ハイネケン。彫りの深いビールです。
こういうのを表現という。
スカッとさわやかとか、
コクがあるのに切れがあるとか、
旨味があるとか、
直接的な言葉には限界がある。
ビールを形容する言葉を探しても、
有限個だ。
だから直接的な言葉を探すと、
すぐに誰かが既に使った形容にたどり着く。
つまり限界にすぐ到達して、
オリジナリティなど見出だせない。
よくあるのは、人を形容する言葉を使うことだ。
愉快で明るいビールです。
一緒にずっといたいビールです。
いつも名残惜しくなるんだなあ。
責任感があるビールです。
わがままなところがいいんだ。
いぶし銀でいたい。
こういうのは、ビールに普通つかない言葉だ。
だから新しい表現を、無限に作れる。
で、冒頭の例。
彫りの深い、というのは人に使うけれど、
内面のことじゃなくて、
外面のことであるのが珍しい。
指が長いとかと同じジャンルだ。
それでいて、味に深みがあるんだろうな、
ということを上手く表現できている。
苦味と爽快さの融合、みたいなただの事実の羅列に比べて、
天と地の差だ。これが表現だ。
新しい言い方。
それこそが表現するということである。
いいキャッチコピーは、とても勉強になる。
2017年11月02日
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