展開が下手な人は、
「展開は徐々にする」と思ってやしないだろうか。
展開はいつも急だ。
ただし、無理や無茶にならないような工夫があるだけだ。
そもそも物事が展開するときは、
急なのである。
突然入った新ニュース。
実はこうだったと過去がわかること。
実はこう思ってたとわかること。
突発的な行動。
そのメンバー以外の空気を読まない行動。
そういうことによって、
事態は変化する。
逆に、安定してもうこれ以上動かない事態は、
このような急なことでしか、動かすことは出来ない。
勿論、徐々にゆっくり、じっくり行きたいときもある。
恋の序盤を考えれば、急にいろんなことは起こらない。
しかし、どこかで物語の車輪が回り始め、
急なことだらけが起こる。
そういう連鎖が物語だ。
急にいろんなことが起こりすぎて、
ちょっと整理できなくてびっくりしている、
そのことそのものが、「物語のなかにいる」状態だ。
ところで、
どんな「急」でもよいわけではない。
その急が、驚きになり、意外性があり、
興味を誘うものであれば、
全く問題なく進めてよい。
事態は加速するだろう。
その急が、あまりよくない場合。
「無理がある」と感じたり、
「分からなすぎてイライラする」場合。
こういうときの為に、伏線という技術がある。
雨が降るシーンの前には、曇り空を写しておけ、
という現場の鉄則は、
それを端的にまとめたものだ。
あとに唐突が起こるならば、
その予告をちらりとしておけ、
ということ。
突然別れ話を切り出すならば、
退屈してるシーンとか、他の異性が現れたシーンを、
その直前か大分前においておくといい。
(それが面白い唐突なら、それはいらない)
「こういうこともあろうかと、持ってきたのだ」
と突然出すぐらいなら、
事前に計画しているシーンを作ればいい。
そしたら、「出たー!」となってテンションが上がるはずだ。
「こういうこともあろうかと」は、
その場で考えたその場しのぎだ。
だったら伏線となるシーンを作っておけばいいのだ。
この伏線と解消の関係に慣れて、
初めて唐突をコントロール出来るようになる。
伏線となるシーンを削除すれば、
急展開を演出できるというわけだ。
意図的な急展開というわけ。
つまりは、「伏せておく」というやつだね。
全ては急展開だ。
その布石が意図的においてある場合に限り、
スムーズな展開に、見えているだけのことである。
全ての名作をそのように分解研究しよう。
なぜその展開はスムーズに見えているのか?
必ず布石が打ってあるからだ。
全ての急展開(ターニングポイント)は、
布石のありなしでしかない。
2017年11月12日
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