リライトをするとき、何かを挿入しておきたくなるよね。
ABCという一連の中にDを挿入するとしよう。
どこがベストなんだろう?
それは結局、元のABCが、どういう構造をしているか、
DがABCとどういう関係を持っているかで決まる。
ABの関係が強いとき
正解は、
D-AB-C
AB-D-C
AB-C-D
のどれかだ。
BCの関係が強いとき
正解は、
D-A-BC
A-D-BC
A-BC-D
のどれかだ。
関係が強い、というのは、
そこが連続していたほうが、
わかりやすい、面白い、
といったものを指す。
DとABCの関係で言うと、
何かを知ったあとにDが来た方がよい
(たとえばネタバレになってしまう、
逆に変な伏線になってしまう、
あるいは、のちのちの初出が効かなくなるなど)ならば、
Dは後半の方が正解だろう。
逆にDを前の方に挿入することで、
そのあとのBC部は、D前提の部分を削除することが可能になるだろう。
文章は、理系の回路設計に似ている。
基本的には積算すれば文意が出るはずなのだが、
実戦ではそうではない。
言う順番が変わることで、
省略法が異なってくる。
それは、「一回言ったことは、もう一回言わなくていい」
というルールが働いているからだ。
冗長のカット、とでも名付けておくか。
流れるような文章は、
この冗長が適宜カットされている。
逆にわざとカットを刈り込んで、
想像に任せられるようにまでする場合もある。
(上級者テクニック。初心者がやると単なる説明不足)
だから理系的に言うと、
文意は、文に対して非可換である。
文意≠Σ文、文1+文2≠文2+文1
これを、可換、すなわち、
文意=Σ文、文1+文2=文2+文1
と誤解してしまうと、
「とりあえずこのへんに挿入しとけ」
という安易な挿入が行われて、
流れはメタメタになってゆく。
情報の「広がる順番」こそが大事なのであり、
「全部終わったあとに情報が揃っていること」が
重要なのではない。
揃っていないことで不安になり、
揃うように挿入して補うことで、
流れるような情報の広がる順番がおかしなことになり、
「つまらないもの」になる確率は、
非常に高い。
ほんとうに、そのDの挿入はそこ?
流れを考えて投入タイミングをはかろう。
2017年09月17日
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