2017年10月16日

すべての物語はアウトローである

個性溢れるキャラクターはどうやって作れるのか。
ダイナミックな物語はどうやって作れるのか。

アウトローがキーワードかもしれない。


最近、規制が益々厳しい。
ちょっとなんかやっただけでネットが炎上する。
それは、テレビや芸能界が、ロー(法、秩序)側に組み込まれたのかも知れない。

え?そうなん?
僕らが望む面白いストーリーってさ、
全部アウトローだと思うんだ。

ヒーローは警察機構じゃないよね。
法で裁けぬ悪党どもを超法規的抹殺をするから、
スカッとするんだよね。

恋愛に法律はないよね。
寝取りや抜け駆けや裏切りがあるから、
修羅場が生まれて面白くなるんだよね。

隕石が落ちてくるときに、法律に基づいたことをやってもしょうがないよね。
法律は平時のものだからね。
戦争にだって法律は適用されない。
兵士は殺人罪で死刑になるわけではない。

宇宙人や幽霊や溶解やロボットなど、
架空のものについては法律は適用されない。

物語は異常事態を描く。
もともと、平時の法律の適用外を描くのだ。

ヤクザは法律の外だ。
法律の外はヤクザだけではない。
民事不介入の民事は、わりとグレーゾーンだ。
家庭のなかには適用されない法律もある。
(強姦とか盗難とか。ひどいときは法律で保護するけど)

そもそも、法律に触れない悪は、
悪意さえあればいくらでも思いつく。
法制度が整っていないジャンルを攻めればいいからである。


個性的なキャラクターを作るには、アウトローにせよ。

ルパン三世も次元も五右衛門も、アウトローだ。
バンバン人を殺すし、物を盗む大泥棒だ。
しかし悪ではない。
だから魅力的だ。

ドラえもんだって時間旅行者であり、
本来ならタイムパラドックスを起こさないために、
厳しく取り締まりがあるはずだ。
アウトローという意味での存在ではないが、
その取り締まりがないからこそ、
未来の道具を無限に使用してよいのだ。

浮気したらいまやネットでフルボッコだけど、
アウトローの存在なら甲斐性だ。
ただし火遊びは糞で、責任とって生活費渡せば問題ない。
そもそも火遊びだって、アウトローの範疇である。


面白そうなことは、全部アウトローだ。
アウトローの存在。
アウトローの事態。
アウトローの行動。
アウトローの責任。

時代劇は、現代のローが決まっていない以前の世界を舞台にできる。
現代劇ではフルボッコにされることも、
時代背景だということでいくらでも可能だ。
(昭和がそろそろ時代劇扱いかもしれない)

今のローは息苦しい。
だからこそ、人は物語をみたい。
その物語を、ローで取り締まらせないようにしよう。
そのためには、アウトローを意識するとよい。

浮気の話が書きたいなら、
現代の良識ある人にせず、
宇宙人やロボットや幽霊や妖怪や、ヤクザやホームレスに、
するといいかもしれない。
行為そのものを描かないなら、
子供にしてしまえばいい。
あるいは、宇宙人との戦争中の話にしてしまえばいい。

最近だと「選挙中」というのは特別な祭感があるね。
祭も非日常だ。
非日常下にこそ、物語の種はある。

ローは厳しい。厳格に適用される。例外はない。
だったらその外を考えるといい。
アウトローは無限の宇宙だ。
posted by おおおかとしひこ at 11:32| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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