物語を見るとき、主人公やその他の人物に惚れることがある。
逆に、惚れられる人物を探すのが、
物語を見るときの醍醐味のようなものだ。
で。
あなたの作った物語の中の誰かが、
誰を惚れさせるのだろうか?
最初はそういうキャラクターを作ろうとする。
それは今まで見てきたキャラクターに似たものとか、
混ぜたようなものが多いと思う。
そのうち、ストックも尽きてくる。
僕が数を書けというのは、
これまでのキャラクターをストックを、
尽きさせろということでもある。
なぜか。
それは、借りてきたキャラクターに過ぎないからだ。
熱血で正義感が強い。
クールでニヒル。
最強のライバル。
可憐なヒロイン。
そんなものは、見飽きている。
あなたなりのキャラクターはそこにはない。
オリジナルを作るには、
そのテンプレを捨てなければならない。
だとしたら、あなたのストックが尽きるまで、
これまで見てきたキャラクターたちを消費してしまえばいい。
数を書き終えたとき、
手持ちのキャラクターは残っていない。
ここから、ようやく、
創作の始まりなのである。
その人物は、どういう魅力があるのか?
他に類例のない、
その人物独特の魅力は?
まさか外見ではないだろう。
外見で惚れさせるようなキャラクターなど、
すでに消費しているはずだ。
だからあなたが次に作らなければならないのは、
内面の魅力に溢れた人物像だ。
ギャップはあるだろう。
こうなのにこう、みたいなことを考えるのはなかなか楽しい。
それを書こう。
キャラクターだけではストーリーは生まれない。
ストーリーが生まれるのは、
そのキャラクターが目的達成のためになにかを始めて、
その目的を邪魔するなにかに出会ったときだ。
なにかは別の人物だから、また別の魅力を持ったキャラクターをぶつければいい。
そうしたら、何か揉めるだろう。
どういうときに、どういう言葉をいうのか。
どういうときに、どういう行動をするのか。
それでその人物に惚れ込む場面が書けるだろう。
表情に惚れることもあるけど、
表情や仕草は役者のものだ。
脚本に書かれているのは、
ト書きとセリフ。
つまり行動と言葉である。
そして、書かれてはいないが、
文脈がそこに書かれている。
その文脈で、何を言い、何をどうするのか。
そのセットで、
惚れ惚れする何かを、
あなたは提供しなければならない。
勿論一発勝負ではない。
何回もそういうのがあって、
徐々に惚れ込んでいくのだ。
リアルな人と同じだ。
ちょっといいじゃんと思い、
なかなかいいぞと思い、
ああ、この人好きだなあと思い、
やっぱこの人いいわと思う。
そういう人物と場面を書いていこう。
その文脈こそ、
用意されたプロットである。
プロットの土台の上に、
そんな人物が乗っかるわけだ。
文脈、言葉、行動。
あなたはそれを作って、
生涯忘れられないくらいの魅力の人物を描き、
惚れさせなければならない。
2017年09月24日
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