2017年10月03日

【風魔エア実況】其の一「小次郎見参!の巻」

全裸待機中なう。

オンエアのころは、9話10話の撮影か編集をしていました。
もう寒くなりかけたころ。村井は前がはだけていて、寒い寒いといってたなあ。
10話の鉄塔の上(陽炎が武蔵に詰め寄った屋上にて撮影)は、
曇っていて、小雨が降り、寒かったのをおぼえています。
そんな中で、僕は第一話オンエアを目撃するために、
家に急いでいました。
近所のコンビニで飯を買い、
そのまま家に直行。
そうそう、あんかけ焼きそばだった。
なので今夜もあんかけ焼きそばを食べてみました。
中華はいつ食っても旨いのだ。

このころはまだツイッターとかなくて、
ネットでの評判は、
2ちゃんを見るかブログ検索をするしかなかったです。
当然この時点では否定的な反応。

でも僕はある種の確信がありました。
ちょっと前に記者発表の場があって、
そこで第一話を特別上映したんです。
みんな爆笑してて、
ああ、オレのコントは間違っていないな、
と胸をなでおろした。

いまさら風魔?といぶかしむのもしょうがない。
でも、やることは決まったんだ、
数ある糞実写化の一例に、
オレの大事な風魔をしてたまるか。
そんな気持ちで臨んでいたことは、
監督メモにも書きました。

僕は伊賀のカバ丸的な、
香取石松的な、初期の小次郎像が結構好きで、
(なんせリンかけでも一番好きなエピソードが、
剣崎がジーザスとやりにいく前に、
石松が決闘を申し込む話なので。
普段おちゃらけてる奴が真面目になる瞬間が、
僕は好きなのかもね。
そのときに真実の瞳が輝くのがね)
それを爆発させることを考えていました。

ギャグは沢山用意した。
そこからの壬生戦は大まじめにやった。
そのギャップこそが、
ドラマ風魔の、ドラマ小次郎の、
魅力になるはずだと考えていました。
村井という逸材を見つけていたし、
蘭子さんも姫子も魅力的だった。
(蘭子の芝居は……まあいいよねもう)

マスコミ試写では、
つかみのドップラー効果でやや受け。
一番の爆笑は、CМ前の女装夜叉三人衆。
さあ、オンエアではどうかな。

たしか、2ちゃんの実況ちゃんねる(tvk)を、
オンエア終わったあとで見返したなあ。
まだガラケーでした。
次の日は漫画喫茶にいって、
死ぬほどブログ検索したっけ。
三時くらいまで2ちゃんの特撮板、ドラマ板、原作板を、
リロードしながら巡回していたっけ。

実は、僕のドラマデビュー作です。
CМやショートフィルムはやってきたけど、
長期にわたるものははじめて。
体力の使い方もわからず、
とにかく必死で、
純粋に面白いものをつくろうと、
躍起になっていました。
情熱、といえば聞こえはいいけど、
ぎりぎりではげそうなプレッシャーでした。

どうなるか。
受けるのか。滑るのか。
全責任は俺。
あんかけ焼きそばの、辛子の味しか覚えていない。

さあ、はじまりはじまり。


中央アルプスってさ、原作準拠なんだけど、
北条氏と風魔と関係ない場所だよね。
どっちかというと秋葉衆の忍びのエリアでさ。
車田節だからいいか。

風魔の里の場所は、
よく特撮で出て来る場所です。
東京から一番近い採石場。でも車で二時間。
爆破もよくやるよね。
ああ、ここにリアルに来たなあと感慨深かった。
そうそう、蛇が出たなあ。幸運の印だったのかねえ。

早速ドップラー効果満載。
「風?」はやはり美しい髪がいいですね。
風魔は風がモチーフになることが多いので、
風起こしにとても工夫があります。
三種類の機材を使って、
ニュアンスを使い分けています。
当然、このときの蘭子さんのハートをつかむのは、
一番強い風。

巨大蜂の巣は美術さんの特製。
発泡スチロールで出来ている、
特撮っぽいやつです。
メイキングでは失敗して転がる様が収録されており。
小桃の長靴は原作準拠。
そこまで気づいた原作マニアは、
オンエア時でも何人もいました。
「かかってこいメカゴジラ!」
の台詞は、東宝なんだから入れることを検討してもよかったなあ。
ここは後悔してる。

ここで使われているBGMは結構僕が気に入って、
あとあとしょっちゅう使っています。
サントラには原曲のテンポで入ってるけど、
アクションには合わなくて、
原曲より10%くらい速くして使っています。
チェロが美しい曲。


その脚力は一日数千里を走り、
の前口上大好き。
やっぱ特撮のオープニングはこうでなくちゃね。
前口上って、時代劇っぽいのかもね。
旗に集う風魔達は、
原作にはありそうでなかった絵ですね。
そもそも反乱編で出てきた小道具だしね。
原作にある、風魔のハチマキと風魔の刺繍学ランは、
予算の関係で見送りました。
そうそう、蘭子の上着の「蘭子」刺繍も予算の関係で。
夜叉側(夜叉面の前に集うのか)も、
撮っとけばよかったなあ。



姫子さんはまだ固い芝居ですね。
これから慣れて少しずつよくなっていきます。
執事の爺やはこれで出番はおしまいかあ。

エキストラが少ないのは、予算で勘弁してくれ……
そういえばトモがパティシエ役やる予定だったのに、
たしかスケジュールが合わなかったんだよね。
なので、姫子の友達はこれで出番が最後です。

さあ誠士館のイケメンぞろいたち。
もう日が傾きかかって、撮影ぎりぎりだったなあ。
小次郎登場。
原作準拠にこだわったけど、
スローの倍数が足りなくて、
役者にゆっくり歩いてもらったり。
一応カメラの前でバーナー焚いてメラメラの空気を作っているんだけど、
夏の暑さのせいで、なかなか思うように揺れてくれませんでした。
寒くなってからの陽炎のメラメラの空気はうまくいった。

はうわ!
もうはうわ!しかないでしょう。
メルヘンだなあもマストでしょう。
あ、鞭最高にかっこいいですね。
風魔の里では予算不足により、
逃げ出したい部下を制裁する場面できなかったからね。


このあとの空中戦は、僕がワイヤー不慣れだったので、
もう一回やり直したいシーンですね。
ワイヤーを取り付けるジャケット(ハーネスという金属製)は、
前がはだけてる衣装じゃ難しくて。
空中で安定しないから、村井も芝居が難しかったと思います。

武蔵も初登場。ちなみにこの木は、
10話で出て来る白鳳学院のベンチの隣の木に、
登らせて撮っている別撮りです。

このあとの小次郎と蘭子のやり取りは、
原作にないくせにまるで原作にあるような丁々発止で、
僕の大好きなシーンです。
(そのあとのサッカー部控室のもふくめて)
小次郎と蘭子が、まるで目の前にいるようで、
僕はカメラの横で大興奮していたことをおぼえています。

さてさて誠士館。
雷は絶対必要と僕のこだわり。
だって車田は「カッ」からはじめるからね。
パイプオルガンのテーマも、僕はこだわりました。
やっぱパイプオルガンでしょ悪役は。
洋館には必須アイテムだと思うよ。
夜叉姫のスカーフは、
実は紫の布で、
夜叉たちの長ランと同じ素材を使っています。
おしゃれでしょ。誰も気づいていないけど。

夜叉面は、原作にはないけど、
悪の拠点には必ずこういうのが必要だと、
こだわってつくりました。
ショッカーの双頭の鷲みたいなことか。
関東の勢力図は、原作をまねたはずです。
それより広いけど。

壬生登場。もうひとりのこの大河ドラマの主役登場。
壬生はオリジナルキャラといっても過言ではないかなあ。
原作の壬生ファンのみなさんごめんなさい。
あの立ち位置がないと、話をかき回すことが出来なかったので。
壬生の出奔がなければ、
中盤の盛り上がりがなかったと思うよ。

小次郎の女装は、何回かやり直した記憶があります。
イケメンの女装はふつうにやると奇麗になりすぎるのですよ。
蘭子が噴き出すくらいのレベルにするために、
チークをサルみたいにしたり、
胸を大きめにいれたり、いろいろやったなあ。
蘭子との漫才は最高です。

夜叉のシール、20枚くらい作ったのに、この三人しか使ってないなあ。
DVDのプレゼントにすればよかったのにね。
最後の人は制作の佐藤くんです。
この撮影で出会った人と結婚したんだよね。おめでとう。

さあさあさあ。爆笑女装三人組登場。
一応、影三兄弟ということにしておいた。
じゃあひとりハゲチャビン入れないとだめだったかあ。

ちなみに女子サッカー部のみなさんは、全員中学生だったりします。
予算がないので、ボランティア価格で出てくれました……
観客がいないのは、勘弁してくれ……

あとは基本少林サッカーですかね。
殺人スパイクとか、昭和のサッカー観。

最後シュート決めるときにやられた声を出す三人目、
実はおれです。声を取れなかったので、アフレコしたなあ。

「あいつら、やりすぎだ」
でどうしても吹き出してしまう。
よくこんなアホアホバトルを冷静に見れるなあと。
やはり人外の武蔵は感覚がおかしいのか……
壬生は手裏剣の名手なのに、
今回以降一回も手裏剣使ってないですね。
ええ、設定倒れですね。
どこかで使ってあげてください。

さあさあさあ。
本格バトルのはじまりですよ。
ここは気合入れて撮ったなあ。
マトリックスばりの色使いもがんばった。
アングルもこりまくり、トラック移動も冴える。
BGMが最高。
霧氷剣は、原作準拠の、剣の残像が円月拳になるやつを、
そのまま使いました。
でも僕ら世代では、
ブルースリーかケンシロウの残像で手が動くやつだよね。

スプリンクラーを凍らせる作戦はかなり面白かったと思います。
当初は噴水を挟んで氷を飛ばすという設定で、
それを地下駐車場に変えたのでした。
しかもそれが風魔烈風で裂かれていくのが、
なかなか絵になっていたと思います。

「何て素敵な男なの」と、
「樹齢三千年の一位樫」を入れ忘れたのは、
一生の不覚。とくに得物を得意げにするのは、
のちのちの「武器が悪いんだ」につながる伏線になりえたのに。

武蔵と小次郎が見合うバックは、
車田バックを再現しようとして、
いまいち失敗したCGです。
ぶっちゃけ、ウルトラセブンのオープニングのように、
海の素材を加工してつくればよかったと、
最終回くらいで気づきました。
あと「ザシャア」の効果音をうまくつくれなくて、
大変悔しい思いをしました。


姫子が歌っている歌は、
実は僕が作曲した、幻のエンディングです。
(二話で小次郎が口笛で吹いてるのは、
僕が作曲した幻のオープニングです)
曲がないままオープニングエンディングを撮影しなければならなかったので、
イメージになる曲を作っておいて、
それに合わせて絵を繋いで、それで曲を仕上げてくれ、
という段取りでした。

そういえば、生まれてはじめて撮ったシャワーシーンでした。
ベージュの水着がかえってエロイという現場。

夜叉八将軍の8分割カットは今見てもかっこいいねえ。
陽炎だけ最後まで動いてるのは、
もちろんわざとです。

ああ、最高の一話。
これ、30分だぜ?
原作の序盤の雰囲気を見事に再現した、
B級予算の、A級の出来だったのではないでしょうか。
エンディングの教室は、
とにかくまだみんなが仲良くなりかねてる頃で
ここでみんなが色々喋ったことで、
仲よくなった記憶があります。
何をしゃべったかは、想像にお任せします。
わざとそういうシーンにしたので。
竜魔は、本編中では朴念仁なので、
エンディングでは笑顔を使っています。
霧風や麗羅のアップが長いのは、
もちろんそういう狙いでございます。
これから一人ひとり減っていくたびに、
痛切に感じるエンディングになるように、
計算して作りました。
エンディングは、そうじゃなくちゃね。

毎回、この濃さで実況やるのは、勘弁してくれ……
書きすぎた。

ええい推敲もせずに、ダダ流しするぞ。
今日は祭りだ、無礼講。
posted by おおおかとしひこ at 23:59| Comment(0) | 実写版「風魔の小次郎」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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