2017年10月12日

【#エア再小次】其の二「ちいさな友達」の巻

今回の目玉は竜魔がボールを受けるところ!
飛龍覇王剣が太ももを貫通するところ!
放送時はそう思っていましたよ。
柱にきづく前はね……


白凰学院は、今日もエキストラ少なめです。
これでも予算オーバーなのです。

校門で小次郎が吹いてる口笛は、
僕が作ったオリジナルオープニング曲のサビ。
「小次郎 小次郎 風魔の小次郎」
の部分だったり。
タイトルがテーマ曲に入ってるのは、
ヒーローものの常識。
え? これコメディだって?
そう思うでしょ、あと数話もすればそれは吹き飛ぶのだ……。

そもそも原作においても、
「伊賀のカバ丸」や「コータローまかり通る!」や、
「さすがの猿飛」など、
忍者学園コメディはひとつのジャンルでもありました。
原作がそのスタイルを借りたんですな。
「悲劇の姉弟が立身出世をボクシングでしてゆく」
というフォーマットを借りて、
リンかけがいつの間にか違う漫画になっていったように。
リンかけは男の根性と美学の漫画になったけど、
風魔はどうかな。
中途半端に終わっていて、
だからこそ、僕がけりをつけたいと考えているのかもしれません。

で、相変わらずコント満載。
蘭子は懐剣持ってるのかい。
意外と誰も突っ込まないポイント。
「まあ忍者みたい」は最高のボケですな。
(これで姫子はある種のボケキャラの立場を築いたことに。
しかしあとにあるように、お人柄なのです)

わりと安い合成でも、まあコントならよし、
というのはある程度の計算です。
ぴょんぴょん飛んでるのは、勿論あとへの伏線。


そういえば、
看護婦さん元気ですかねえ。
このひとの女優人生で、
最高の台詞(のひとつ)は「矢!?」じゃないでしょうか。

こんなに下手だとは、現場で頭を抱えました。
見た目は結構かわいくて、好みだったんだけどねえ。
絵里奈のほうが全然うまい。
賢い子供は、僕の得意なモチーフのひとつです。
子供なりに僕は苦労してたんですかね。

この野球場のシチュエーション探しが、
全ロケで最高の難易度でした。
バックスクリーンの中で撮影したいこと、
隣接する勢いで病院があること、
そして安いこと、
という激ムズ条件。
撮影日は暑かった。

ちなみに絵里奈の病室は、廃病院のロケです。
いつ行っても廃病院ロケは恐い。
(稼働中の病院は、
患者さんのベッドをひとつでも確保したいものです。
お金があればセットをつくれるけどね。
ちなみにあとで小次郎が窓の外に出たり入ったりするのは、
この病室が一階だからできる方法)

ということで、夜叉八将軍せいぞろい。
おれ、不知火は黒人にしたほうがいいってネタを主張したんだけど、
「舞台もあるので」と普通の人選になりました。
黒人だったら不知火伝説にさらに1ページ加わったのに。

不知火の武器、呉鉤は、いつか使いたかったマニアック武器。
蟷螂拳で二本セットで使うんですが、
中の人(板橋)がボクシングが得意なので、
左手はナックルという変則になりました。
しかし夜叉の武器は変則ぞろいですなあ。
誰だヨーヨー持ってきたのは。俺か。
雷電のぎゅぎゅぎゅも、狙い通り。
あれ?俺担当の八将軍だけ、マニアック武器ばかり?


野球の前の小次郎と蘭子の会話は、
原作からさらに一歩踏み込んだ解釈です。
こういうのを二次創作というのかもしれないけど、
これが伏線になり、
あとで結実すれば、それは物語として正当だと思います。
「蘭子はいいやつ」。小次郎はそういうやつだと僕は思う。

ああ、相手ピッチャーの名前に、
赤垣っていれるの忘れたああああ。
顔面ピッチャー返しするかわりに、なんかすればよかった。
二塁を守ってたやつを赤垣とするか。

さあ今週の見せ場来ますよ!
「いやーん」きたー!
このスカートはテグスで横から引っ張っているんですが、
助監督の本田さんは、
どういう思いで引っ張っていたのでしょうかね。
名古屋から上京して助監督になり、
40過ぎてテグス引っ張る係。
僕なら興奮しますね。

「スパッツを履いていいけど、その下は純白な!」
とセクハラまがいの役作り指導した俺よ。
ちなみに本田さんはその後、
「ここはグリーンウッド」で、
見事にメイン監督に昇進。ぱちぱちぱち。


絵里奈と友達になるのは、
我ながらとてもいいアイデアだと思います。
ほんとは「病室で小次郎と武蔵が鉢合わせる」、
という場面も後半にやりたかったのですが、
いれる場所がなくて、なくなくカットした記憶があります。
(そもそも武蔵がサイキックのため、
気づくんじゃないか、というツッコミは野暮)

「風?」というCMへのつなぎは、
実はかなりのお気に入りなんだけど、
あんまり評価されないですね。
ニクイ演出だと思うんだけどなあ。

まいど遠くに見えている病院は、
毎回赤十字を合成しています。
だからちょっと変なのです。
都合よく病院はなかったので、
白い倉庫ビルを病院ということに見立ててあります。

むーさーしよ。陽炎はまだ癖を出してないね。
雷電だけマイクが割れとる。
ちなみに、すぐ死ぬ人に優先的に台詞を割り振ってあります。
前半しか出番がない人はかわいそうだからね。

でもショービジネスの現実みたいなのがあって、
アディオスした人は、
それ以後の台本は貰えないんだそうです。
だからその後どういう話になったかは、
オンエアを見るしかないらしい。
不知火の人、4話から台本貰ってないって聞いて、
現実を知る。

野球を原作どおりにしなかったのは、
もう前回でなでしこやりまくったので、
なにか変わった方法がいいなあと思ったから。
毎回少林サッカーやる予算もないですし。
あ、白い球の球技は比較的合成がやりやすいです。
球だけ合成すればいいからね。
風も見えないから、CG費が浮くのだ。

ティーセットは僕のこだわり。
初期コンテにはお重もあったりしたんだけど、
ワゴンに乗せたいので、お重の予算まで回りませんでした。
かわりにマカロンが来ることに。
執事も呼びたかったけど予算が出ず。

さあいよいよバックネット裏。
このときのドン!という音はたくさん種類を作って、
のちのち色々なところに使われていますね。
ドン!は車田っぽいし、和風でいいなあと思いました。

あとよくあるのが鈴のリンとか(押井守がよく使う)、
尺八とか。でも僕は車田ではないとして、
積極的に使っていません。
そのへんが思い入れのある監督ならではのこだわりというか。

そうそう、ザシャアはむずかしかった。
車田にそれがないなんてありえないと思ったんだよ。
聖闘士星矢のアニメ化で一番不満だったのが、
ザシャアがなかったこと。
なんでないんやと思っていたが、
自分でやってみるとわかる。
スライディングの音みたいになるんだよね。
誰も滑ってないのに滑ってるみたいな。
(巨人の星のオープニングの、
スライディング音を思い浮かべてください)
ずざざざとなるだけで、ザシャアにはならない。
で、ようやく気付くのですが、
ザシャアは擬音語ではなく、擬態語なんだと。

「ぬっと出る」の「ぬっ」は音にない。
「しーんとなる」の「しーん」は音にない。
「ザシャアと登場する」は、擬態語なんですな。
同様に車田擬態語には、
「カッ」(雷や火花)
「ピシャアアアアン」(落雷)
「ドオオオオオオン」(迫力)
「ゴゴゴゴゴゴゴ」(迫力。地鳴りではない)
などのオノマトペたちが、
擬音語ではなく擬態語であることがわかります。
ピシャアアンなんて雷が落ちた時いわない。
どーんとかぱーんっていうだけだよね。
つくづく、漫画って面白い文化だなあと、
ザシャアに失敗してから理解するわけです。


小次郎と武蔵の初戦、
狭いバックネットで、長刀がかなり苦しい殺陣でした。
「影がない」のは、わりと楽な合成。
カメラ同ポジションで、50%で乗っけるだけでできちゃう。
いわゆる二重露光合成ですな。
ちなみにこの日、出番のない小龍も兄についてきていて、
中は二階に階段で登れるようになっているんだけど、
ずっと二階からちょこんと座って撮影を見学しておりました。


「出せよ、壬生を傷つけた技」
いいセリフだ。普通の台詞でもあり、
ちょっとBLの人が反応するようにもできている。
このへんの塩梅でいいんですよね?

この場面、いいBGMがなくて、
困った末に主題歌引いてみたら、
飛龍覇王剣でちょうど「アディオース」にドンハマリしたので、
そのまま採用。神が用意したタイミングだね。
ふつう最終回でやる手だよねえ。まあドンピシャだったからいいか。


さあ本日のメインイベント。
4時きっかりの風に乗ったウィニングボールを、
竜魔が受け取って……!
キター!
そして柱ー!!!!!
(ちなみにこのカットで、ザシャアをずっと試していた。
今なら柱にぶつかる音を考えたかもね)

そしてこの回の最大の名台詞は、
「9対9だと?俺を人数に入れていないな」でしょうね。
2ちゃんのスレッドで風魔ミュージカル化のニュースが流れた時、
「壬生が俺を人数に入れてないなー♪と歌うのか?」
とあって爆笑。

壬生は、「俺を人数に入れてないな」からはじまり、
「先に眠る、我が友よ」で終わるキャラクターです。
僕の創作した最高のキャラクターの一人です。


あとはどうしてもやりたかったメンバー表が長刀に絡むやつ。
血糊がつくから、難しかったなあ。


そして最後の名場面、「矢!?」を見て、
今回はおしまい。
ラスト、風魔では珍しいクレーン撮影してます。
こんなんで予算使っちゃうとは、まだ俺は把握しておらず。

「風の使者」というのは原作にありそうでなかった言葉ですね。
(アニメにはあったんだっけ)
風魔なんだからそれくらいあってもいいのに、
と僕が付け加えた言葉です。
これによって、絵里奈と小次郎の絆が描きやすくなったような気がします。





さてこの濃さのエア解説は毎週持つのだろうか。
いや、エア実況とエア解説は表裏一体のはず。
実況のみなさんよろしくです!
posted by おおおかとしひこ at 00:00| Comment(2) | 実写版「風魔の小次郎」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ティーセットのこだわりを書いていただいて個人的に嬉しいです。
車田作品にはお嬢様がわりと出てきますけど、皆さんどこか浮いてるじゃないですか
例えばスケ番あらしなんかはお嬢様の着替えを少女メイド?みたいな子達がうやうやしく持ってきたりしてましたし…
だから姫子があのティーセットでお茶しているのは、車田作品っぽくて、オンエア当時ひとりでニヤニヤしていました。
ああ、この実写ドラマは車田作品を解ってる人が作ってうると!
確かに予算があれば辰巳みたいな執事がついてきたんですね!
それも見てみたかったけれど、あのティーセットで雰囲気は出てましたよ。
Posted by すしを at 2017年10月17日 00:48
すしをさんコメントありがとうございます。

お金持ちを描くにはお金がかかるのです。
(当たり前だ)
洋館であろう北条邸も描きたかったし、
ベントレーかベンツかロールスロイスで学校に送り迎えされてる様も描きたかったですよそりゃ。
漫画はただで描けるのが羨ましい。
それを泣く泣くティーセットひとつに押し込めたのを、
見ていただいて感謝感激。

初期の頃は、姫子屋敷を風魔が警護する、
なんてプロットもあったなあ。
(金があればマトリックスリローデッドみたいな屋敷内戦闘もやりたいわ)
柳生屋敷と隣同士、ていう無茶な設定もあった。
柳生屋敷と二つは出せない、という予算組でしたよ。

お嬢様ではないけど、そういや剣崎財閥がありましたね。
70年代少女漫画の系譜だと思います。
もともと車田先生はスケ番あらし以前、少女漫画誌出身と聞きましたが。
Posted by おおおかとしひこ at 2017年10月17日 01:06
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