再興のための助っ人」という設定が好きで、
その後単なる忍者ものになってしまったのを、
どうにかしたいと考えていたから、
「部活対決」のパターンで作ってみたいとまず考えた。
ここから連想の話。
「助っ人に入る部活」をたくさん連想する。
野球、サッカー、テニス(これは原作にある)
ラグビー、アメフト、陸上、
水泳、ハンドボール、バスケ、バレー、卓球、
柔道、剣道、空手、ウエイトリフティング、ラクロス。
これらはスプレッド連想である。
「部活といえば」に答えていけばいい。
スポーツ漫画や、自分の学校にあった部活、
聞いたことのある部活を連想していけばいい。
たとえばオリンピックの種目を思い出したり、
テレビの中継を思い出してもいい。
ハードル、マラソン、駅伝、棒高跳び、
スキー、ボブスレー、スキージャンプ、射撃、
などなど、部活としてはあんまり聞いたことなくても、
「そういう部活がある」と設定されれば、
ふんふんとなるものばかりだろう。
ここいらまでは、普通の連想法の範疇だ。
細かくいうと、フレームをふたつ使っている。
「部活といえば」
「テレビで見るスポーツといえば」
だ。
後者を進めれば、
モータースポーツ、ボート、ボルダリング、登山、
サーフィン、ヨット、自転車、競技カルタ、
鳥人間、パルクール、新体操、
などなどに発想を広げることができる。
部活としてはあんまりないだろうけど、
あっても無理はないだろう。
ひとつのフレームを設定して、
ひたすらスプレッド連想をする。
一通り掘り尽くしたら、
フレームそのものを別のものを思いつく。
連想は実はこの繰り返しだ。
新体操が出た(タッチ世代が連想しない訳がない)ところで、
「なにも男子スポーツばかりではない」ことに気づくわけだ。
男子スポーツ/女子スポーツに、枠組みを変えてみるわけだ。
新体操、シンクロ、フィギュアスケート、ペア、
女子サッカー(なでしこ)、ソフトボール、
女子バレー、女子水泳。
ふむ。画面が華やかになって面白そう。
いや、どうやって潜入すんの?水着やレオタード?
これはいいギャグの匂いがぷんぷんする金鉱脈だぞ、
と思い、○をぐるぐるつけておくわけだ。
別のフレームを考える。
「部活はスポーツ部だけではない」と。
「文系部活」は?
天文部、将棋囲碁部(チェス部わすれてたー!)、
麻雀部、手芸部、文芸部(ミステリー部、SF研、アニメ研)、レゴ部、
ロボットコンテスト部、パソコン部。
絵柄が面白そうになればなんでもいい。
しかし大会や試合がなさそうだね。
で、「試合がなくてもいい」という次のフレームから、
生徒会、応援団、なんて連想も湧くし、
文化祭、体育祭、臨海学校、林間学校、
バレンタイン、クリスマス、大晦日、正月、夏休み、春休み、
新入学、クラス替え、卒業式、
なんてイベントものの連想もやってくる。
なにも部活でなくても、夜叉に襲われて風魔が撃退できればいいか、
とフレームを広げて考えるわけだ。
しかし、部活縛りをしたほうが、13話しかないんだから、
締まるかな、などとは考えておき、横にメモをする。
ネタが切れたときに頼ろうと。
(そして応援団は、10話にサルベージされることになる)
さて。
またまた別のフレームを発想する。
「それぞれのキャラが忍ぶとしたら、なに部活か?」
霧風は、まず間違いなく水ものだろう。
水泳、レガッタ、水泳メドレー、遠泳、シンクロ、
水球、ダイビング。
さあここでもう名作シンクロが出てきているわけだ。
そもそも「水球は審判の見てない水面下で足を引っ張ったりする」
ということを知っていたから、
「水面下で足を引っ張るのは面白い」と考えた。
仮に水泳部にしてみる。
たとえば背泳ぎで背後から妨害するのは面白そう。
実際、姫子役の川原は元水泳部なので、
1話と同様姫子を助けるパターンが最初考えられた。
姫子の水着姿。うむ。最高。
しかしながら、「シンクロの足を引っ張ると、すごい面白い」
という発想をこのときにしてしまったんだなあ。
レガッタのボートの下にくっつくよりも、
背泳ぎの背後にいるよりも、
シンクロの絵柄が面白すぎたわけだ。
麗羅は当然火関係にフレームをとり、スプレッド連想。
キャンプファイア(文化祭?キャンプ部?)、
料理部、鍛治部、消防隊などがでた。
キャラ的にも料理部だろうね。(のちパティシエ部に)
劉鵬は黒獅子と夢のパワー対決をさせたかったので、
力持ち関係にフレームをとる。
相撲部、ウエイトリフティング部、土方のバイト、
などがあったと思う。(色々あって柔道部に)
ここまでスプレッドを作っておけば、
あとは並び替えや調整の段階になるというわけだ。
スプレッド連想は、子供の発想である。
言葉遊びや、概念の繋がりを広げていく。
○○といえば、で広げていけばいい。
柔軟な発散思考が出来ればOKだ。
そのためには普段から広く浅く見識を広げていくといい。
雑学なんかも僕は大好きだ。
一方、フレーム連想のほうが難しい。
いかに別のところから物事を見るか、
(枠組み:フレームの設定)が重要だ。
ここに、常識外からのものの見方、
こういう見方があったのか、
という連想がある。
逆を考えるとか、その外を考えるとか、
その前や後を考えたりするのは、
フレーム連想のパターンの一種だよね。
常にスプレッド連想をする。
掘り尽くしたら、
それがどんなフレームで行われた連想かを考え、
また別のフレームを考え、そこを掘る。
フレームの考え方を掘り尽くすまで、掘り尽くす。
たぶんこれが正しい、連想的発想法だと思う。
参考までに。
2017年09月15日
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