全裸待機中なう。
オンエアのころは、9話10話の撮影か編集をしていました。
もう寒くなりかけたころ。村井は前がはだけていて、寒い寒いといってたなあ。
10話の鉄塔の上(陽炎が武蔵に詰め寄った屋上にて撮影)は、
曇っていて、小雨が降り、寒かったのをおぼえています。
そんな中で、僕は第一話オンエアを目撃するために、
家に急いでいました。
近所のコンビニで飯を買い、
そのまま家に直行。
そうそう、あんかけ焼きそばだった。
なので今夜もあんかけ焼きそばを食べてみました。
中華はいつ食っても旨いのだ。
このころはまだツイッターとかなくて、
ネットでの評判は、
2ちゃんを見るかブログ検索をするしかなかったです。
当然この時点では否定的な反応。
でも僕はある種の確信がありました。
ちょっと前に記者発表の場があって、
そこで第一話を特別上映したんです。
みんな爆笑してて、
ああ、オレのコントは間違っていないな、
と胸をなでおろした。
いまさら風魔?といぶかしむのもしょうがない。
でも、やることは決まったんだ、
数ある糞実写化の一例に、
オレの大事な風魔をしてたまるか。
そんな気持ちで臨んでいたことは、
監督メモにも書きました。
僕は伊賀のカバ丸的な、
香取石松的な、初期の小次郎像が結構好きで、
(なんせリンかけでも一番好きなエピソードが、
剣崎がジーザスとやりにいく前に、
石松が決闘を申し込む話なので。
普段おちゃらけてる奴が真面目になる瞬間が、
僕は好きなのかもね。
そのときに真実の瞳が輝くのがね)
それを爆発させることを考えていました。
ギャグは沢山用意した。
そこからの壬生戦は大まじめにやった。
そのギャップこそが、
ドラマ風魔の、ドラマ小次郎の、
魅力になるはずだと考えていました。
村井という逸材を見つけていたし、
蘭子さんも姫子も魅力的だった。
(蘭子の芝居は……まあいいよねもう)
マスコミ試写では、
つかみのドップラー効果でやや受け。
一番の爆笑は、CМ前の女装夜叉三人衆。
さあ、オンエアではどうかな。
たしか、2ちゃんの実況ちゃんねる(tvk)を、
オンエア終わったあとで見返したなあ。
まだガラケーでした。
次の日は漫画喫茶にいって、
死ぬほどブログ検索したっけ。
三時くらいまで2ちゃんの特撮板、ドラマ板、原作板を、
リロードしながら巡回していたっけ。
実は、僕のドラマデビュー作です。
CМやショートフィルムはやってきたけど、
長期にわたるものははじめて。
体力の使い方もわからず、
とにかく必死で、
純粋に面白いものをつくろうと、
躍起になっていました。
情熱、といえば聞こえはいいけど、
ぎりぎりではげそうなプレッシャーでした。
どうなるか。
受けるのか。滑るのか。
全責任は俺。
あんかけ焼きそばの、辛子の味しか覚えていない。
さあ、はじまりはじまり。
中央アルプスってさ、原作準拠なんだけど、
北条氏と風魔と関係ない場所だよね。
どっちかというと秋葉衆の忍びのエリアでさ。
車田節だからいいか。
風魔の里の場所は、
よく特撮で出て来る場所です。
東京から一番近い採石場。でも車で二時間。
爆破もよくやるよね。
ああ、ここにリアルに来たなあと感慨深かった。
そうそう、蛇が出たなあ。幸運の印だったのかねえ。
早速ドップラー効果満載。
「風?」はやはり美しい髪がいいですね。
風魔は風がモチーフになることが多いので、
風起こしにとても工夫があります。
三種類の機材を使って、
ニュアンスを使い分けています。
当然、このときの蘭子さんのハートをつかむのは、
一番強い風。
巨大蜂の巣は美術さんの特製。
発泡スチロールで出来ている、
特撮っぽいやつです。
メイキングでは失敗して転がる様が収録されており。
小桃の長靴は原作準拠。
そこまで気づいた原作マニアは、
オンエア時でも何人もいました。
「かかってこいメカゴジラ!」
の台詞は、東宝なんだから入れることを検討してもよかったなあ。
ここは後悔してる。
ここで使われているBGMは結構僕が気に入って、
あとあとしょっちゅう使っています。
サントラには原曲のテンポで入ってるけど、
アクションには合わなくて、
原曲より10%くらい速くして使っています。
チェロが美しい曲。
その脚力は一日数千里を走り、
の前口上大好き。
やっぱ特撮のオープニングはこうでなくちゃね。
前口上って、時代劇っぽいのかもね。
旗に集う風魔達は、
原作にはありそうでなかった絵ですね。
そもそも反乱編で出てきた小道具だしね。
原作にある、風魔のハチマキと風魔の刺繍学ランは、
予算の関係で見送りました。
そうそう、蘭子の上着の「蘭子」刺繍も予算の関係で。
夜叉側(夜叉面の前に集うのか)も、
撮っとけばよかったなあ。
姫子さんはまだ固い芝居ですね。
これから慣れて少しずつよくなっていきます。
執事の爺やはこれで出番はおしまいかあ。
エキストラが少ないのは、予算で勘弁してくれ……
そういえばトモがパティシエ役やる予定だったのに、
たしかスケジュールが合わなかったんだよね。
なので、姫子の友達はこれで出番が最後です。
さあ誠士館のイケメンぞろいたち。
もう日が傾きかかって、撮影ぎりぎりだったなあ。
小次郎登場。
原作準拠にこだわったけど、
スローの倍数が足りなくて、
役者にゆっくり歩いてもらったり。
一応カメラの前でバーナー焚いてメラメラの空気を作っているんだけど、
夏の暑さのせいで、なかなか思うように揺れてくれませんでした。
寒くなってからの陽炎のメラメラの空気はうまくいった。
はうわ!
もうはうわ!しかないでしょう。
メルヘンだなあもマストでしょう。
あ、鞭最高にかっこいいですね。
風魔の里では予算不足により、
逃げ出したい部下を制裁する場面できなかったからね。
このあとの空中戦は、僕がワイヤー不慣れだったので、
もう一回やり直したいシーンですね。
ワイヤーを取り付けるジャケット(ハーネスという金属製)は、
前がはだけてる衣装じゃ難しくて。
空中で安定しないから、村井も芝居が難しかったと思います。
武蔵も初登場。ちなみにこの木は、
10話で出て来る白鳳学院のベンチの隣の木に、
登らせて撮っている別撮りです。
このあとの小次郎と蘭子のやり取りは、
原作にないくせにまるで原作にあるような丁々発止で、
僕の大好きなシーンです。
(そのあとのサッカー部控室のもふくめて)
小次郎と蘭子が、まるで目の前にいるようで、
僕はカメラの横で大興奮していたことをおぼえています。
さてさて誠士館。
雷は絶対必要と僕のこだわり。
だって車田は「カッ」からはじめるからね。
パイプオルガンのテーマも、僕はこだわりました。
やっぱパイプオルガンでしょ悪役は。
洋館には必須アイテムだと思うよ。
夜叉姫のスカーフは、
実は紫の布で、
夜叉たちの長ランと同じ素材を使っています。
おしゃれでしょ。誰も気づいていないけど。
夜叉面は、原作にはないけど、
悪の拠点には必ずこういうのが必要だと、
こだわってつくりました。
ショッカーの双頭の鷲みたいなことか。
関東の勢力図は、原作をまねたはずです。
それより広いけど。
壬生登場。もうひとりのこの大河ドラマの主役登場。
壬生はオリジナルキャラといっても過言ではないかなあ。
原作の壬生ファンのみなさんごめんなさい。
あの立ち位置がないと、話をかき回すことが出来なかったので。
壬生の出奔がなければ、
中盤の盛り上がりがなかったと思うよ。
小次郎の女装は、何回かやり直した記憶があります。
イケメンの女装はふつうにやると奇麗になりすぎるのですよ。
蘭子が噴き出すくらいのレベルにするために、
チークをサルみたいにしたり、
胸を大きめにいれたり、いろいろやったなあ。
蘭子との漫才は最高です。
夜叉のシール、20枚くらい作ったのに、この三人しか使ってないなあ。
DVDのプレゼントにすればよかったのにね。
最後の人は制作の佐藤くんです。
この撮影で出会った人と結婚したんだよね。おめでとう。
さあさあさあ。爆笑女装三人組登場。
一応、影三兄弟ということにしておいた。
じゃあひとりハゲチャビン入れないとだめだったかあ。
ちなみに女子サッカー部のみなさんは、全員中学生だったりします。
予算がないので、ボランティア価格で出てくれました……
観客がいないのは、勘弁してくれ……
あとは基本少林サッカーですかね。
殺人スパイクとか、昭和のサッカー観。
最後シュート決めるときにやられた声を出す三人目、
実はおれです。声を取れなかったので、アフレコしたなあ。
「あいつら、やりすぎだ」
でどうしても吹き出してしまう。
よくこんなアホアホバトルを冷静に見れるなあと。
やはり人外の武蔵は感覚がおかしいのか……
壬生は手裏剣の名手なのに、
今回以降一回も手裏剣使ってないですね。
ええ、設定倒れですね。
どこかで使ってあげてください。
さあさあさあ。
本格バトルのはじまりですよ。
ここは気合入れて撮ったなあ。
マトリックスばりの色使いもがんばった。
アングルもこりまくり、トラック移動も冴える。
BGMが最高。
霧氷剣は、原作準拠の、剣の残像が円月拳になるやつを、
そのまま使いました。
でも僕ら世代では、
ブルースリーかケンシロウの残像で手が動くやつだよね。
スプリンクラーを凍らせる作戦はかなり面白かったと思います。
当初は噴水を挟んで氷を飛ばすという設定で、
それを地下駐車場に変えたのでした。
しかもそれが風魔烈風で裂かれていくのが、
なかなか絵になっていたと思います。
「何て素敵な男なの」と、
「樹齢三千年の一位樫」を入れ忘れたのは、
一生の不覚。とくに得物を得意げにするのは、
のちのちの「武器が悪いんだ」につながる伏線になりえたのに。
武蔵と小次郎が見合うバックは、
車田バックを再現しようとして、
いまいち失敗したCGです。
ぶっちゃけ、ウルトラセブンのオープニングのように、
海の素材を加工してつくればよかったと、
最終回くらいで気づきました。
あと「ザシャア」の効果音をうまくつくれなくて、
大変悔しい思いをしました。
姫子が歌っている歌は、
実は僕が作曲した、幻のエンディングです。
(二話で小次郎が口笛で吹いてるのは、
僕が作曲した幻のオープニングです)
曲がないままオープニングエンディングを撮影しなければならなかったので、
イメージになる曲を作っておいて、
それに合わせて絵を繋いで、それで曲を仕上げてくれ、
という段取りでした。
そういえば、生まれてはじめて撮ったシャワーシーンでした。
ベージュの水着がかえってエロイという現場。
夜叉八将軍の8分割カットは今見てもかっこいいねえ。
陽炎だけ最後まで動いてるのは、
もちろんわざとです。
ああ、最高の一話。
これ、30分だぜ?
原作の序盤の雰囲気を見事に再現した、
B級予算の、A級の出来だったのではないでしょうか。
エンディングの教室は、
とにかくまだみんなが仲良くなりかねてる頃で
ここでみんなが色々喋ったことで、
仲よくなった記憶があります。
何をしゃべったかは、想像にお任せします。
わざとそういうシーンにしたので。
竜魔は、本編中では朴念仁なので、
エンディングでは笑顔を使っています。
霧風や麗羅のアップが長いのは、
もちろんそういう狙いでございます。
これから一人ひとり減っていくたびに、
痛切に感じるエンディングになるように、
計算して作りました。
エンディングは、そうじゃなくちゃね。
毎回、この濃さで実況やるのは、勘弁してくれ……
書きすぎた。
ええい推敲もせずに、ダダ流しするぞ。
今日は祭りだ、無礼講。
2017年10月03日
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