2017年10月02日

なぜ後付けは失敗しがちなのか

書いてる途中に、その場での思いつきで、
後付け設定を足したりすることは、
まれによくあることだ。

しかし大抵これは失敗する。
その場しのぎとしては当座をしのげるが、
のちのち、矛盾を来すようになる。


何故かは簡単なことで、
その一つを説明できても、
それまでのことやそれ以後のことが、
矛盾することが多いからだ。

後付けの設定でうまくいかないのは、
それがあるんだったら、
なぜその前にそうしなかったのか、
になることだ。

宇宙戦艦ヤマトでは、
真田さんが毎回「こうなるかと思って、
○○を用意していたのだ」と、
秘密兵器を出していた。
あるんやったら最初から使えや、
と突っ込まれる矛盾。
明らかに、その場しのぎでの思いつきを、
そのように後付けしたのである。


この矛盾を解消するには、
二つしかない。

その後付けをやめて、
これまでの設定内で面白い展開にするか、
その後付けを認めて、
これまでのことがそれありきだとして矛盾しないように、
全部を再調整することである。

で、前者では思い付けず、
後者をする地味な労力が嫌いな人が、
つまりは安易な人が、
後付け設定でその場をしのいでごまかしてゆく。


壮大な風呂敷を広げて、
うまく畳めない人は、
前のをなかったことにするような、
後付け設定で、風呂敷を別物にしてしまう。
世界をリセットしかねない後付けで。

ファイブスターストーリーズという、
エルガイムの裏設定から始まった物語は、
急にゴティックメードにリセットされてしまった。
後付けの最たる例だと考えられる。


最後まで矛盾しない、首尾一貫したストーリーが出来ていなくて、
書きながら考えようとしていると、
大抵どこかで後付けを足してごまかしていかないと、
うまくいかないことが多い。

ここで前の記事とリンクするのだが、
空白にしてある、思い付かなかったことが、
そうなることが多い。
もし後付けをしなければならないのなら、
最初からそれありきだとして、
頭から矛盾がないか、
毎度毎度丁寧にチェックするべきだ。

「そうだ。言ってなかったけど、
○○ということにしよう」は、危険信号だ。

○○だと最初に言っていれば、最初からストーリーが変わってしまうのなら、
それは間違った設定で、
狼少年にすぎず、
その嘘はすぐにばれる。
posted by おおおかとしひこ at 10:02| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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