2017年09月26日

新しい娯楽はいくらでも作れる

原理上は。


ストーリーラインがお決まりのものでも、
キャラクターを新しくすればいいのだ。

たとえば「ボクシングもの」
を作るとしても、
主人公とライバルとトレーナーを、
全然違う組み合わせにすればいい。

主人公:天才だけど練習嫌い
ライバル:努力の塊とか、左利きとか
トレーナー:真面目一辺倒

とかにするだけで、
新しいボクシングものを作ることができる。
これは定番のものの変形なので、
プログラムピクチャーに分類される。

別に原作漫画を借りなくたって、
プログラムピクチャーなんていくらでも作れる。


ストーリーラインやキャラクターが同じでも、
シチュエーションを変えると新しい娯楽になる。
新しい世界を知ることは、興味や好奇心のひとつだ。
ボクシングもののストーリーラインを、
殺し屋にもってきたりすれば、
それだけで新しくなる。
インドのIT業界を舞台にしたっていい。

問題は取材力だ。
「宇宙兄弟」は、綿密な取材からリアリティーをつくった。

以前から時々構想してるやつは、
取材が全然たりてない。北海道にいかなきゃならないので。

電車の運転手の話、
総合格闘家の話、
ラーメン屋の話、
土木建設者の話、
政治家秘書の話。

見たことのない業界はたくさんあるよね。
面白そうだと思ったら、
「脚本家を目指してるんですが」と相談すれば、
話を聞かせてくれたり、
仕事の現場を見せてくれるかも知れない。
そこでしか聞けない悩みや人間関係もあるだろう。
3万5万10万くらい、封筒に包んでおけばいい。

これだけのお金を払うので、
もうちょっと秘密を教えてください、
と踏み込むこともできる。

取材費としては悪くない金額だ。

もし誰かが既に調べていることがあれば、
それをチェックして、そこにないものを探しにいくといい。

エクストリームスポーツ。
競技タイピング。
和菓子職人。
色々あると思うよ。

のだめの人は、宝石の話を描いてるんだってね。
読んでないけど。
その前はコンピューターのクロックのコンテストを題材にしていた。
人間関係が新しくなくて、
ストーリーとしては面白くなかったが。


何を書いても売れ線ではないよ。
売れ線でないことが、
新しいことをするということだから。

新しいことをするからには、
それが売れ線を凌駕する、
強烈なオリジナリティが必要だ。

それにたどり着いたとき、
それは「売れ線じゃないから投資できない」
という抵抗を上回れるのだろう。
(しかし基本オリジナルはやらない、
みたいな流れになっていて、
オリジナルをやるのは漫画と小説だけになりつつあるが。
小説ですら、ネットで既に大人気!の実績がないと出版出来ないらしい。
オリジナルの娯楽とは一体)

原理上はいくらでも作れる。
じゃあいくらでも作りなさい。
10本作れば、当たりもあるよ。
posted by おおおかとしひこ at 12:50| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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