2017年11月02日

普通それに使わない言葉を使う

ハイネケン。彫りの深いビールです。

こういうのを表現という。


スカッとさわやかとか、
コクがあるのに切れがあるとか、
旨味があるとか、
直接的な言葉には限界がある。

ビールを形容する言葉を探しても、
有限個だ。
だから直接的な言葉を探すと、
すぐに誰かが既に使った形容にたどり着く。
つまり限界にすぐ到達して、
オリジナリティなど見出だせない。

よくあるのは、人を形容する言葉を使うことだ。

愉快で明るいビールです。
一緒にずっといたいビールです。
いつも名残惜しくなるんだなあ。
責任感があるビールです。
わがままなところがいいんだ。
いぶし銀でいたい。

こういうのは、ビールに普通つかない言葉だ。
だから新しい表現を、無限に作れる。

で、冒頭の例。
彫りの深い、というのは人に使うけれど、
内面のことじゃなくて、
外面のことであるのが珍しい。
指が長いとかと同じジャンルだ。

それでいて、味に深みがあるんだろうな、
ということを上手く表現できている。

苦味と爽快さの融合、みたいなただの事実の羅列に比べて、
天と地の差だ。これが表現だ。

新しい言い方。
それこそが表現するということである。

いいキャッチコピーは、とても勉強になる。
posted by おおおかとしひこ at 23:13| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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