2017年11月05日

アイデアの限界

アイデアを思いついた、
それは世界を救う福音になるかもしれない。
しかし待て。
そこまですごいことか?
冷静になれるかということ。


相対性理論を思いついたって、
そのアイデアには限界があった。
大きなスケールでの宇宙論には使えるが、
ミクロスケールの力学には量子論が必要だ。

どんなものにも、
そのアイデアの有効範囲がある。

あなたは凄いアイデアを思いついた。
その興奮に酔いしれる間はまあいい。
落ち着いてきたら、
それがどこまで通用するか、その有効範囲を見極めておくべきだ。

ついでに、それの延びしろも見積もることだ。
まだできたばかりだから、
今後リライトを重ねて完成度をあげていくのだが、
恐らくここまでは行けるだろうという、
マックスの到達距離だ。

アイデアの価値は、
その有効範囲内で、マックス遠くまでいけるかどうかで、
恐らく決まるのではないか。

平凡なアイデアというのは、
その有効範囲に限らず、
たいして平凡な日常を浮揚させるものでないことが多い。

その有効範囲内で、とても優れたものであるかどうか。
それはアイデアの鋭さという指標になるのかもしれない。

あるいは有効範囲を多少変えると、
ぐずぐずになるのか、それともなんとか適用できて、
そのアイデアの新鮮さを失わないか。
それはアイデアの強さという指標になるのかもしれない。

貧弱で弱いアイデアは、
両方だめなわけだ。、

どんなに鋭くても、
一部にしか有効でないものはいいアイデアとは言えない。
地方チャンピオンみたいなことだ。

強いアイデアだといい。
応用が効くし、
いろんな人の心に入り込める。

待ちは広く、真芯は鋭く。
これがアイデアの理想だ。

鋭いアイデアだが狭い範囲だとしたら、
その範囲を限定することで、
その地方最強を目指してもいい。
メジャーではない、マイナー王者になるということ。
でもそれはやはり小成功でしかないと思う。

その範囲が狭すぎるのなら、
マイナーの一ジャンルでしかない。
その範囲をどうやったら広げられるかを考えるのも、
悪くないことだ。


で、
理想のストーリーは、
物凄く狭い特殊なジャンルのことなのに、
全員が分かり、納得できるような、
広いアイデアがあることだと思う。
posted by おおおかとしひこ at 12:55| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。