2017年09月17日

挿入したあとの削除に気を付けること

前記事の続き。


挿入したときに、やっぱ削除かな、
と思うことは、リライトにおいてはよくあることだ。

しかしこのときに気を付けることがある。

Dを挿入したときに、
「一度言ったことは、もう一回言わなくていい」
挿入したときに、やっぱ削除かな、
と思うことは、リライトにおいてはよくあることだ。

しかしこのときに気を付けることがある。

Dを挿入したときに、
「一度言ったことは、もう一回言わなくていい」
というルールを適用し、
BCあたりから削除してしまったことを、
もう一回復活させることである。


これを忘れていると、
なにがなんだか分からない文脈が出来上がってしまう。
一個ならまあ考えやすいから、
それを忘れることもない。
あるいは、挿入してリライトしたばかりの時なら、
すぐに元に戻すことを忘れないかもしれない。

問題は、挿入や削除をくり返し、
ぐちゃぐちゃになってしまったものの復元だ。

Aを挿入したことで、DFHから何かを削除し、
Eを挿入したことで、HIから何かを削除し、
Jを削除するので、それの伏線をACから削除し……
なんてのを繰り返しているうちに、
「一回言ったことは、もう一回言わなくていい」
どころか、
「何回も同じことを言ったり、
一回も言ってないことを前提にみんな動いていたりする」
なんておかしなことが起こってしまう。

もっとも直している本人は、
全状態を把握してしまっているから、
初見の人が変に思うことに、気づけなかったりするという訳だ。

それは、何回も直してしまったことが、原因だ。
しかし何回も直し、完成度を上げていくことが脚本である。
ということは、
直しが悪いのではなく、
直しが複雑化したとしても、
対応できないあなたがヘタなだけである。

挿入と削除。
簡単なようでいて、ちゃんとやるのは本当に難しい。
「え? 書いた奴をペーストしたり、
範囲指定してカットするだけじゃないの?」
なんて考えている人は、
デジタルに毒されていて、
初見の人の把握を忘れている。
気を付けることだ。

(オススメは、たまに印刷して一気読みすること。
こうすると初見の人の気持ちがよくわかる。
毎回やりすぎているとよくないので、
大きな直しをしたときに、
気分転換に一気読みをするといいだろう)
posted by おおおかとしひこ at 18:42| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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