2017年09月19日

【カタナ式】行段系は速度が上がってくると、子音母音が逆になるミスがふえる

という話をなんとなくは聞いたことがあったけど、
その原因を(おそらく)つきとめた。


高速打鍵領域では、
行段系は、子音母音が逆になるミスがふえる。
だから行段系は上級者向けではなく、
中級者向けなのだ
…みたいな都市伝説を聞いたことはあった。

でもそうだとしたら、カナ系だって、
左右交互打鍵で
ABと打たなければいけない部分を、
BAと打ってしまうミスがあるはずだ。

問題は行段系カナ系ということにはなく、
左右交互打鍵で左右逆転するミスがある、
ということであり、
行段系は毎回その機会があるから、
目立つということにすぎないだけだ。
(機会が多いことは欠点である、
と即言えるかも知れないが、
交互打鍵によるメリット、
つまりアルペジオをのぞく片手二打より速く打てる、
という点を見逃すわけにはいかないだろうね。
これは左右交互打鍵のトレードオフだと思う)

で、
落ち着いてないときの打鍵は、
鏡像反転したりすることが、
まれによくある。
左右交互打鍵のミスは、それかなあなんて仮説を立てていた。

なんせミスを人為的に再現するのはなかなかに難しい。
僕は時々自分の打鍵を画面録画して、
あとでミスを分析したりしている。
でも画面録画では、そのときの心理までなかなか類推できない。
一応内蔵マイクをオンにして、打鍵音だけは拾ってるけど。

で、最近発見したのは、
たとえば、
「右手の勢いが左手を追い越す」と、
それが起こることがわかってきた。


行段系の入力では、初期の頃は、
タラッ、タラッ、タラッ、と、
子音母音のセットで一文字ずつ打っていくものだ。
これが慣れてくると、
タラ、タラ、タラ、と、
母音終わりから次の子音までの時間が短くなって行く。

とくに打ち慣れた言葉単位なら、
タラタラタラタラタラタラ、と、
子音→母音と、母音→(次の)子音の、
間隔の差がなくなっていく。

ここで例のミスが起こるっぽい。


子音と母音を左右に分離させた行段系では、
左手と右手は独立の動きをしている。
これはカナ系にはない動きで、
ある言葉を打つときに、
左手の動き、右手の動きが別にあって、
それをシンクロさせて打っていく、
みたいな感覚でやっている。

(カナ系でも、左右交互打鍵で打てる言葉の列をピックアップすれば、
なんとなくその感覚がわかるかもだ。
QWERTYローマ字だと、ちびるぞtibiruzoとか。
こういう左右交互がずっと続くのが、左右分離型の行段系の特徴だ)

で、たとえば、
右手の運指のほうが左手の運指より楽だったとき、
左手の運指を追い越してしまうことがあるわけだ。

これが、子音母音逆になるミスの正体だと、
最近わかってきた。


カタナ式だと、
「そういうこと」の「こと」をよくミスる。
右手がo二連打、
左手がアルペジオのktで、
左手の方が速く右手が遅い。
(「っとお」になる。ktoo。ktはアルペジオ促音に認識される)
で、意識して左手をやや待つと、
今度は右手が先走る。
(「おっと」になる。okto)

つまり、子音母音逆になるのはあくまで結果にすぎず、
原因はどっちかの手の運指が、
もう一方の手の運指と、楽さが違いすぎるときの、
時間差によって生まれている、
というわけだ。


もし、母音子音左右分離型の行段系を使っていて、
母音子音逆ミスに悩まされている人がいたら、
それが原因かも知れないよ。

どうやったって、
いい運指と悪い運指は生まれる。
たくさんの言葉によってそれらは平均化されるけど、
右手と左手の運指のスピードが全然違う言葉は、
要注意ってことだ。

たとえばカタナ式では、
「人々」は両手とも段越え二回の悪運指だが、
左右とも悪運指であることで、
ミスすることは少ない。
一方、「日立」になると、
左手が段越え、右手がアルペジオになるので、
左右のバランスが悪く、ミスタイプしやすくなる、
ということなわけだ。

遅い打鍵では気にならないことが、
速い打鍵では出てくるんだねえ。
対策はいまのところ、「意識してその言葉を練習する」以外にないのが、
つらいところだ。原理的な問題だからね。

そのへん、カナ系では、そうそうあることではないかも知れないので、
この問題に悩まされることはないかも。
(カナ系はそもそも打鍵速度が遅いから、
そこまで問題化しないかもだ)
posted by おおおかとしひこ at 12:34| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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